ストリートライブにはどんな危険が潜んでる?[記事公開日]2020年10月10日
[最終更新日]2020年10月10日
[ライター]ソロモンの 猫

ストリートライブ

 

昨今では街を歩けば沢山のストリートミュージシャンを見かけます。

ゆず、コブクロ、いきものがかりを初め、ストリートライブからメジャーデビューしていったアーティストも少なくありません。

新規ファンの獲得の為、精力的にストリートで活動するインディーズのアーティストも多いです。

しかしながら、ストリートライブは人によっては騒音と捉えられることも少なくなく、トラブルに発展してしまうことも多々あります。

この記事ではストリートライブで実際に起こったトラブル、その危険性について書いていきたいと思います。

そもそもストリートライブってやっていいの?

まず、一番基本的なところから見ていきたいと思います。

ストリートライブはやっていいのでしょうか。

これについて簡潔にお答えすると、基本的に無許可でのストリートライブは道路交通法違反に当たり、禁止とされています。

ですが場所によっては街や駅が演奏を認めていて、決められた条件のもとであれば演奏が可能な所もあります。

千葉県の柏駅では申請すれば駅前のデッキで演奏する許可書を貰うことが出来ます。

また群馬県の高崎駅では駅に「station stage」という場所が設けられていて、この場所では誰でもストリートライブをしてよいとされています。

「取り敢えず一度ストリートライブを経験してみたい」というような方は、公認で演奏できる場所でのストリートライブを強くオススメします。

しかしながら、公認でストリートライブができる場所では物販が禁止されていたり、音量制限があったり、演奏したい時に演奏が出来なかったり、本気で上を目指して活動しているアーティストには何かと不都合なことが多く、街で見かけるストリートミュージシャンの殆どが無許可でのストリートライブを行っています。

ですので勿論、通報が入れば警察がやって来てストップがかかりますし、たまたま警察官や駅員が通りかかるようなことがあれば即辞めるように注意されてしまいます。

注意されたら移動して、また演奏して、また注意されたら移動して、と駅を転々とするストリートミュージシャンも少なくありません。

無許可のストリートミュージシャンと警察官のいたちごっこがあらゆる街で繰り広げられているのです。

無許可でのストリートライブを行うとどうなる?

無許可でのストリートライブの場合、当然ですが通報が入って止められてしまうことが殆どです。

しかし、警察官や駅員の中には「音楽が好きだから」「ストリートライブが好きだから」「頑張ってる人を応援したいから」そんな理由から黙認してくれる人も実は結構います。

通報が入った場合は警察官は止めざるを得ないので、

「本当は止めたくないんだけどね。ごめんね。」

なんて優しい言葉をかけてくれる警察官も実際にいました。

ストリートライブが好きだという人もいる一方で、ストリートライブを目の敵にしているような人もいます。

2019年、「路上ライブ潰し」を公言して女性アーティストを執拗に通報し続けるグループが、アーティストのCDを購入して目の前で踏み付けたことは全国ニュースにもなり話題となりました。

近隣の店舗とのトラブル

ストリートライブは近年、マイクとアンプを用いたスタイルが主流になっており、その騒音が大きな問題になっています。

ゆず、コブクロなどがストリートライブを行なっていた時代は生音でのストリートが殆どでした。

しかし、今では路上ライブ専用の小型アンプや、ストリートライブ入門セットのようものまで販売されていて、街で見かけるストリートミュージシャンの殆どがマイクを使用しています。

少し離れた場所で演奏しているストリートミュージシャンがアンプを用いて演奏している場合、生音で対抗しても音がかき消されてしまいます。

その為、競い合うように音量を大きくし合ってるストリートミュージシャンもしばしば見かけます。

フルバンドでドラムを用いて演奏しているバンドもいます。

池袋や新宿を歩けば、大音量で音をかき鳴らすストリートミュージシャンが所狭しと並び、収拾がつかなくなっている状況も珍しくありません。

大音量での演奏は当然、近隣でお店を営む人からしたら迷惑行為になり得るわけです。

近隣でお店を営む人と揉めて、殴られてしまったという話も実際にあったそうです。

アンプを用いる場合も音量には最大限の配慮をして演奏する必要があります。

音量や場所を巡ってストリートミュージシャン同士で揉めるといったことも実際に起こっています。

通行人による嫌がらせ

通行人もまたストリートライブを不快に思う人も少なくありません。

普通に通報されるケースは勿論、怒鳴られた、罵声を浴びせられた、物販やギターケースを蹴飛ばされたといった目に合ったストリートミュージシャンも多いです。

「下手くそ!」

「許可とってないなら今すぐやめろ!」

そう言った罵声との闘いはストリートライブでは付き物のようです。

初めてストリートで演奏をするという方には脅かすようで申し訳ないのですが、不特定多数の人に自分の演奏を垂れ流しにするということは、それ相応の覚悟は必要かもしれません。

