音楽でプロを目指したい人へ〜就職して音楽すべきか、バイトをしながら音楽をすべきか〜[記事公開日]2021年7月7日
[最終更新日]2021年07月7日
[ライター]kato

音楽とバイト

音楽でプロを目指したいという方で、特に学生の方は「就職をして正社員として働きながら音楽をする」或いは「バイトをしながらフリーターとして音楽をする」のどちらかの選択を迫られると思います。

厳密にはこの二択以外にも色んな道が考えられますが、殆どの駆け出しのインディーズミュージシャンはこのどちらかに属すると思います。

今回の記事では「バイト派」「正社員派」の二つの立場から、実際のところどちらの方が良いのか考えていきたいと思います。

 

 

[バイトをしながら音楽を続ける派のメリット]

恐らく、多数派は「バイトをしながら音楽を続ける」だと思います。

アルバイトで生計を立てながら、音楽活動をしていくとなると俗に言うフリーターになるわけですが、正社員ではなく、フリーターとして音楽活動を行うメリットは何なのでしょうか。

 

①休みの日を自由に取れる

仕事の内容にもよりますが、基本的にはアルバイトは自由に休みを取ることが出来ます。

音楽活動をしていく上で、シフトの融通が効くかどうかは凄く重要です。

例えば、急に良いイベントのお誘いがあった時に仕事を休めないとなると、そのお誘いを断らざるを得ません。

またバンド活動やグループでの活動になると、スタジオに入って練習をするだけでもメンバー同士で予定を合わせなくてはいけないので、シフトの融通が効くに越したことはありません。

正社員よりもアルバイトを選ぶ最大の理由はやはり、休みが自由に取れるという点だと思います。

 

②モチベーションを持続出来る

正社員になって、安定した給料が毎月振り込まれると、そこに満足してしまって、音楽活動へのモチベーションが上がらなくなる人もいます。

フリーターで音楽を続ける方が生活的には困窮し、大変な可能性が高いですが、それでこそ頑張ろうと思えるという精神論もあながち間違ってはいません。

ハングリー精神はやはり大事です。

 

 

③音楽に関係するバイトを選べる

アルバイトであれば、音楽に関係するバイトを選ぶことも出来ます。

例えばライブハウスのスタッフ、楽器屋の店員、CDショップ店員、歌に自信がある方は仮歌のバイトなんかをやってみるのも良いと思います。

正社員でも音楽関係の仕事に就くことも出来なくはないですが、バイトの方がその選択肢は増えるでしょう。

 

 

[バイトをしながら音楽活動をするデメリット]

 

①金銭的余裕がない

フリーターとして活動することの最大のデメリットはやはり、お金がないという点だと思います。

時給¥1000のアルバイトで月に20万円稼ごうと思ったら、200時間働かなくてはなりません。1日8時間働くとすると1ヶ月のうち25日働くことになります。

しかも、この20万円から税金などが引かれていくので、手取りでいくと17〜8万になります。

一人暮らしの場合、家賃、水道代、光熱費などをここから払うので、自由に使えるお金は本当に少ないです。

 

挙げ句の果てに音楽活動は駆け出しの時ほどお金がかかります。

ライブハウスに出演する為にノルマを払わなくてはいけない場合もあるかもしれませんし、ちゃんとしたCDを作ろうと思ったら軽く20万近くかかってしまいます。

お金に余裕がないと、ちゃんとしたレコーディングが出来なかったり、MVを作りたいのに諦めたり、音楽活動にも支障をきたしてしまうのです。

ハングリー精神は大切ですがそれも行き過ぎると、活動を継続出来なくなるほどの命取りになりかねません。

 

②社会的信用がない

これは意外と盲点かもしれませんが、フリーターは社会的な信用度が正社員に比べると低いです。例えばクレジットカードの審査も通りづらかったりします。。

これはインディーズミュージシャンあるあるで、クレジットカードを作るのに結構苦労したという話をよく聞きます。

またアパートやマンションを借りるといった時も、保証人なしでは貸してもらえない場合もあります。

フリーターで社会的信用を得るというのはなかなか難しいのです。

 

