[ボーカリスト向け]声帯ポリープ、声帯結節を作らない為に気を付けるべきこと7箇条[記事公開日]2022年1月18日
[最終更新日]2022年01月18日
[ライター]ソロモンの 猫

今回はボーカリストの方に向けた記事になります。

ボーカリストの多くの方が気にしているであろう病気、声帯ポリープ、声帯結節について書いていきたいと思います。

筆者も昔、歌の歌いすぎで声帯ポリープを作って手術した経験があります。

 

今回の記事では、声帯ポリープ、声帯結節を作らない為に日頃から気をつけて欲しいことを書いていきたいと思います。

[声帯ポリープとは]

声帯ポリープは声帯に炎症が起こり、声帯の縁に膨らみが出来る病気です。

主に風邪や声の出し過ぎが原因で出来るとされています。

声帯は左右2本のひだを1秒間に何百回とぶつけ合うことで「声」を作り出しています。

 

    声帯(呼吸時)

 

    声帯(発声時)

 

 

ポリープが出来るとひだの開閉がうまくいかなくなったりして、発声に悪影響を及ぼします。

ポリープは声帯の片側に出来る「水ぶくれ」のようなものであるのに対し、声帯結節は声帯の両側に出来る「ペンだこ」のようなものです。

声帯結節の場合も症状は声帯ポリープと殆ど同じです。

どちらも、声の使い過ぎが一番の原因で、歌手、声優、アナウンサー、教師など声を酷使する職業の方に多い病気です。

[声帯ポリープを作らない為に気を付けるべきこと]

 

①発声頻度を減らす

まず一番気を付けて欲しいのはやはり、発声の頻度です。

発声頻度を下げれば、声帯にダメージを与える回数を減らすことが出来ますので、声帯の早期回復に繋がります。

仕事柄、なかなか声を休められない方も多いとは思いますが、出来る限り声を使いすぎないということが一番です。

歌の場合は特に、声が不調な時に無理に練習を続けても上達するどころか変なクセがついたり、かえってマイナスになってしまいかねません。

声がおかしいと少しでも感じたら、しっかりと休めてあげることがとても大切です。

②水分をしっかり摂る

声帯の表面は声帯粘膜という粘膜で覆われていて、声帯が振動する度に少しずつダメージを受けている状態です。

その声帯粘膜は潤っている状態が理想的で、粘膜の水分が不足し乾燥すると声帯がぶつかった時の摩擦が大きくなりダメージが大きくなります。

これが乾燥が声に良くないと言われている理由で、水分をこまめに摂ることで声帯へのダメージを軽減することが出来るのです。

のど飴を舐める、加湿器を使う、マスクをするなど日頃から声帯の保湿を心がけることも大切です。

 

また、お茶やコーヒーなどの利尿作用のある飲み物は声帯の水分をかえって奪ってしまうので常温の水がオススメです。

③風邪をひいている時に無理をして歌わない

風邪をひいている時に無理をして歌うと一発で声帯ポリープを作ってしまう恐れがあります。

風邪をひいて声帯がむくんでいる状態で無理に発声すると、声帯の摩擦がより大きくなる為、通常時よりも大きなダメージを与えてしまいます。

且つ、風邪をひいている時は回復力も落ちているので、当然声帯粘膜の回復も遅いです。

その為、風邪をひいている時や声の調子が悪い時に無理に歌い続けると声帯に致命的なダメージを与えかないので、絶対にやめて下さい。

声帯ポリープや声帯結節は長い蓄積で出来てしまうこともありますが、瞬間的なダメージが大きいと一発で出来てしまうこともあるのです。

④お酒を飲んで歌わない

これは言わずもがなですが、お酒を飲んでいる状態で歌を歌うという行為は非常に危険なのでやめて下さい。

 

お酒を飲んで酔っ払うと、筋肉の細かいコントロールが効かなくなります。

歌を歌うという行為は声帯周りの沢山の筋肉を繊細にコントロールすることで行っています。

ですので、お酒を飲んで歌ってしまうと、思わしくない発声になってしまう可能性がとても高いのです。

プロのボーカリストには「お酒を飲んだら絶対に歌うな」と指導しているボイストレーナーの方も多いです。

 

またアルコールにも利尿作用があり、声帯から水分を奪ってしまいます。

声帯にとって乾燥は大敵です。

 

