ストリートライブはアーティストがファンを獲得していく上で非常に有効な活動です。
人通りの多い場所で歌えば、無条件に多くの人に自身の音楽を聴いてもらえるので宣伝効果も高いです。
しかしながら、ストリートライブを行う人が増えるにつれて、警察による取り締まりも厳しくなりました。
そして、コロナウィルスの蔓延によって、「人を集める」行為であるストリートライブはライブハウス同様バッシングの対象となりました。
今回の記事ではこれからのストリートライブについて考えていきたいと思います。
筆者は長いこと色んなインディーズミュージシャンのストリートライブを観てきたのですが、ここ数年のストリートライブの取り締まりはかなり厳しいです。
基本的に個人のストリートライブは許可が降りない為、どのアーティストも無許可でストリートを行っています。
その為、警察に注意されたら速やかに撤収しなければなりません。
ストリートライブの取り締まりの厳しさは街によって様々ですが、人通りの多く、ストリートライブを行う人が多い街ほど取り締まりは厳しいです。
都心ですと、池袋、渋谷、新宿は非常にストリートライブが盛んですが、「ストリートライブ禁止」という大きな看板が設置されている場所も幾つかあります。
また、近年ではストリートライブの殆どが生音ではなくマイクやアンプを使ったものであることから、苦情も多く寄せられているようです。
ストリートライブを片っ端から通報しまくる「通報魔」も近年では多く、警察の方もストリートライブ以上に「通報魔」に対して頭を抱えているようでした。
都心では1時間止められずに歌い切れることの方が珍しいように思います。
それほど、通報されたり、警察の見回りによってライブを止められてしまうことが多いのです。
そこまで厳しい状況下で、どうしてストリートライブを行うのでしょうか。
「ストリートライブ禁止」の看板がある場所でも、警察に止められるまでの僅かな時間でストリートを強行する方も少なくありません。
それはやはり、ストリートライブでの宣伝効果が非常に高いこと、ストリートライブを行うのにコストがかからないこと、止められなければ何時間でも好きなだけライブを行ってCDを売れること、こうした様々なメリットからでしょう。
ライブハウスでは、インディーズアーティストのブッキングイベントで50人もお客さんが入っていれば良い方で、それなりに売れている人のイベントでなければ100人以上の前でライブをする機会なんてありません。
実力と動員力がなければ、そういったお客さんの入る良いイベントにはまず声がかかりません。
それに対して、ストリートライブは都心の人通りの多い街で1時間でも歌うことが出来れば、何百人という人に対して歌を聴いてもらうことが出来るのです。
警察に注意されるというリスクを考慮しても、ストリートを強行するアーティストが多いのも頷けます。
2019年末からのコロナウィルスの蔓延で、ストリートライブを行う人の数も激減しました。
緊急事態宣言なども出され、そもそも街を出歩く人も激減していたので無理もありませんが。
それでもストリートライブを強行している方も中にはいましたが、ライブハウスでクラスターが発生しバッシングを浴びていた以上に、コロナ禍でのストリートライブには非難が相次ぎました。
ライブハウスはお店の経営維持のことを考えるとライブイベントを行うことは仕方ないと思います。
しかし、ストリートライブは完全に屋外で、ライブハウスに比べると感染リスクは少ないものの、コロナが大流行している中で敢えてストリートを行うのはやはり「不要不急」と言われても仕方ありません。
こうして2020年〜2021年、街からストリートライブがパタリと消えたのです。
ストリートライブを精力的に行っていたアーティストもこの時間は配信ライブなどに活動を切り替えているようでした。
デルタ株もある程度落ち着いてきた2021年秋頃から、また街でちらほらストリートライブを行う方が増え始めています。
そして、ストリートを行うアーティストが増えれば、また取り締まりも厳しくなっていくのでしょう。
ゆず、サスケ、コブクロなど、様々なアーティストがストリートからメジャーデビューし、一時期ストリートライブは大きなブームとなりました。
しかし、ここ数年ではストリートシーンからデビューし脚光を浴びたアーティストは殆どいないように思います。
昔はストリートライブで沢山の人を集めているアーティストが話題になり、そこからメジャーデビューに繋がるということがあったのですが、近年では取り締まりの厳しさもあってか、ストリート出身の新しいアーティストが世に出ていくことが非常に少なくなったように思います。
ストリートで主流の「弾き語り」や「フォークデュオ」のような演奏形態が、近年の音楽の流行から少し外れていることも一つの原因だと思います。
「ストリートライブで人を沢山集めてメジャーデビューと」いうルートは実際、今の時代ではかなり厳しいのかもしれません。
ストリートで人を集めてメジャーデビューは厳しいと書きましたが、近年、新しいストリートの可能性が浮上してきました。
それが「ストリート×SNS」です。
今、若者の間で大流行しているTikTokは、音楽に合わせて15秒程度〜60秒の動画を共有することが出来るSNSですが、最近ではTikTokにストリートライブの映像を投稿して、それが拡散され注目されるということが起こっています。
2020年にメジャーデビューしたロックバンド、Novelbrightは路上ライブの映像がTikTokやTwitterで拡散され楽曲がストリーミングチャートの上位にランクインし、デビューのきっかけを掴みました。
また「ドライフラワー」のヒットでも知られる、シンガーソングライターの優里さんは2019年に渋谷でストリートライブを行っていて、ロックバンド「My First Story」の楽曲「花0714」を歌っていたところ、何と本人のHiroさんが登場し、並んで歌唱するという出来事が起こりました。
この模様はSNSにも投稿され話題になり、優里さんの存在が世間に知られるきっかけにもなりました。
このように、ストリートライブの映像がネットで拡散され話題になるということが近年では多く、そこに新たなストリートの可能性があるように思います。
SNSの中でも、拡散力を考えると特にTikTok、Twitterが良いように思います。
これからのストリートライブは、勿論ストリートでもリアルなファンを増やしていきつつ、その様子をSNSに積極的に投稿しネットでの拡散を狙っていくことがポイントになってくるのではないでしょうか。
ストリートライブ中にヤクザに絡まれ、その状況を撮影しYoutubeに投稿しているシンガーさんもいて、その動画は物凄い再生回数を叩き出していました。
この例の場合はプロモーションとしてプラスに働くかは疑問ですが、こうした話題作りも重要になってくるでしょう。
時代は繰り返すと言いますが、ストリートライブも廃れたり、盛り上がったりを繰り返していくのだと思います。
きっと取り締まりが厳しくなっても、ストリートが根絶されることはないでしょう。
ここ数年はストリートの取り締まりは厳しいですが、SNSとストリートを上手く掛け合わせることで、自身の音楽を効率よく広めることが可能になっていくと思います。
ストリートライブに関する記事は他にも幾つか書いていますので、良ければ是非こちらもチェックしてみて下さいね。
ライター:kato
2020年よりフリーライターとして活動。 @kato1155ka
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