ここ最近で、アメリカ初のSNS、「Clubhouse(クラブハウス)」が物凄い勢いで人気を増しています。
Clubhouseとは「音声版Twitter」とも呼ばれ、簡単に説明すると、好きな話題の「トークルーム」を立てて、そこに入ってきた人たちで通話を展開できるというものです。
Clubhouseの普及に伴い、多くのアマチュア、インディーズのミュージシャンもClubhouseを始めていますが、このSNSは音楽活動にどのように役立てていけばいいのか考えて行きたいと思います。
Clubhouseは招待制の音声チャットSNSです。
ここではClubhouseの特徴と出来ることについて書いていきます。
Clubhouseは完全招待制になっており、始める為には誰かに招待してもらわないといけません。
当初は「1人につき招待枠は2人」でこの「選ばれた人だけが参加出来る」という特別感がClubhouseの人気を高めている原因の一つと言えるでしょう。
1人につき2人までだった招待枠が、増える現象が最近起こって話題になっています。恐らく運営側がユーザーを獲得しようと動き出したと言われていて、招待枠が増える詳しい基準は公開されていません。
Clubhoseの基本的な使い方はまず、ホストとなる人物が好きなテーマでトークルームを作り、そこで音声配信を始めます。
そこに興味を持ったリスナーが視聴をしに集まり、そのトークに加わりたい人はリクエストを送ることが出来ます。
そのリクエストをホストが承認すればトークに加われるようになり、複数人でのチャットを公開で行うというSNSです。
一つの部屋には現時点では5000人まで入ることが出来ます。
人気のある部屋はすぐに埋まってしまうこともあるようです。
著名人の雑談をリアルタイムで聴けるということもClubhouseの人気の一つです。
Facebookなどと同様でClubhouseは実名制となっています。
SNSというと匿名性による誹謗中傷などが問題視されますが、招待制の上に実名制であるということから、ストレスなく配信が行えるというところも人気な理由のようです。
また視聴者は基本的に録音することも出来ません。
Clubhouseがどんなものかを説明したところで、次はこのSNSをミュージシャンはどう活用していったらいいか考えていきたいと思います。
Clubhouse上でライブ配信をすることは可能です。ただし、特殊なインターフェイスが必要でスマートフォンでそのまま歌を歌ったり、楽器を演奏すると、現時点ではとても聴けた音ではありません。
ただし、もう既にClubhose上でジャムセッションを行うという試みをする人も現れていて、まだ完全ではないものの、タイムラグなくセッションが可能になりつつあるようです。
まだまだ改善点はありますが、リモートでタイムラグなくセッションが出来て、且つ、それを不特定多数の人に音楽が届けられるのだとしたら、これはかなり大きな可能性があると言えるでしょう。
まだまだClubhouse上でのライブ配信は試行錯誤の段階で、音楽的にClubhouseを利用しているミュージシャンは少ないです。
ですので、ミュージシャン同士の会話や、他業界の人との会話などをファンであるリスナーの方に聴いてもらうといった使い方をしている人が殆どです。
・色んな業界の方と繋がれる
Clubhouseをミュージシャンが利用するメリットとして考えられるものは、色んな業界の方と繋がれるということでしょう。
積極的にトークルームに入っていって話を聴くのもいいでしょうし、自分がホストとなって開いている部屋に、思いがけない人が入って来るといったこともあるかもしれません。
はっきり言ってしまうと、現時点ではClubhouseはあまりアマチュア、インディーズミュージシャンにとってあまりメリットはないと思っています。
その理由をここでは書いていきたいと思います。
Clubhouseは招待制である為、どうしても閉鎖的です。そして、現時点ではAndroidに対応していない為、iPhoneのユーザーに限られます。
クローズドなコミュニティとしては、他のファンサイトや配信ツールも沢山あるので、Clubhouseが凄く流行っていますが、本当に自身の活動に必要か考えてみてもいいでしょう。
Clubhouseはチャットをしている同士の距離が凄く近いです。複数人でタイムラグなく電話をしている感覚です。
ですので、会話をしている人以外にリスナーがいるということを忘れがちです。
「ミュージシャンの素のトークが聴ける」という面白さはあると思いますが、うっかりまだ告知してはいけないことを喋ってしまったり、口を滑らせてプライベートな情報を漏らしてしまったりといったことは起こり得るだろうと危惧しています。
リスナーとの距離感も近いので、面白いツールではあるのですが、アーティスト性を保つという意味では意外と使い方が難しいと思ってしまいます。
筆者が実際に使ってみた感想は先にも書いたように、本当に複数人で電話をしているといった感覚でした。
そこに次から次へと新しい人が入ってきては、出て行って、初めましての人もいれば、久しぶりの人もいて、とても不思議な空間でした。
実際に生の音声でやり取りをしているので、SNSで繋がってはいたけど実際に話をするのは数年ぶりみたいなこともありましたし、Clubhouseによって人との繋がりは確実に増えると実感しました。
横の繋がりや縦の繋がりを作るという意味で、仕事を取る為にClubhouseを使うというのが賢い使い方かもしれません。
自分が話を聴いてみたいと思う方のトークルームで話を聴くという使い方も良いでしょう。
また先ほども書きましたが、本当に電話を友達としているような感覚になってしまい、リスナーがいることを忘れがちです。
ミュージシャンや芸能人の方は秘匿性も大切ですので、そこだけはくれぐれも注意しましょう。
現時点ではライブとしての利用が難しそうなのと、どうしても拡散力には欠けるので、新規のファンを獲得していくツールとしてはあまり向いていないのかなといった印象です。
声優さんや、モノマネの人(歌マネ以外)、喋りが面白い人はClubhouseにおいてかなり強いと思います。
筆者の個人的な意見ですが、現時点ではClubhouseはアマチュア、インディーズのミュージシャンがやるメリットは少ないと思います。
寧ろデメリットの方が気になってしまうくらいで、流行っているからといって飛び付かずに、どういった使い方をすればプラスになるかよく考えてから使うべきでしょう。
現時点では、音楽を届けるという意味では他にも沢山配信のツールがありますし、雑談の配信もClubhouseじゃなくても出来ます。
情報収集、人脈形成、といった意味では使う価値はあると思いますが、プロモーションという意味では難しいツールです。
例えば、あなたが著名なプロデューサーとClubhouse上でトークしていて、活動についてアドバイスされていたとすると、アドバイスを貰えるということ自体はプラスかもしれませんが、その様子を不特定多数のリスナーに垂れ流すという意味ではマイナスかもしれません。
Clubhouseに限らずSNS、YouTube、生配信ツールは、有効に使えばテレビにも匹敵する強力なメディアですが、一歩間違うと、とんでもないマイナスプロモーションにもなり得るので気を付けましょう。
しかしながら、Clubhouse上で気軽にリモートでセッションが出来る様になれば、状況は大きく変わってくると思います。
招待枠も次第に増えてきているようで、閉鎖的な部分も改善されていけば、音楽的な面での有効な使い方は生まれてくるでしょう。
現時点ではまだ音楽活動に直結させる使い方は難しいかもしれませんが、もしかしたら近い将来、音楽業界を大きく変えるような凄いツールになることもあるのかもしれません。
ライター:kato
2020年よりフリーライターとして活動。 @kato1155ka
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