「歌の練習がしたいけど、自宅では大声を出すのが難しい」
そんな悩みを抱えている方は多いと思います。
きちんと歌の練習をする場合は、本番と同じ声量で歌えるような環境が望ましいです。
しかし、大きな声を出さずに出来る、基礎トレーニングも沢山あります。
今回はボーカリストの方に向けて、自宅で大声を出さずに出来るボイトレをいくつかご紹介したいと思います。
ボイトレの王道とも言える練習方法です。
歌の練習をしている方なら、一度はどこかで耳にしたことがあると思います。
リップロールは唇を合わせた状態で息を吐き、「プルルルル」と唇を震わせながら発声する練習方法です。
リップロールを行うことで様々な効果が期待出来ます。
・喉周りの脱力、リラックス効果
・息の量を一定に保つことが出来る
・自然と腹式呼吸になる
・ミックスボイスの感覚を掴みやすい
・声帯のむくみ改善、クールダウン効果
まず、リップロールを行うことで喉周りの筋肉を脱力させることが出来ます。
プロの歌手も多くの方がリップロールを本番前の楽屋などで行っていて、ウォーミングアップに最適です。
また、リップロールを行うと自然に腹式呼吸になり、安定した息の量を長く吐き続ける練習にもなります。
リップロールが出来ている時の息の量は、正に歌う時の最適な息の量なのです。
リップロールはミックスボイスの感覚を掴むのにも効果的と言われていて、リップロールをしながら地声と裏声を行き来する練習をすると、地声から裏声の切り替えがスムーズになります。
地声では歌うのが難しい曲もリップロールをしながら歌うと高音まで出せたりします。
ただし、リップロールで歌いすぎると声帯の感覚が大きく変わり、逆に声が出しにくくなることがあるので、やりすぎには注意して下さい。
お酒を飲んだ翌日は、声がガサガサしたり、喉が重たいと感じることがあると思います。
その原因としては、声帯のむくみが考えられるのですが、リップロールはこの声帯のむくみをほぐす効果も期待出来ます。
練習後のクールダウンにもリップロールはオススメです。
リップロールが出来ない時のコツとしては、唇を強く閉じすぎないことと、息を強く吐きすぎないことです。
また、お風呂の時など唇が湿っている状態だとやりやすいので是非試してみて下さい。
こちらも超王道の練習方法になりますが、効果は絶大です。
エッジボイスとは「ボーカルフライ」や「呪怨ボイス」とも呼ばれ「あ゛あ゛あ゛あ゛」
とブツブツと声帯を鳴らす発声です。
エッジボイスを練習することで、声帯の閉鎖の感覚を掴むことが出来ます。
声帯の閉鎖がリラックスした状態で行えるようになると、無駄な息もれがなくなり、声量アップに繋がります。
声帯をリラックスした状態で閉じることが出来ると、高音域でも芯のある力強い声が出せるようになります。
また高音にいった時に声が裏返ってしまう方も多いと思いますが、エッジボイスで閉鎖を鍛えることで、高音で声が裏返らなくなります。
①リラックスして息を「はー」とため息のように吐く(声は出さない)
②その状態で「ハッ!!」と息を止める
息を止めた瞬間、喉の奥で何かがくっつく感覚があると思います。
その状態が声帯が完全に閉鎖している状態です。
まずはこの「声帯が閉鎖している感覚」を覚えましょう。
②のピタッと声帯が閉じている状態で、少しずつ息を当てていきます。
ポイントはリラックスして力を入れすぎないことです。
この方法で出来なかった方は、地声で低い声を出していくやり方がオススメです。
どの高さでも良いので、低い音を地声で発声し、どんどん音を下げていきます。
「あ」でも「い」でも「う」でも出しやすいもので構いません。
音を下げていくと、声にならない限界の低音に入っていくと思います。
その低音の声が出ないけど、出そうとした時に出る「ブツブツ」といった音がエッジボイスになります。
慣れるまで出すのに苦労する方もいますが、根気強く続ければ必ず出せるようになります。
エッジボイスは曲中に盛り込むと、歌唱テクニックとして良いアクセントにもなります。
平井堅さんなんかは曲中でエッジボイスを多用しているので、注意して聴いてみるととても勉強になりますよ。
