Novelbright「WONDERLAND」全曲レビュー[記事公開日]2021年1月25日
[最終更新日]2021年01月25日
[ライター]ソロモンの 猫

Novelbright「WONDERLAND」

2019年、路上ライブの映像がTikTokや TwitterなどのSNSで拡散され、一躍メジャーデビューを果たしたロックバンドNovelbright。

今回はそんな彼らの初のフルアルバムであり、プレデビューアルバムでもある「WONDERLAND」を紹介していきたいと思う。

 

1.ランナーズハイ

アルバムの一曲目に相応しい爽快なロックチューン。エレキギター2本を中心に構成された王道のギターロックなのだが、ボーカル竹中雄大の圧倒的なハイトーンと群を抜いた歌唱力が他の追随を許さない。

決して現代の音楽のヒットチャートに媚びたサウンドではなく、これぞギターロックだよなという王道のサウンドに仕上がっている。

「未だ見ぬ世界を目指したい」と歌っているように、歌詞の内容は、正にメジャーの音楽シーンにいざ行かんとするバンドの強い意志が感じられる楽曲だ。

 

2.Believers

「がんばろう、NIPPONのDRIVERS」のCMソング。

クランチのエレキギターサウンドが印象的なイントロ、一曲目に続きアッパーなナンバーだ。

「間違ってもいいじゃん」と飾らない、真っ直ぐな言葉で背中を押してくれる言葉たちはきっと多くの若者に勇気を与えるだろう。

若々しくエネルギッシュな楽曲だ。

 

 

3.君色ノート

カネボウ化粧品「KATE」CMソング。

1、2曲目のギターロックなサウンドとはここで変わって、軽快な四つ打ちのドラム、隙間を埋めるシンセとアコギ。キャッチーで親しみやすいメロディライン。優しいポップなナンバーだ。

ギターロックバンドでありながらも老若男女に愛されるJ-POPにきちんと落とし込まれている楽曲のように感じる。

 

 

4.photo album

Novelbright結成当初から歌われている楽曲。

物悲しいエレキギターのアルペジオと鍵盤によるイントロから引き込まれる。

そこへどこまでも伸びる竹中の歌声が加わっていく。

 

それにしてもボーカル竹中のハイトーンは本当に凄まじい。

この楽曲ではミックスボイスではあるが、地声の声質でhiCの音を楽々と出している上に、アウトロではhiG#という驚異的なハイトーンを出している。

もはや女性でも苦しい音域のはずだ。

ストリートライブの映像でバズっただけあってその歌のレベルは半端じゃない。

ボーカル竹中は自身の曲を「カラオケで歌わせる気はない」と語っており、なるほど確かにこんな恐ろしく高いキーの曲を原曲で歌えるボーカリストはそうそういないだろうと思う。

 

5.おはようワールド

リズミカルな楽器隊から織りなされるイントロに澄み渡る口笛。

この口笛はボーカル竹中本人が吹いているもので、彼は口笛の世界大会で二回の優勝経験があるというのだから驚きだ。

NovelBrightはボーカル竹中はハンドマイクスタイルでギターを弾かない為、2本のエレキギターによるツインギターが特徴でもある。

この楽曲は2本のエレキの掛け合いが特に面白い楽曲だ。

 

6.ENVY

サイケデリックなシンセと不穏な空気をまとったエレキのリフがカッコ良い。

ここまでアルバムを聴いてきて、どの曲も本当にメロディがキャッチーで聴きやすいものばかりだと感じた。

「ENVY」とは「羨望」「嫉み」といった意味だが、この曲の歌詞は現代におけるネット社会を風刺したものになっている。

真っ直ぐな応援歌を得意とするイメージがあったが、こういった鋭いメッセージを放つ楽曲もまたとても良い。

 

7.夜空に舞う鷹のように

Novelbrightはボーカル竹中の歌に目が行きがちだが、ライブやストリートで培ってきたバンドとしての演奏力もとても高い。

そして一度聴いたら耳から離れない美しいメロディラインを持っている。この曲もまた然りだ。

サウンドとしては決して新しいことをしているわけではないのだが、アレンジが細かく練られていて楽曲のクオリティがとても高い。

 

8.夢花火

スマートフォン向けゲーム「放置少女」のCMソングでもあるこの曲はテレビで耳にしたことのある人も少なくないだろう。

ここまでずっとミドル〜アップな曲が続いたのでここでこのテンポ感のバラードは嬉しい。(この曲もがっつりのスローバラードではないが。)

甘酸っぱいNovelbrightらしい真っ直ぐなラブソングに仕上がっている。

サビのボーカルの歌の表現力は鳥肌が立ちそうになる程だ。

 

 

9.スタートライン

こちらも真っ直ぐに背中を押してくれる応援歌のような楽曲。

逆再生したようなトリッキーなイントロから間奏ではエレキによるライトバンド奏法といったテクニカルな演奏も見られる。

個人的には落ちサビからのたたみかけるようなドラムが好きだ。

 

 

 

10.candle

まるでMOROHAを彷彿とさせるようなアコギのリフのイントロが耳に残る。

先程アレンジが練り込まれていると書いたがこの楽曲でも特にそれを強く感じた。

2本のアコギの掛け合いから成されるイントロ、サビに入る直前のキメ、落ちサビからの盛り上がり、そういった細かいところまでしっかりと作り込まれている。

忘れられない恋の傷跡を切なく歌い上げる。

 

 

11.Prologue〜Before the dawn〜

吹き荒ぶ風の音、美しいピアノの旋律から成るインストゥルメンタル。

アルバム最後の曲の直前にこのインストを持ってくるあたり、メンバーの強い拘りを感じる。

時計の針の音を残し、そのまま次曲へと繋いでいく。

ライブでこの演出をされたらきっとわかっていてもグッときてしまうだろう。

アッパーな楽曲が殆どだったのでここでインストが来るのはリスナーとしては有り難い。

 

 

12.時を刻む詩

アルバムの最後を飾るこの楽曲は、険しい道のりを歩んできたバンド自身のことを歌っているのではないかと思う。

そして、ここからもずっと歩み続けるという強い決意が感じらる。

「50年後の未来も」きっと同じ時を刻んでいるよと優しく、力強く歌うこの楽曲は、彼らのファンに対するメッセージも込められているように感じた。

 

まとめ

Novelbrightの初のフルアルバム「WONDER LAND」

メンバー全員が20代というフレッシュなバンドにも関わらず、どの楽曲も細部まで練り上げた秀逸なアレンジ、圧倒的なボーカルの歌声、そして一度聴いたら耳に残るメロディラインが際立った、完成度の高い楽曲ばかりだ。

瑞々しく、エネルギッシュな彼らの音楽はこれからもどんどん研ぎ澄まされて日本を代表するバンドとして活躍していってくれることだろう。

歌詞の内容としては聴き手の背中を押してくれるストレートな応援歌のような曲が大半を占める。

ここからどの様な新たな詩の世界を繰り広げていくのかも個人的にはとても楽しみである。

このアルバムはがっつりとしたスローバラードの楽曲が一曲も収録されていなかったので、そういった楽曲も今後聴いてみたい。竹中の歌唱力もより生きてくるのではないだろうか。

ここからはそう言った新しいNovelbrightの音楽が展開されていくことにも期待したい。

ライター:ソロモンの 猫

法政大学文学部日本文学科卒業。大学在学中、小説、詩、文章の書き方を学ぶ。2020年よりフリーライターとして音楽をメインに幅広いジャンルの記事を執筆中。 @soromonnoneko