音楽ライターが本気で「このアーティストはブレイクしそうだ!」と感じたアーティストを紹介していくコーナーです。
今回紹介するのは、仙台発「ニューレトロ」を掲げるロックバンド「ANTENA」
全力で「ANTENA」の魅力をお伝えしていきたいと思います。
宮城県仙台市在住の4ピースバンド。
メンバーはVo/Gt.渡辺諒、Dr.本田尚史、Gt/Key.池田晃一、Ba.鈴木克弘から成ります。
2010年に3ピースバンドとして結成し、仙台を拠点に活動を展開。
何度かのメンバーチェンジを経て、現在の体制になります。
2017年アルバム「モーンガータ」でメジャーデビュー。
結成当初はギターロックを特徴としたバンドでしたが、メジャーデビュー以降その音楽性は大きく変化。
ビートサウンドやエレクトロな要素を取り入れ、「ニューレトロ」を掲げて精力的に活動しています。
先程も書きましたが、ANTENAはデビュー前は良くも悪くも王道のギターロックバンドでした。
その頃から筆者はANTENAの音楽を聴いていて、割と好みではあったのですが特別ハマるというようなことはありませんでした。
しかし、メジャーデビュー作を聴いた時衝撃を受けました。
それはもう自分の知っていたANTENAではありませんでした。
まず、ボーカルの渡辺さんの歌い方がインディーズの頃と大きく変わっていました。
渡辺さんは昔からハイトーンで良い声だったのですが、メジャーに行ってからは地声と裏声の境目のないミックスボイスを多用する歌唱になり、そしてバンドサウンドもテクノの要素を大きく取り入れ、インディーズの頃とは全く別のバンドに生まれ変わっていました。
ANTENAの魅力の一つ目は、ボーカルの渡辺さんの歌声でしょう。
小田和正やスピッツを彷彿とさせる、美しいハイトーンのミックスボイス。
そして「ニューレトロ」を掲げたそのバンドサウンド。
メジャーデビュー後のANTENAの曲を聴いた時には「新しいのにどこか懐かしい」という気持ちになりました。
正に「ニューレトロ」という言葉がぴったりだと思います。
もともとANTENAの曲はメロディアスでどこかフォーキーで懐かしい匂いもあるギターロックでした。
そこにシンセを多用したテクノサウンドを融合させ、独自のサウンドを確立させました。
わかりやすく伝えると、サカナクションとスピッツを足した感じの音楽だと感じ、これはもう売れる要素しかないと思わされました。
ボーカル、バウンドサウンドの面白さをピックアップしましたが、楽曲のクオリティもとても高いです。
メロディは聴けば聴くほど癖になる中毒性がありますし、渡辺さん描く歌詞の世界はとても繊細で優しい。
こちらはメジャーデビュー前、インディーズの頃の楽曲。
先程書いたように、ボーカルの声の出し方が全く違うことがわかると思います。
これはこれで、カッコいいですし良いバンドだとは思うのですが、メジャーへ行ってからの方向転換は大正解のように感じます。
実際、本人達もギターロックをやっていた頃は動員もセールスも低迷していたと語っています。
インディーズからメジャーに行き、「あのバンドは変わった」なんて言われることがよくあります。
それは元々硬派なロックバンドが商業主義に染まり、中途半端なポップスバンドに成り下がった時などにそう揶揄されるわけですが、ANTENAのこの変化は紛れもなく彼らの「挑戦」であり、「進化」なのだと思います。
新しい音楽を全力でやり切っている姿もとてもカッコ良く感じました。
本当に良い曲が多く、1曲だけ選ぶのは難しいのですが筆者の一推しはこの曲。
「天国なんて全部嘘さ」という強烈なサビのリフレインが頭から離れなくなります。
「遅延電車のワケはまたさよならした誰か」というインパクトのある序章から、「生きてみよう とりあえずは 味方だたら ずっと」と生きることに疲れた人の心にそっと寄り添うような深い優しさに包み込まれる。
MVを見てもらうとわかると思いますが、ボーカルの渡辺さんがまた甘いルックスでイケメンですよね。
やっぱり「このバンドは売れそう!」と思ってしまいます。
2018年4月にボーカルの渡辺涼さんがパニック障害療養のために活動を休止。
約半年の期間を経て、活動を再開しました。
パニック障害とは、突然、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こしてしまう精神障害です。
パニック障害はミュージシャンや芸能人の方に多く、Kinki Kidsの堂本剛さん、シンガーソングライターの星野源さんなどもパニック障害であることを公言しています。
芸能人やミュージシャンは常に緊張やプレッシャーを強いられる環境にいることも関係しているようです。
渡辺さんは今では特に問題なくステージでも歌えているようで安心しました。
渡辺さんは歌詞を見ていてもとても繊細な心の持ち主のように思います。
繊細であるからこそ表現できる心の機微というものもきっとあります。
ANTENAの最新アルバム「あさやけ」が2021年4月にリリースされました。
その中からもまた何曲か抜粋してご紹介させていただきたいと思います。
ANTENNA 3rdミニアルバム「あさやけ」
1.2020
2.Jibunmakase
3.Night Fight
4.未来を待てない
5.花空
6.みんみん
7.あいのうた
8.Lasst Song
「未来を待てない」(2020年)
アルバム「あさやけ」から「未来を待てない」という楽曲のMVです。
アルバムに収録される前に2020年にデジタルリリースされた楽曲。
ニューレトロサウンドにも更に磨きがかかっているように感じます。
爽快感のあるサウンドに、コロナ禍の人々の心情をリンクさせるような歌詞。
サビの「待てない 待てない」がこれまた気が付くと口ずさんでしまう中毒性アリです。
またANTENAは「アンテナブルー」をキーワードに掲げており、美しい「青」が全面に押し出されています。
ずぶ濡れになりながら繰り広げられるダンスもまた芸術的で、また新たなANTENAが垣間見れるMVに仕上がっています。
「あいのうた」
ANTENAの魅力がぎっしりと詰め込まれた楽曲だと思います。
人を愛するということの難しさ、苦しさ。それでも愛に生かされ、愛を抱えて生きていく。
そんな人間臭い葛藤と希望を歌った温かなラブソングです。
サビの転調からメロディがグッと切なくなり、透き通る歌声が聞き手の胸に迫ってきます。
10月に仙台と東京の2ヶ所でワンマンライブを開催することを先日発表になりました。
10月3日(日)仙台MACANA
10月31日」(日)渋谷WWWX
仙台の1部はもう完売したとのことなので興味のある方はお急ぎ下さい。
いかがでしたでしょうか。ニューレトロバンドANTENAの魅力が少しでも伝わっていたら嬉しいです。
ANTENAはメジャーデビューして正にこれからというところでコロナ禍になってしまい、ここ1年以上思うようにライブ活動は出来ていませんが、それでも精力的に作品をリリースし続け新しい音楽を発信していっています。
ANTENAはギターロックの持つカッコ良さとダンスミュージックを融合させ、新しい日本のポップミュージックを作っていってると思います。
かつてのサカナクションもギターロックとダンスミュージックの融合でしたが、ANTENAの場合はボーカルの渡辺さんの歌声がやはり肝になってくるでしょう。
変化を恐れずに常に時代に合致するサウンドを追求するということは、ヒット曲を出す上でとても大切なことだと思います。
仙台発ニューレトロバンドANTENA、これからも目が離せません。
ライター:kato
2020年よりフリーライターとして活動。 @kato1155ka
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