[ボーカリスト向け]歌が下手に聴こえてしまう5つの原因[記事公開日]2022年1月25日
[最終更新日]2022年01月25日
[ライター]ソロモンの 猫

歌が上手い人と下手な人の違いは一体何なのでしょうか。

歌が上手い人の歌は不思議なもので第一声から「この人は上手い」と思わされる何かがあります。

今回の記事では歌が下手に聴こえてしまう主な原因を考えていきたいと思います。

 

 

①ピッチが悪い

まず一番最初に思い浮かぶのは「音程」でしょう。

音を外しているわけではないのに、あまり上手に聴こえない人はピッチが悪い場合があります。

 

例えば「ド」の音一つでも、人間は機械ではないので、寸分の狂いもない「ド」の音を歌うことは不可能です。

当然、「ド」の音でも微妙にシャープしてしまっていたり、フラットしてしまっているわけです。

歌においては、鍵盤でいうところの「ド」ど「ド#」の間の音が無数に存在しています。

 

その物凄く微妙な音程のことを「ピッチ」と呼んだりします。

「ピッチが良い」というのは、「音程」が正確であるというニュアンスです。

 

音を外してしまっている場合は「音が外れている」「音痴」などと言われてしまいますが、「ピッチが悪い」というのは「音はまあ外れてはいないんだけど、微妙に当たってない」というラインの場合に使われます。

 

音楽をやっていない人からすると、この「ピッチ」という概念がないので、「音程が取れている」というジャッジが実はかなり甘かったりします。

実際はかなり「ド」の音からシャープしてしまっていても大きく外れていなければ「音程が取れている」という認識をしていたりするのです。

 

歌が上手い人というのは殆どの場合、ピッチが良いです。

逆に「下手ではないんだけど何か微妙、、、」という人はピッチが悪いことが多いです。

 

音程解析ソフトなどを使えば、音程がどれだけズレているのか視覚的に見ることができるので、DTMをやっている方が身近にいたら、一度歌をレコーディングして解析してみると良いです。

思っている以上に、音程を正確に取れていないことがわかると思います。

 

ピッチを意識して歌を聴く様になると、自身のピッチ感もとても鍛えられます。

 

一般的に出回っているCDなどの音源では殆どの場合ピッチは修正されていますが、ライブではそうはいきません。

プロの方でも時々、ライブでピッチが悪い様に感じることはあります。

それはライブの環境であったり、コンディションによっても左右されます。

上手い人の場合は、その微妙なピッチの不安定さが味になっていて、逆に良かったりもするのですが、「自分の歌はなんだかわからないけど良くない」と悩んでいる方は、徹底的にピッチに厳しくなってみて下さい。

ピッチが良くなるだけで格段に歌は上手く聴こえるはずです。

 

②リズムが悪い

歌において音程を重視している方は多いのですが、実は音程と同じくらい重要なのがリズムです。

リズムが一番大事だと言っているプロの歌手も少なくありません。

 

普段、私たちが聴いている音楽はしっかりとクリック(メトロノーム)に合わせてレコーディングされたものが殆どです。

音楽をやっていない人でも、普段耳にしている音楽はリズムがある程度しっかりしているものなので、リズムがズレている歌というのは素人が聴いても違和感を覚えます。

その為、ピッチよりもリズムの方が一般の方の聴く耳は厳しいのです。

 

これは歌に限らず、楽器でもリズムが悪いと当然下手に聴こえます。

逆に、リズムが良いと物凄く演奏が上手に聴こえます。

 

バンドにおいて、「そのバンドのレベルはドラマーのレベルで決まる」なんてことも言われたりします。

それだけ、演奏においてリズムが重要だということです。

 

発声や音程のトレーニング同様に、リズムトレーニングも欠かしてはいけない項目です。

 

 

③発声が悪い

音程もしっかり取れていて、リズムも良いのに、どうもあまり良くない。

そんな場合は、発声が悪い可能性があります。

 

どんなにピッチが良くて、リズムが良くても、発声が悪いと、楽器である体が豊かに鳴っていないので聴いていて心地よくありません。

 

これは発声と言うより、共鳴の問題とも言えます。

「良い声」と思われる声は、奥行きや広さがあり、豊かな倍音成分を含んでいます。

 

どういった声色が好きかというのは好みの問題で、人によって様々ですが、正しくない発声を行っていると、どうやっても聴いていて心地よい声を作り出すのは難しいです。

また、発声が悪いと無駄な力みが生じるので、ピッチやリズムのズレにも繋がります。

 