また、「はー」とため息のように息を吐いて、「ハッ!」と息を止めた状態を10秒程度キープするだけでも声帯閉鎖の練習になりますのでこちらの練習もオススメです。
何も発声していない、リラックスした状態でまずは自分の喉仏に触れてみて下さい。
この喉仏の位置を下に動かす練習です。
上手く喉仏を下げられない人は「グッ」か「ギッ」と発音すると喉仏が下がるのがわかると思います。
音階に合わせて「グッ」と発音しながら喉仏を下げるのが練習としてはベストですが、声が出せない場合は、喉仏を下げるだけでも構いません。
喉仏を下げるのに慣れてきたら、下げた状態を何秒かキープしてみて下さい。
最初のうちは首回りが結構疲れると思います。
この練習は何の役に立つのかというと、高音を歌う際に喉が上がりすぎるのを防いでくれます。
この練習を続けると、本当に高音の声の音色が変わります。
高い声になると声が狭くなってしんどいと感じている人は、恐らく高音にいくに連れて喉仏が上がってしまっていると思われるのでこの練習はとてもオススメです。
この練習はそのままなのですが、裏声を駆使して、出来る限り小さい声で歌を歌うという練習です。
やってみるとわかりますが、声を抑えて、音程をしっり取りながら歌うのは、実際とても難しいです。
この練習を続けると、曲の中で抑揚が付けられるようになります。
小さい声で歌う練習をしていると、ウィスパーボイスも自然と出来るようになったりもします。
また小さい声で歌うと無駄な力みがなくなるので、リラックスして歌えるようにもなります。
コツとしては絶対に力まないことと、高音は無理せず裏声を使うことです。
何の曲でも良いので、近所迷惑にならないよう限界まで声を抑えて歌ってみて下さい。
ただし、ウィスパーボイスや小さい声は声帯への負担は大きいので、やりすぎには気をつけて下さい。
こちらも定番の練習ではありますが、家でも大きな音を出さずに行うことが出来ます。
ドッグブレストはその名の通り、犬のような呼吸をするトレーニングです。
犬の呼吸をイメージして、口を開けて「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ」と呼吸してみて下さい。
この時、息を吐き出すタイミングでお腹が収縮して動いているのがポイントです。
また、口の前に手を置き、息が手に当たるように力強く、鋭く息を吐いて行きます。
慣れないうちは30秒続けるだけでもなかなかしんどいです。
声が出せる環境なら、しっかりと声に出して行うのも効果的です。
メトロノームに合わせて行い、慣れてきたらテンポを速くしてみましょう。
テンポが速くなっても、しっかり一回一回お腹が収縮していることを確認しながら行って下さい。
毎日続けると、腹式で声を出すことが歌の中でも自然に行えるようになります。
呼吸筋を鍛える方法としては他に、パワーブリーズというアイテムを使うのもオススメです。
パワーブリーズに関しては別の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方は是非チェックしてみて下さい。
また、呼吸トレーニングとして、腹式で息を吸って、「スー」と息を30秒から45秒間、一定のペースで吐き続けるという練習も効果的です。最初はかなりしんどいですが、電車の中でも出来ますので是非試してみて下さい。
いかがでしたでしょうか。
大きな声を出さなくても工夫次第でボイトレは可能です。(ちゃんと大きな声を出して歌う練習は別途必要ですが。)
移動中、お風呂の時間、電車の中で座っている時間など、ちょっとした隙間の時間でも練習出来ますので、是非トライしてみて下さい。
地味な練習が多いですが、続けていれば、歌声が変わったのがはっきりとわかる日が来ます。
頑張って続けてみて下さい
この記事が少しでもあなたの歌の練習に役立てば幸いです。
ライター:kato
2020年よりフリーライターとして活動。 @kato1155ka
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