 

[正社員で音楽活動を続ける派のメリット]

ここからは正社員で活動をしていく方にスポットを当てて考えていきたいと思います。

 

・安定した収入

これはもう先程書いたのでもはや説明不要ですが、正社員であることの最大のメリットは何と言っても安定した収入でしょう。

安定した収入があれば、音楽活動にも思いっきりお金をかけることが出来ます。

製作にもプロモーションにもお金をかけることが出来るので、結果的にクオリティの高い作品をリリースし、質の高い活動を展開していくことに繋がります。

これはもの凄く重要なことで、音楽活動はお金をかけるべき時はお金をかけるべきです。

 

ライブハウスのよくわからないにイベントに出演してノルマを払うのは論外ですが、CD製作やMV製作、プロモーション、お金を使うべき時はケチらずに、しっかりお金をかけた方が良い結果に繋がることが多いです。

 

[正社員で音楽を続けるデメリット]

 

・忙しすぎて音楽活動の時間が取れない

正社員はアルバイトよりもお給料は高く貰える分、当然仕事の責任も重くなりますし、拘束される時間も長くなる可能性があります。

アルバイトのように自由に休みを取るのも難しいでしょうし、激務に追われて、音楽活動にかける時間をなかなか取れないといった悩みを持つ方もいます。

また、そもそも音楽活動を本気でやろうと考えているということは、「音楽活動が軌道に乗ったら会社を辞める」ということでもあるので、会社側が音楽活動を快く思わない可能性もあります。

また副業を許可してくれる職場を選ぶ必要も出てきます。

 

・結局どっちがいいのか?

両者のメリット、デメリットを比較すると非常に難しい問題だと思います。

フリーターの道を選べば、時間を確保できる反面、経済的に不安定になりがち。

正社員を選べば、安定した収入を得られる反面、時間的にどうしても自由度が減ります。

 

結局のところ、本人の覚悟次第だと言わざるを得ません。

正社員になって安定した給料を得ると、それに満足して音楽活動へのモチベーションが下がる人もいると書きましたが、当然、そうはならない人もいます。

そもそも、それでモチベーションが下がる程度の夢なら、音楽活動でプロを目指すのは辞めた方が良いと思います。

アルバイトをしながら成功していく人も沢山いますし、正社員をしてお金を貯めてその資金を上手く使って成功した方もいます。

シンガーソングライターのスガシカオさんは脱サラしてミュージシャンになったことでも有名です。

 

最後に、個人的に今の時代のことも加味した上でどちらかを選ぶのだとしたら、正社員をしながらプロを目指すという選択肢もかなり良いのではないかと思います。

昔はライブハウスに出演して、お客さんを集めてメジャーデビューに向かっていくという流れが一般的でしたが、今、その構図は崩れつつあります。

今はどこに住んでいても、何歳であっても、SNSやYouTube等を駆使して音楽を全国に発信することが出来ますし、配信ライブを行うことも出来ます。

ライブハウスからではなく、ネット上から次から次へと新しいミュージシャンが世に現れ、ヒット曲を生み出しています。

レコード会社の人間もライブハウスではなく、ネット上で才能のある人材を探しています。

 
そう考えると、「田舎から上京して東京でライブをして、メジャーデビューする」といった夢を若い子は見がちですが、今の時代、音楽でプロを目指すのであれば、地方住まいで、仕事を正社員でしていても全く問題ないと思うのです。
寧ろ田舎であれば家賃も安く、競合するアーティストも少ないので、東京で闇雲にライブをするよりも、よっぽど合理的かもしれません。

 

それでもやはり、最後に物を言うのはやはり本人の覚悟以外にありません。

アルバイトでも正社員でも本人のやる気さえあれば、どちらでも何ら問題はないと思います。

これから音楽でプロを目指したいと考えている方の参考に少しでもなれば幸いです。

ライター:kato

2020年よりフリーライターとして活動。 @kato1155ka

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