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セッション定番曲「Feel Like Makin’ Love」を攻略しよう[記事公開日]2016年11月4日
[最終更新日]2020年10月3日
[ライター]森多 健司

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セッション定番曲を攻略、The Chickenの次は「Feel Like Makin’ Love」です。セッションではインストでやる場合も歌ものでやる場合もありますが、前者の場合はサックスやギターがメロディを弾き、後者の場合はボーカルの人が歌詞を歌います。The Chickenはインストでしかやらないので、その辺が少し違いますね。

どちらにしろテーマ以外の部分ではアドリブを回す、というスタイルになりますので、ギタリストにとって問題になる、そのアドリブ部分をどのように弾くのか解説していきたいと思います。

コード進行

feellikemakinlove楽譜
16小節+1小節といった感じのコード進行で、前半と後半ではっきり分かれています。

前半部分

feellikemakinlove楽譜度数1
いきなりIIm7から始まるところが1つのポイントです。キーがFマイナーな気がしてくるのですが、実際にはEbメジャー。マイナーにするとCマイナーです。

二つ目のコードのFm7/Bbはこの手のフュージョン風コード進行にはよく登場するもので、Bb7の代理と解釈されます。いくつか兄弟みたいなものがあり、

  • Fm7/Bb
  • Ab/Bb
  • Abmaj7/Bb

これらがV7の代理という、全て同じような役割を果たします。伴奏の際には分子のFm7だけを弾くか、このコードをそのまま弾く方法が良いです。具体的には以下のような形のコードになります。
Fm7Bb

Fm7/BbがV7だと考えると、Ebmaj7まで普通のII-V-I進行なので、Ebメジャー・スケールで弾き通すことも出来ますし、V7の部分でオルタードなどを入れてジャズっぽく彩る方法もあります。

その後のDb7 – C7ですが、Gm7 – C7のように解釈して、C7のオルタード系フレーズ、あるいはミクソリディアンなどを弾くと良いです。この部分は譜面によってはC7altなどとオルタードを直接明記してある場合もありますが、極論を言うとたったの2拍しかないので、Ebメジャー・スケールでゴリ押しても大丈夫です。その場合、C7のところだけ長3度のミの音を入れてやるとなお良いですね。

下の段もほぼ繰り返しですが、最後のA7-5がミソ。これはEb7の裏コードです。なので、Eb7を意識して弾いてやるといいですね。

裏コード
↑裏コードの関係。ルート以外は全て同じ音であるのが分かると思います。

ちなみに、Eb7は次のAbmaj7に向かうためのV7と考えられますが、筆者はいつもこのEb7の前にBbm7を想定し、「Bbm7 – Eb7」というツーファイブ進行を意識しています(青字の部分参照)。それを踏まえると、スケールで弾く場合にこの部分でBbのペンタトニックなどを弾くと、うまく決まると思います。もちろん、Bbドリアン(=Ebミクソリディアン)なども可です。コードを意識するのであれば、Eb(ミb)音(A7-5の”-5”部分)を意識すると良いでしょう。

後半部分

feellikemakinlove楽譜度数2

ここからBメロです。IVmaj7から降りていく進行は、ポップス系の1つの定番進行とも呼べるものですね。コード進行に合わせて3度の音を繋ぐも良し、Ebメジャースケールでメロディアスに、あるいはCマイナーペンタトニック的な解釈でブルース的な手法でもはまりますし、この部分は様々なアプローチが取れると思います。

一段目4小節目のCm7の部分はベースが半音ずつ進行してAbmaj7に帰着、という方法を取ることもよくありますが、次に下の段のAbmaj7に戻ることを考えると、8小節目の”A7-5”の部分と同じように、ソロの際にだけBbm7 – Eb7を意識して弾くのもおすすめです(靑字の部分)。

2段目からは繰り返しですが、Db7が1箇所登場します。A7-5の部分と同じく、G7の裏コードとも解釈できますが、ルートのDb(レb)音がそれまでのEbメジャー・スケールにない響きなので、これを強調するだけでも十分コードの変化について行けます。スケールで弾くのであれば、Dbのミクソリディアンでも可ですし、あるいはホールトーンなどが使えるのであれば面白い響きが得られます。

最後のキメの部分は、キメに合わせて音をつなげるでも良いし、あまり気にせずにF7のところだけを合わせている方もたくさん見受けられますね。F7の部分は長3度のA(ラ)音を外さないように弾けるとGOODです。

おすすめ音源

Best Of: Softly With These Songs / Roberta Flack

51pOBBhaYxL._SX425_

この曲はそもそもロバータ・フラックが歌ったこのバージョンで有名になりました。初代としての存在感を強く放つ名演といえます。

Who Is This Bitch Anyway? / Marlena Shaw

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マリーナ・ショウのものは、この曲の定番のバージョンとして非常に人気があります。ギタリスト的にもラリー・カールトン&デヴィッドTウォーカーという凄腕二人のめくるめくバッキングは魅力的。

The Essential Selection / George Benson

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ジョージ・ベンソンのものは、サウンドにやや時代を感じますが、ギタリストはあまりこの曲を取り上げないので、貴重なバージョンです。

ライター:森多 健司

新大阪駅、西中島南方駅より徒歩10分のギター教室「森多ギター教室」主催。安価な受講料で、初心者から中級・上級者まで幅広くニーズにお応えします。 森多ギター教室のページ – ギター教室navi

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