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超プレイヤー達の名カバー!スティーヴィー・ワンダー編2016年6月24日 , ライター:森多 健司

513E60b5nSL Songs In The Ley of Life
60年代のデビューより名曲を生み出し続けているスティーヴィー・ワンダー。あらゆる楽器を奏でる、究極のマルチプレイヤーでもあります。今回はそんなスティーヴィーの名曲のカバーを特集してみました。

I Ain’t Gonna Stand For It / Eric Clapton

アルバム「Hotter Than July」に収録された、スティーヴィー・ワンダーらしいブルージーでリズミカルな一曲。エリック・クラプトンのこのバージョンは、彼のアルバム「Reptile」に収録されています。

コーラスの入り方なども含めて、原曲に極めて忠実。さらっと聴いているだけだと間違えそうなほど似ています。その中で原曲との最大の差異はなんと言ってもやはりクラプトンのギター。歌の後ろでオブリともソロともつかぬフレーズを延々弾き続けている手法は、あの「Layla」とも共通するものですが、歌の邪魔をし過ぎず、小気味よい存在感があります。まさに熟練の技です。

Isn’t She Lovely / Bireli Lagrane , Sylvain Luk

セッションで多く演奏されるスティーヴィーの一曲。もとは名盤「Key of Life」に収録された、アイシャという名の娘に宛てた一曲です。ビレリ・ラグレーンとシルヴァン・リュックはともにフランスのジャズギタリスト。

原曲自体がシャッフルリズムで、ジャズっぽいコード進行であることを最大限に生かして、セッション的な形式で自由に演奏していますが、2人のアドリブはまさにジャズギタリストの最高峰を感じさせる変幻自在のもの。単なるセッションという枠を凌駕した、質の高いジャズに仕上げています。「Isn’t She Lovely」のカバーでは、個人的にもっとも好きなバージョンです。

Bireli Lagrane Sylvain Luk – Isn’t She Lovely (YouTube)

Contusion / Richie Kotzen & Greg Howe

同じく「Key Of Life」に収録された小品的なインスト。原曲からしてエレキギターが大活躍しているナンバーですが、4度積みの変態的な音列と、複雑怪奇なコード進行は、プログレッシブロック的なフュージョンというほうが正しく、あのスティーヴィーが本当にこれを作ったのか、と感じるほどの異様な曲です。

グレッグ・ハウとリッチー・コッツェンはこの、元より複雑なナンバーに火を噴くようなインプロヴィゼーションをたたき込み、アルバム「Tilt」に収録しました。上のビレリ&シルヴァンとは対極に位置する、歪んだ音でのハイテクニカルな応酬は、ギタリストなら誰もが聴いてぶっ飛ぶ代物です。

Richie Kotzen & Greg Howe – Contusion (YouTube)

Superstition / Beck, Bogert & Appice

最後はこれを外すわけにはいきません。厳密には最初からジェフ・ベックとの共演を目的として作られた曲なので、純粋なカバーとは言えない一曲になるわけですが、原曲のクラヴィネットのファンキーなノリを、見事なギターリフで置き換えて、曲のイメージを最大限に作り出しています。テンポがより遅くなっていたり、ベックの独特なもったりしたタイム感のせいもあって、原曲以上にブルースっぽさを感じる仕上がりになっていますが、スティーヴィーのファンキーなものとはまた違う良さがあります。もし、当時共演が実現していたらどのようなバージョンになっていたのか、興味深いところです。

ちなみに、この曲についてはスティーヴィー・レイ・ヴォーンもカバーしています。曲中のほとんどを7thコードが占めるというのもあり、ブルース系に特に相性がいいのでしょう。

Stevie Wonder & Jeff Beck – Superstition 2009 (YouTube)

まとめ

スティーヴィー・ワンダーのカバー曲と言えば、Incognito の「Don’t You Worry ‘bout A Thing」や、ロック系では Red Hot Chili Peppers の「Higher Ground」などが有名ですが、今回はギターに縁のあるバージョンに限って選んでみました。

ミュージシャンの間ではビートルズ以上に愛されている彼の曲ですが、ロック的な印象が色濃いギターに絞ってみると、あまりカバーも多くない印象。原曲からして、7thコードを効果的につかったファンク調の曲や、コード進行の凝ったジャズっぽい曲なども多く、特にブルースやジャズ系のプレイヤーから取り上げられることが多いですが、その中にあって、やはり上に挙げた Greg Howe と Richie Kotzen のものは異彩を放つ出来映えですね。

ライター:森多 健司

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