音楽活動を展開している方の中で、自身のアーティスト活動で商業的な成功を収めたいと考えている方はとても多いと思います。
今回の記事ではアーティストが商業的に成功する為に、とても大切なことについて書いていきたいと思います。
音楽で食べていきたいと考えているアマチュアの方には是非最後まで読んでいただけたらと思います。
「アート」は仕事にならない?!
そもそも、アーティスト活動、「アート」とは一体何でしょうか。
「アート」とは「芸術」
それは即ち、あなたの内にある感情であったり思想であったりを自由に表現した物です。音楽でアーティスト活動を行うということは「音楽」を通して自己表現するということですよね。
つまり、アーティスト活動というものは本来、あなたの内にある思いを好きな形で表現すればそれだけで良いのです。
では、商業的に音楽で成功するということはどういうことでしょうか。
それは「世の中に必要とされている音楽を提供し、その報酬として対価を得る」ことでということです。
ここで一度考えてみて欲しいのですが、そもそも「アーティスト活動で商業的に成功する」ということは、実は矛盾しているのです。
・アーティスト活動は自分の中にあるものを自分が好きなようにう表現するということ
・音楽で商業的に成功するということは、他人のニーズに応えた音楽をするということ
この二つは実はベクトルが全く逆なのです。
そして、殆どの場合「アート」は仕事にはなり得ません。
芸術としての「詩人」として生計を立てている人は日本には殆どいないと言われています。(殆どの人が他に詩以外の生業を持っています)
アイドルやシンガーの方に歌詞を提供している作詞家さんもいますが、彼らの場合、自己表現もゼロではないかもしれませんが、自身の「アート」としてではなくニーズに応じた商品を作っていると言えるでしょう。
初っ端から厳しいことを言いますと、自分がやりたい音楽を、
「俺はアーティストになる!」
と好き勝手に続けている限り、商業的に音楽で成功する可能性は限りなく低いのです。
音楽で商業的に成功する為には?
それでは、どうしたら音楽で商業的な成功を収めることが出来るのでしょうか。
これはズバリ、「世の中に必要とされている音楽を提供する」ということに尽きます。
どんなに芸術的に素晴らしい音楽であっても、それがビジネスとして成り立たないものであれば、メジャーのレコード会社は間違いなく契約しようとはしてきません。
「音楽」を「仕事」にするということは、「好きなことを好きな風にやってお金が貰える」ということとは全く違うのです。
メジャーの第一線で活躍しているアーティスト達は間違いなく「世の中で今必要とされている音楽は何か」「ファンの方が求めている音楽は何か」を徹底的に分析して楽曲をリリースしています。
勿論、好きなことを好きなようにやっていたら偶然一発当たって、一躍人気が出たというバンドもいるでしょう。
しかしながら、そこから長期的にビジネスとして音楽で商業的に成功し続ける為には、好きなことを好きにやるだけでは、絶対に長続きしません。
たまたま、バラードのラブソングで人気が出たアーティストは、そのイメージが強くなる為、次のシングルも同じようなバラードを世間に求められます。
そこで、前作を超えるようなバラードを作り出すのか、はたまた、違った層にアプローチしていく為に新しいジャンルで攻めていくのか、そういった戦略が練られます。
「仕事」になるかどうかというのは、どれだけ社会からの「需要」ニーズがあるかと言えるでしょう。
バランスが一番大事
これまで書いてきたように、自分が好きな音楽を好きなように展開していても、売れる可能性は限りなく低いでしょう。
商業的に音楽で成功を収める為には、ある程度割り切って、世の中で流行っている音楽であったり、求められている音楽に寄せていく必要はあります。
かと言って、売れているバンドがみんな、全くやりたくもない音楽をやっているのかというとそんなことはありません。
「自分が表現したいこと」と「世の中に求められていること」のバランスを取る作業を仕事としてこなせるかどうかが一番の鍵だと言えます。
それを楽しめる人は、音楽を仕事にすることに向いている人だと言えるのではないでしょうか。
今はYouTubeやSNSの発展により、アンダーグラウンドな音楽でも十分にファンを獲得出来る時代になりました。
「メタル」が好きだからメタルをやるというのは勿論、個人の自由ですが、メタルの音楽を仕事にする為には、普通にメタルバンドをやってもなかなか難しいでしょう。
どうやってポップスの要素を混ぜて、一般大衆にメタルを届けていけるかということを考えていかなくてはいけません。
例えとして出しましたが、アイドルグループのBABYMETALは「アイドルとメタル」を融合し、商業的な成功を収めています。
マニアックな音楽やマイノリティなジャンルであっても何か新しいエッセンスを加えることで、一般大衆に届けられる可能性があります。
自身のやりたい音楽が現代の流行とかけ離れているなら、やりたい音楽のジャンルに何か別な要素をプラス出来ないか考えてみると良いでしょう。
世の中に求められている音楽を探る
世の中に求められている音楽がどんなものなのかを探る一番手っ取り早い方法は、「ヒットチャートを聴く」ことです。
今ではApple Musicでは「邦楽ヒッツ・トゥデイ」といった、今最もヒットしている曲だけを集めたプレイリストがあります。
そこで、どういった音楽が今一番聴かれているのかを徹底的にリサーチすると良いでしょう。
サウンドの面でも例えば、自分が中学〜高校生の時に流行っていた音楽が90年代のパンクロックだったとします。
そのサウンドが好きだからといってその音に今寄せても、今の若者は「何かこの音、古くてダサい。」といったイメージを抱く可能性が大いにあります。
勿論、パンクロックが好きならパンクロックをやるで良いのですが、「今の時代でパンクロックをより広い層に届ける為には、どういった要素をプラスしていく必要があるのか」といった視点を持つことが大切です。
まとめ
・「アート」=「芸術」は殆どが「仕事」として成立しない。
・「音楽」で商業的に成功したければ、好きな音楽をやるだけでは不可能。
・世の中に求められている音楽を提供する必要がある。
音楽で商業的に成功するということは、決して簡単なことではありません。
どんなに流行の音楽をリサーチして楽曲を作っていったとしても、あなたの音楽がヒットするとは限りません。
それはきっと雲を掴む様な、途方もない作業です。
それでも今は、YouTubeやSNSを使って誰でも音楽を届けることができる、本当に素晴らしい時代です。
厳しくとも、誰にでも平等にチャンスが与えられた、とてもフェアな実力勝負の世界です。
音楽で本気で成功したいと考えている人は、まず一度「アート」として自己表現するというところから離れてみてください。
そしてどういった音楽が今、世の中に求められているのか徹底的にリサーチして下さい。
その中で、どうやって自分が表現したいことを落とし込んでいけるのかを考えることです。
あなたの音楽活動の成功を祈っています。
ライター:kato
2020年よりフリーライターとして活動。 @kato1155ka
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