その出費本当に必要?〜アーティスト活動における有効なお金の使い方〜[記事公開日]2021年10月22日
[最終更新日]2021年10月22日
[ライター]kato

アーティスト活動というのはとてもお金がかかります。

スタジオ代、機材費、宣伝用のチラシの印刷代、グッズの製作費、サポートメンバーへのギャラ、数え上げればキリがないほど様々な出費がかかります。

アーティスト活動を上手く回していく為には節約すべきところはしっかり節約して、お金をかけるべき所ではしっかりとお金をかける必要があります。

今回の記事ではアーティスト活動を上手に回していく為の有効なお金の使い方について考えていきたいと思います。

 

 

 

その出費本当に必要??

①打ち上げ代

アーティスト活動で一番無駄にお金を使ってしまいがちなのはライブの打ち上げです。

ライブが終わった後の一杯がとても美味しいのはわかりますが、まず一番最初に節約すべきは間違いなく打ち上げ代でしょう。

ライブハウスでの中打ち上げでビール1杯¥500。

その後、居酒屋に移動してちょっとしか飲んでないのに1人¥3000なんてこともザラにあります。

一回のライブで¥3500の出費は大きすぎます。

 

勿論、打ち上げの全てを否定するわけではありません。

ライブハウスへの貢献という意味でもお店で一杯飲むのは大事なことですし、大事なイベントが終わった後に仲間と共に行う打ち上げの時間は良いものです。

また、打ち上げに参加することで格上のアーティストと仲良くなれたり、良いイベントへの出演に繋がったりといったこともあります。

 

その為、筆者は「良い打ち上げ」には出来るだけ参加すべきだと考えています。

打ち上げに出るか出ないかの判断の基準として、人間関係を構築したい相手が飲み会の席にいるかどうかをまず考えましょう。

例えば、なかなか会う機会の少ない音楽関係者の方、仲良くなりたいアーティストなどが参加する打ち上げには積極的に参加して仲良くなっていくべきです。

 

逆に、「いつも同じ仲良しのメンツ」といった打ち上げの場合はあまり参加すべきではないように思います。

既に仲の良いメンバーで打ち上げをしても、「今日のライブ最高だったな!」という中身のない飲み会にしかなりません。

仲の良いアーティストと飲むことも良いのですが、本気でプロを目指しているのであれば、売れていないアーティスト同士の傷の舐め合いにしかならない打上には参加すべきではないです。

勿論、仲の良いメンツと楽しく飲むことも時々は良いですが、そこにあまりお金をかけ過ぎないように注意したいものです。

不毛な打ち上げに参加するくらいなら、そのお金を貯金しましょう。

 

 

②チケットノルマ代

ライブハウスに出演する際のチケットノルマも最初に見直すべき項目です。

まずライブのオファーが来た時にチケットノルマがあった場合、「チケットノルマを背負ってでも出る価値のあるライブかどうか」をしっかり吟味して下さい。

「チケットノルマがあるライブには出ない」という選択もありますが、ノルマを払ってでも出演すべきイベントというものも中にはあります。

チケットノルマに関しては別の記事で詳しく書いていますので、気になった方はチェックしてみて下さい。

「ノルマがあるライブは出ません」は危険!〜ノルマ制の是非について考える〜

若手のアーティストにとても多いのはライブハウスのカモにされて、毎回ノルマを背負わされ、赤字のライブを沢山させられているという悲惨な状況です。

基本的にノルマを背負わされてライブをしているということは、ライブハウス側からは何の期待もされていません。

本当に出演して欲しいアーティストや、囲い込んで育てたいアーティストに対して、ライブハウス側は出来る限り好条件を提示してきます。

 

ライブハウスからのブッキングライブの誘いは内容をよく吟味してから受けるようにして下さい。

そしてノルマを達成出来る見込みがないライブはしっかり断りましょう。

 

 

③外注費用

アーティスト活動の中の事務作業などを外注している方も多いと思います。

例えば宣伝用のチラシのデザイン、CDジャケットのデザイン、Webサイトの更新、CDプレスや包装などです。

専門的なスキルを要する内容の場合は業者に頼む方が無難ですが、大体のことは1人でも出来ないことはないです。

 

webサイトは無料で作れるサイトが沢山ありますし、チラシの制作もPhotoshopを使ったり、スマホのアプリでも作ることが出来ます。

CDもプレスせずにCDRを自分で焼いて、自分で包装するという手もあります。

節約しようと思えば、外注費用は大きく抑えることが可能でしょう。

 