自分が納得のいく声が出せているなら問題ありませんが、「どうにも自分の声が好きになれない」「下手に聴こえる」という悩みがある方は発声から見直すことをオススメします。

 

発声を見直す場合、独学で見直すのは間違った方向に練習してしまう危険があるので、ボイストレーニングを受けてみるのが良いでしょう。

ボイトレに関する記事もいくつか書いていますので、併せて読んでみて下さい。

 

▶︎ボイトレに行くと個性が無くなる?!ボイトレに行くべきかを考える

 

▶︎ボイトレの先生、レッスン形態の選び方

 

 

 

④滑舌が悪い

滑舌が悪いと、聴いている側はストレスに感じることがあります。

何より、歌詞が聴き取りにくくなるので、滑舌が悪いというのは非常に勿体ないです。

 

しかし、多少滑舌が悪い分には、その歌い手の持ち味として許容されてしまうことが多いです。

例えば、歌手の桑田佳祐さんは滑舌が良くありませんが、彼の歌は多くの方に広く愛されています。

ここまで突き抜けてしまえば、逆に長所とも言えるでしょう。

ですので、滑舌が悪いことが100%悪い方にしか働かないかと言うと、そうとは言い切れませんが、多くの歌手の場合はデメリットである気はします。

 

歌の歌詞というのは聴いている側からすると、歌い手が思っている以上に聴き取れていません。

そして滑舌の悪さは殆ど本人の自覚がない場合が多いです。

 

滑舌の悪さは他人から指摘されて気付くことが殆どでしょう。

もし誰かに滑舌の悪さを指摘されたら、聴き流すのではなく、真摯に受け止めて歌うときに意識してみて下さい。

滑舌は意識するだけでもかなり良くなります。

 

 

 

⑤抑揚がない

歌が上手く聴こえない原因として、抑揚がないということも考えられます。

抑揚というのは簡単に言えば声の強弱です。

例えば、 Aメロでは囁くように静かに歌い、サビで一気に盛り上げるといった、1曲の中での声の振り幅を付けるということです。

 

抑揚もあれば良いというものではないので非常に難しいのですが、抑揚の付け方が上手だと、やはり上手に聴こえるものです。

「起承転結」ではないですが、1曲の中で静かなところ、サビに向かって加速していくところ、サビの盛り上がりのピーク、など展開を演出することで、聴き手を歌の世界にグッと引き込むことが出来ます。

 

しかし、抑揚はつけ過ぎるとわざとらしくて逆に素人っぽく聴こえてしまったり、音量差がありすぎてかえって聴きにくくなってしまうこともあります。

またバラードの曲は抑揚があった方が良いでしょうし、ロックな曲なんかでは抑揚がない方が良い場合もあります。

抑揚は臨機応変に使い分けられるようになると良いです。

 

イメージですがAメロでは30〜40パーセントくらいの力で歌って、サビで100に持っていくくらいの気持ちで歌うと、それだけでも聴こえ方は大きく変わってくると思います。

歌手の玉置浩二さんは抑揚の付け方が物凄く上手です。

玉木さんはマイクと口の距離も上手く調節して抑揚をコントロールしていますね。

 

 

逆にスピッツの草野マサムネさんは珍しいタイプでどの曲でも1曲通して抑揚があまりありません。

かなりハイトーンの曲でもAメロとサビの音量差がないのです。

草野さんの様に抑揚がなくても素晴らしい歌を歌う人は沢山います。

 

抑揚は歌を上手に聴かせるテクニックの一つだと捉えていただけたら良いと思います。

抑揚なしで感動させる歌を歌うというのは、それはそれで物凄い高等技術で、抑揚を付けること以上に難しいかもしれません。

 

 

まとめ

 

歌が下手に聴こえてしまう5つの原因

①ピッチが悪い

②リズムが悪い

③発声が悪い

④滑舌が悪い

⑤抑揚がない

 

いかがでしたでしょうか。

歌が下手に聴こえてしまう原因を5つご紹介させていただきました。

実際、この5項目を改善すれば殆どの場合、上手に聴こえる良い歌になると思います。

 

「自分の声が好きになれない」と悩んでいる方も多いと思います。

実際、声帯の形や大きさは人それぞれ違うので、持っている楽器がそもそも違います。

しかし、多くの場合、努力次第で理想の歌声に限りなく近づけることが出来ます。

諦めることなく、自身の歌声をどんどん磨いていって下さいね。

ライター:ソロモンの 猫

法政大学文学部日本文学科卒業。大学在学中、小説、詩、文章の書き方を学ぶ。2020年よりフリーライターとして音楽をメインに幅広いジャンルの記事を執筆中。 @soromonnoneko