お酒を飲みながらのカラオケは楽しいかもしれませんが、声帯にとっては最悪なのでほどほどにしましょう。

⑤発声を良くする

声帯ポリープを作らない為に発声を良くするということは物凄く重要です。

発声が下手であればあるほど、声帯へのダメージは当然大きくなります。

プロの歌手が長時間のコンサートを連日行うことが出来るのは、普段からケアをしているのは勿論ですが、高い発声技術があるからに他なりません。

正しい発声を行えば、声帯へのダメージを大幅に軽減することができます。

声帯ポリープを作らない為に、最も効果的な予防策は正しい発声を身につけることだと思います。

 

しかし、気を付けて欲しいのはどんなに正しい発声を身に付けたとしても、歌を歌えば声帯はダメージを受けるということです。

どんなに高い発声技術を身に付けたとしてもダメージはゼロにはなりません。

通常は良い発声が出来ている人でも連日のライブでコンディションを崩すこともありますし、乾燥が原因で調子を崩すこともあるでしょう。

そういった、コンディションが優れない時に無理に歌ってしまうことは先程も書いたように一発で声帯ポリープを作るような致命的なダメージを与えかねません。

ですので、正しい発声を身につけることは大切ですが、何よりもまず「無理をしない」ということが一番なのです。

⑥実は喉にとても悪いヒソヒソ声

声が枯れて出なくなってしまった時や、喉が疲れてしまった時に、喉を労ってヒソヒソ声(囁き声)で話したりする人がいます。

実はこれ声帯にめちゃくちゃ悪いのです。

ヒソヒソ声は力を入れていないから声帯への負担は小さいと思われがちなので注意が必要です。

 

ヒソヒソ声は息が多く漏れている分、声帯が過剰に振動する為、声帯への負担はより大きくなります。

また息が多く通ることで声帯が乾燥しやすくもなります。

 

「なるべく声を使わないように」と多くの人がやってしまいがちなので、くれぐれも気を付けて下さい。

⑦声に異変を感じたらすぐに病院へ

声帯ポリープを作らない為に、声に異常を感じたらすぐに病院に行きましょう。

耳鼻咽喉科であればポリープがあるか診てもらえますが、歌手や歌い手さんが多く通っている耳鼻咽喉科、或いは専門の音声外来やボイスクリニックに行くことをオススメします。

 

筆者は昔、声帯ポリープを作って普通の耳鼻咽喉科で診察してもらったのですが、最初はポリープが小さすぎて耳鼻咽喉科の診察では見逃されていました。

ポリープが見つかった後も、日常生活には支障はないだろうと「歌う」ことに対しての問題は全く考慮してもらえませんでした。

 

その後、セカンドオピニオンとして受診したボイスクリニックで手術してもらうに至り、無事完治しました。

ボイスクリニックでは本当に親身になって、声のトラブルの相談に乗ってもらえました。

歌を歌っている方は、やはり歌に関するトラブルの経験が豊富な先生に診てもらうことを強くオススメします。

 

「声がおかしいな」と感じたら無理をせずにすぐに信頼できる病院へ行くようにして下さい。

 

筆者が声帯ポリープが出来た時の話はこちらで詳しく書いていますので興味のある方は是非覗いてみて下さい。

▶︎声帯ポリープ発症〜手術まで 実体験談

[まとめ]

「声帯ポリープを作らない為に気を付けるべきこと」

①発声頻度を減らす

②水分をしっかり摂る

③風邪をひいている時に無理をして歌わない

④お酒を飲んで歌わない

⑤発声を良くする

⑥声が疲れた時はヒソヒソ話もしない

⑦異変を感じたら直ぐに病院へ行く

 

いかがでしたでしょうか。

声帯ポリープ、声帯結節はボーカリストにとって本当に厄介な病気です。

絶対に作らないように気を付けたいものです。

 

声帯を覆っている粘膜層の分厚さは個人差があります。

声帯同士がぶつかり合い、粘膜層が削れていくと声が出なくなっていくのですが、粘膜層の分厚さに個人差があるということは声帯の体力にも個人差があるということです。

またその削れた粘膜層を回復させる治癒力も当然個人差があります。

故に、声帯ポリープや声帯結節は出来やすさに個人差があるとも言えます。

粘膜の回復が早い人や、元から粘膜が分厚い人は、同じ時間歌を歌ってもポリープが出来にくいです。

 

しかし、声が枯れやすい体質だからと諦める必要は一切ありません。

正しい発声を身に付けて、しっかり喉のケアを行えば声帯ポリープや声帯結節は滅多にできるものではありません。

 

日頃から正しい歌い方、正しい声のケアを心がけて、快適な音楽活動を送っていきましょう。

ライター:ソロモンの 猫

法政大学文学部日本文学科卒業。大学在学中、小説、詩、文章の書き方を学ぶ。2020年よりフリーライターとして音楽をメインに幅広いジャンルの記事を執筆中。 @soromonnoneko