ヤ◯ザに絡まれる

場所によってはヤ◯ザの勢力圏内であった場合、ショバ代(場所代)を支払えと要求された、連れて行かれた、といったことも実際にあったようです。

若い女性のストリートライブは特に、変な男性に絡まれたりといったことも非常に多いので、気をつけなくてはいけません。

警察官に連れて行かれる

これも毎年のように色んな街で起こり問題になっていました。

無許可でのストリートライブは道路交通法に違反する為、警察官に注意されても辞めなかった場合、或いは何度も同じ行為を繰り返した場合、警察官に反抗した場合、逮捕されることもあり得ます。

道路交通法違反による罰則は5年以下の懲役、或いは5万円以下の罰金になります。

実際に書類送検されたミュージシャン、道路交通法違反として罰金を支払ったミュージシャン、楽器を没収されたミュージシャンもいるようです。

それでも無許可のストリートライブを敢行する人たちは、相当なリスクを背負ってライブをしているのですね。

アンチストリートライブの人々

先程書いた「路上ライブ潰し」を公言したグループ以外にも、ストリートライブを目の敵にして、片っ端から通報しまくる「通報魔」と呼ばれる人たちも存在します。

確かに無許可のストリートは違法ではあるのですが、SNSまでチェックしてストリートライブを徹底的に潰すというのは少し行き過ぎた行為であるようにも感じます。コロナ渦における「自粛警察」と呼ばれる人と同じ種類のものかもしれません。

元々ファンだった人がアーティストとなんらかの形で揉めて、そこからアンチになり通報するようになり、執拗に嫌がらするといったケースもあるというので驚きです。

そういったアンチ対策として、ストリートの場所をSNSで告知しない無告知でのストリートに踏み切るストリートミュージシャンも多いのです。

「路上ライブ潰し」を公言して話題になったグループはストリートライブを通報した後に、自身のSNSアカウントで

「今日は○○駅で何組のアーティストを潰しました」

「今日は○○駅を潰しにいきます」

といった投稿がなされており、歪んだ正義感に気味の悪さを感じずにはいられませんでした。

しかしながら、SNS上では「路上ライブ潰し」を称賛する声も一部からは上がっており、ストリートライブを快く思っていない人たちも数多くいるということがこの件からも伺えます。

ストリートミュージシャンと警察官のいたちごっこだけに留まらず、ストリートミュージシャンとアンチストリートの人々の間でもいたちごっこが繰り広げられているのです。

そして警察官はこういったストリートライブを執拗に通報しまくる人々に対しても頭を抱えているようです。

宗教勧誘や悪徳なレーベル

特殊なケースではありますが、ストリートライブでは逆に、

「素晴らしい歌ですね。是非一度お話させていただきたいのですが。」

と褒めちぎりながら近づいてくる人間もいます。

業界の関係者かと思ってついて行って話を聞いたら宗教の勧誘だったというケースもあるそうです。

ストリートライブで業界の関係者に声をかけられて、契約を結んだら膨大なお金を後から支払うことになったといった被害も少なくありません。

また実際にあった話で、業界の関係者に声をかけられて食事をしながら話をしていて、トイレに立った隙に楽器を盗まれたという被害も報告されています。

罵声や暴言を吐いてくる人間も怖いですが、甘い言葉を囁きながら近づいてくる人間も裏があって危険な場合もあるのです。


ストリートライブは不特定多数の人に音楽を届けられるという大きなメリットがあります。

アーティストがライブでの集客に悩んだ際に、一度はストリートライブを考えたことはあるのではないでしょうか。

しかし、どこにどんな人が潜んでいるかわからないストリートには危険も沢山あるのです。

無許可のストリートライブを巡る問題は後を絶ちません。

ストリートライブを行う側もルールやマナーを守って演奏する必要もありますし、そんなストリートミュージシャンと街が共存できるような社会になって欲しいと願うばかりです。

演奏する側は自分が売れたい、お客さんを増やしたいといった目的以上に、不快に思う可能性がある人への最大限の配慮を持ち、ストリートライブを嫌いだと思う人もまた、夢に向かって努力する人間への敬意と思いやりを持つことが出来れば、少しはストリートライブを巡るトラブルは減るのではないでしょうか。

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ライター:ソロモンの 猫

法政大学文学部日本文学科卒業。大学在学中、小説、詩、文章の書き方を学ぶ。2020年よりフリーライターとして音楽をメインに幅広いジャンルの記事を執筆中。 @soromonnoneko


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