しかし、この外注費に関しては、どこまで個人でやるかを慎重に決めた方が良いです。

CDを1枚1枚自分で焼き、包装もするとなるとそれなりに時間がかかります。

CDに関してはバルク(包装を省いた、ディスクでの納品)で安く業者に頼むのも一つの手です。

 

チラシのデザインも自分で時間をかけて作ったのに、クオリティが低くなってしまってはかえってマイナスです。

自力でやるのが難しそうな場合は無理せずに業者に外注しましょう。

 

④スタジオ代

一人暮らしなどで家で楽器を弾ける環境がない場合、どうやってもスタジオ代はかかってしまいます。

スタジオ代に関しては、思い切って楽器演奏可の物件に住む、或いは、簡易的な防音室を購入するという方法もあります。

多少家賃を上げてでも楽器が弾ける物件に住むメリットは大きいです。

 

また、今は防音室のレンタルもあって、1〜2畳の部屋を月1万円程度でレンタルできるものもあります。

本格的なバンドの練習は厳しいですが、歌の練習や弾き語り、ちょっとした宅録の用途だったら防音室を導入するのは大いにアリだと思います。

防音室レンタルについても別記事にまとめてありますので気になる方はチェックしてみて下さい。

防音室をレンタルしよう!〜2大「レンタル防音室」徹底比較〜

[お金をケチってはいけない部分]

 

①音源製作に関する費用

音源の製作にかかる費用はケチってはいけません。

勿論、安く抑えられるものは抑えて良いですが、ここぞというリリースの音源は出来る限り腕の良いエンジニアさんにお願いすべきですし、サポートを頼む場合は演奏も腕の良いミュージシャンにお願いすべきだと思います。

 

例えばサポートでベースをお願いしたいという場面で、自分で宅録で録ってしまうといったことは、よほど腕に自信がない限りはオススメ出来ません。

音源はアーティストの一番大事な商品であり、命と行っても過言ではないでしょう。

 

手売り販売用のデモ音源なら宅録でも許せますが、流通をかけたりサブスクに出すような音源は、出来るだけクオリティの高いものに仕上げましょう。

 

 

②プロモーション費用

CDをリリースする際にかかるプロモーション費用もケチるべきではありません。

個人でできるプロモーションは限られてきますが、お金を使っててYouTubeに広告を出したり、テレビのタイアップを取るといったことも可能です。

渋谷や新宿の大型ビジョンでMVを流してもらうなんてことも、個人でも可能になりました。

プロモーションに関しても、ここぞという時はしっかりとお金をかけるべきです。

 

但し、広告を出したり、大型ビジョンで宣伝してもらうとなると結構なお金がかかります。

上手くやれば宣伝効果もそれなりに期待出来ますが、その分リスクも大きいです。

これらのお金をかけたプロモーションを行うタイミングは慎重に見極める必要があります。

 

 

「お金を稼ぐもの」「お金をかけるもの」を分けて考える

ライブにおいても、CDにおいても、「お金を稼ぐもの」「お金をかけるもの」を明確に分けて考えることが重要です。

 

例えば、ライブ一つ取ってみても、お金を稼ぐことが目的のライブであるなら、会場費を安く抑え、人件費も出来るだけかけないようにすべきです。

しかし、関係者の方へのプロモーションを兼ねたイベントの場合は、お金がかかったとしても良い会場を選び、出来る限り良いパフォーマンスが出来るようにすべきです。

 

CDもお金を稼ぐことが目的のCDなら、プレスは業者に頼まずに、宅録で録ったものを自分でミックスしてライブ会場で販売しても良いでしょう。

しかし、全国版の流通をかけるような大一番のリリースなら絶対に宅録はNGですし、プレスもしっかりとかけなくてはいけません。

活動の中で「お金を稼ぐもの」「お金をかけてでも次に繋げる為のもの」を明確に分けて考えることを心がけて下さい。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

アーティスト活動において、お金を上手く回していくことはとても重要です。

お金がなくなった人から音楽活動を辞めていくといっても過言ではありません。

 

ですので、収益化すべきところはきっちりと収益化し、お金を使うべきところはしっかりと使う。

そして、出来るだけ無駄金をなくすことを心がけましょう。

事務所に入ればそういったことを管理してもらえたりもしますが、今の時代は事務所に入って活動するメリットがアーティスト側にありません。

やろうと思えば何でも自力で出来てしまう時代です。

しかし、何でも出来てしまう時代だからこそ「自分でやるべき仕事」と「お金を払って誰かにお願いする仕事」の線引きが難しいとも言えます。

 

今回の記事で書いた内容が少しでもその線引きの参考になれば幸いです。

ライター:kato

2020年よりフリーライターとして活動。 @kato1155ka

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