【徹底レビュー】プロを虜にした究極のアコースティックギター音源「Hummingbird」[記事公開日]2021年10月12日
[最終更新日]2021年10月12日
[ライター]Kaoru

様々な楽器がソフトウェア音源として存在していますが、特にリアルに再現することが難しいと言われているアコースティックギター。

難しい要因としては

  • 楽器特有の響きの再現
  • ストロークのニュアンス再現
  • サンプリング(収録)の難しさ
  • ピッキングノイズ/フレットノイズの調整
  • コード(和音)を違和感なく鳴らす技術

等々、様々なものがあげられます。

特にアコースティックギター/ギター音源の開発には、かなりの時間と費用がかかってしまい、他の音源と比べ物にならないくらい大変だそうです。

そんな中で、2016年に登場したアコースティックギター音源「Prominy(プロミニー)/Hummingbird(ハミングバード)」は音質の良さや、自由度の高さから世界的に注目を浴びています。

私自身、その評判を聞きつけYoutubeの公式デモ動画を拝見したところ、かなりの衝撃を受け、すぐに購入しました!

「Hummingbird」を導入して、4年程経ちますが未だにかなり高頻度で使用しています。

実際の使用感を交えてHummingbirdの魅力をお伝えしていきます。

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Prominyとは

北海道札幌市を拠点に、ギター各種、エレキベース、ピアノの音源を開発しているソフトウェアメーカー。
代表取締役社長は大川晃史氏で各音源の開発も手掛けています。

製品ラインナップ自体はあまり多くないようですが、全ての音源がかなりハイクオリティーなことから、世界的なクリエーター/プレーヤーに愛用されています。

Hummingbirdの魅力

2016年に誕生したHummingbirdは、約100万円もする1963年製Gibsonのビンテージギター「Hummingbird」を丁寧にサンプリングした音源。

数多くのアコースティックギター音源の中でも、トップクラスの人気を誇っています。
その魅力や特徴をご紹介していきます。

比類なきサウンドクオリティ

サンプリング容量約80GB、89,000サンプルの、とんでもない量のサウンドを収録。
そうすることで、妥協のない究極の音質と表現力を実現しています。

私が特に驚いたのは、「オンコードの鳴り」です。
他社の音源では、オンコードサウンドのバランスに違和感を感じるものが多いのですが、この音源はオンコードを鳴らしても全く違和感がないリアルなサウンド。
MIDIのベタ打ちでも、かなりのクオリティなので面倒な微調整が要らないのも魅力的!

動作には、Neitive InsturmentsのKontakt Player(無料)があれば問題ありません。

ギターの知識がなくても大丈夫

基本的にはキースイッチでコード(メジャーなのかマイナーなのか、等々)を指定するので、ギターのボイシングがわからない方でも簡単。
instrumentのメニューを開くことで視覚的にも確認することができます。
もちろん、単音での演奏やアルペジオも可能になっています。

例えば、Eコードを弾きたい場合は、キースイッチでメジャーコードを指定してEの鍵盤を押すだけです。
そうすることで、ギターのボイシングに合うように弾いてくれます。

どこを弾いているのかも視覚的に確認できます。

複雑なコードも可能にしたユーザーコード機能

Optionsタブでは、オリジナルのコードを設定することで、キースイッチに割り当てることができます。
つまり、特殊なコードも自分で各弦指定してエミュレートすることが可能。

もちろん、違和感なくリアルでバランスの良いサウンドが鳴ってくれます。

↑コードのカスタマイズ画面

ストロークのカスタマイズ機能

リアルな演奏に欠かすことができない要素である「ストローク」も柔軟にカスタマイズ可能。

ストロークスピードを変更する場合は、MIDIのパラメーター「CC3」を使用します。

割り当てる値は以下↓

↓fast stroke:0~63

↓slow stroke:64~127

ストロークを切り替える場合は、「CC58」を使用します。

割り当てる値は以下↓

auto:0~31
forced:32~63
down only:64~95
up only: 96~127

↑このように入力した場合、アップストロークになります。

究極の表現力を搭載

特に生楽器の打ち込みで重要になるのは「表現力」。

Hummingbirdには、簡単に様々なサウンドを表現できます。

その中には、

  • スラム奏法(ボディーを叩くことで音を鳴らすパーカッション)
  • ハーモニクス
  • フレットノイズ
  • ピッキングノイズ
  • ブラッシング
  • グリッサンド

のような、特殊奏法のほとんどを網羅しています。

※スラップ奏法は、収録されていませんのでご注意ください!

簡単にダブルトラッキング

まずダブルトラッキングについて解説します。
ダブルトラッキングとは、同じフレーズを2回弾いてレコーディングし、パンニングを左右に配置することで音に厚みや幅を持たせるというテクニック。

本来、レコーディングする場合は時間がかかる上に、修正するのがかなり面倒。
しかし、Hummingbirdならダブルトラッキングのサンプリングデータを読み込むだけで、実現することができます。

楽曲を制作していく上で、かなり便利で重宝する機能。

↑サウンド名が「Hummingbird_L_doubletrack」と記載されているのが確認できます。

Native Kontrol Standard (NKS)対応

Neitive InsturmentsのハードウェアであるKOMPLETE KONTROLシリーズのMIDIキーボード/MACHINEと連携させることができます。

そうすることで、主要パラメーターを各ノブ/ボタンで操作することが可能。
各キースイッチが一目で分かるようにLEDの色が変化します。

それぞれの鍵盤の役割が視覚的に把握できると、操作ミスが減るので時短に繋がります。

NKSの機能を存分に活用したい場合は、49鍵以上のMIDIキーボードをオススメします。


↑専用ソフトウェア「KOMPLETE KONTROL」で音源を立ち上げることで、連携させることができます。

高品質エフェクターの搭載

特に汎用性の高いエフェクトである

  • イコライザー
  • コンプレッサー
  • コーラス
  • リバーブ

が、デフォルトで搭載されています。

別途エフェクトプラグインを使用することなく完結できるのは、かなり魅力的。


↑EFFECTタブで切り替え。

アイデアを直ぐに打ち込める軽快な動作

製品を購入すると、インストール用のディスクと「必須事項」が記載された用紙が同封されています。
その用紙を確認すると、【KONTAKTのバッファサイズを最初の6KBに指定する】ように記載されていますので忘れずに行ってください。

そうすることで、音切れなく軽快に動作してくれるようになります。

ここまで膨大でハイクオリティなサンプリングデータを備えた音源でありながらも、7200回転のHDDにインストールしたところ、まったく音が途切れるようなこともなくスムーズに動作します。
※音源の読み込みに多少時間がかかります

安心のサポート体制

音楽ソフトウェアのダウンロード方法は、各社様々な方式を使用していていることから、戸惑うことが多いと思います。
特に、全て外国語の案内だったりすると不安が残る場合もあります。

しかし、先ほども述べたようにProminyは日本のメーカーです。
ユーザー登録から導入まで全て日本語で案内してくれるので安心安全。

もしトラブルがあったとしても日本語で問い合わせれば、迅速に対応して頂けますので初心者にもオススメの製品です。

Prominy Hummingbird – Supernice!DTM機材


以上、究極の国産アコースティック音源「Hummingbird」についてご紹介してみました。

世界から注目を浴びているProminyは、他にも様々な製品を販売しています。
チェックしてみてくださいね!

ライター:Kaoru

2017年から作曲家、編曲家として本格的に活動を開始。楽曲提供・MIDIデータ制作・ミックス・マスタリング・オンラインでの講師など幅広く活動中。 Webサイト:https://kaoru113portfolio.wordpress.com/

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