音楽ライターが本気で「このアーティストはブレイクしそうだ!」と感じたアーティストを紹介していくコーナーです。
今回紹介するのは、京都出身のロックバンド「ギリシャラブ」
「ギリシャラブ」の魅力をしっかりとお伝えしていきたいと思います。
メンバーはVo.天川悠雅、Gt/Syn.取坂直人、Ba.守屋咲季から成ります。
2014年に結成し、京都を拠点に活動を展開。
2015年、くるりの作品を生んだことでも有名な京都のmusic studio SIMPOが立ち上げたSIMPO REORDSより1stミニアルバム「商品」をリリース。
2017年、1stフルアルバム「イッツ・オンリー・ア・ジョーク」をミロクレコーズからリリース。
2018年には毛皮のマリーズ、ドレスコーズでボーカルを勤める志磨遼平監修のレーベルJESUS RECORDSに移籍。
ミニアルバム「(冬の)路上」をリリース。
2019年、活動の拠点を東京に移す。
JESUS RECORDSから2ndフルアルバム「悪夢へようこそ!」をリリース。
2021年、自主レーベル「都市国家レコード」を設立。
3rdフルアルバム「ヘヴン」をリリース。
筆者がギリシャラブの音楽に出会ったのは2018年。
偶然立ち寄った都内のヴィレッジバンガードの店内で流れていたのを耳にしたのが最初でした。
ミニアルバム「(冬の)路上」のリード曲「からだだけの愛」という曲が流れていたのですが、何とも言えない不穏な空気感、一発で耳に残る中毒性のあるサビのメロディライン、そして一聴しただけでは意味がよくわからないのに妙に気になってしまう歌詞。
その場に立ち尽くして、聴き入ってしまいました。
帰宅してすぐにネットで「ギリシャラブ」を検索し、youtubeで色んな楽曲を聴き漁り、どんどんその深く暗いギリシャラブの沼にハマっていきました。
「からだだけの愛」
ギリシャラブの中でもこの曲は比較的ポップで入りやすい曲のように思います。
一度聴けば頭から離れない強烈な中毒性を持つ楽曲です。
女性の声でコーラスが加わったシンガロングも非常に心地よく、何度も聴きたくなってしまいます。
この「からだだけの愛」が収録されている「(冬の)路上」というミニアルバムは「ポップで強い5曲を打ち込んだ作品」とボーカルの天川さんは語っています。
「(冬の)路上」はギリシャラブ入門にオススメの一枚です。
(冬の)路上-EP
1からだだけの愛
2モデラート・カンタービレ
3ブラスバンド
4ペーパームーン
5どういうわけか
筆者一推しのギリシャラブの楽曲はこちら。
「機械」
2017年リリースのアルバム「イッツ・オンリー・ア・ジョーク」に収録されている「機械」という曲。
この暗く、闇の深い、何とも気持ち悪い楽曲なのに、異常ににクセになります。
どこまでも転調を繰り返していくサビも面白いですし、ベースラインも非常に耳に残ります。
そして何よりも強烈なサビの歌詞。
“恋人よ 僕は大人になるくらいならネコのひげみたいな君の肋骨をなぞるだけの機械になる”
狂気に満ちたこの歌詞について、ボーカルの天川さんは「肋骨をなぞるだけの機械になった主人公は人間として壊れていくことで、機械として完成されていく」と語っています。
「他者との関わりの中でこそ人間は人間らしくいられるが、人間が壊れていくこともまた他者との関わり合いの中でこそ」
という横光利一の短編小説「機械」から着想を得て作られた曲のようです。
ギリシャラブの音楽は「○○っぽい」と非常に形容しにくい、唯一無二の世界観を持っていると思います。
そして、その音楽性も初期から今に至るまで大きく変化していて、作品そのものよりも”変化”のダイナミクスこそ”音楽”と呼ぶべきとも語っています。
1stフルアルバム「イッツ・オンリー・ア・ジョーク」名盤ですのでこちらも是非聴いてみて下さい。
「イッツ・オンリー・ア・ジョーク」
1竜骨の上で
2つつじの蜜
3夜の太陽
4セックス
5機械
6ヒモ
7パリ、フランス
8よろこびのうた
9パリ、兵庫
10イッツ・オンリー・ア・ジョーク
11ギリシャより愛を込めて
ギリシャラブの楽曲は短調のものが多く、ダークで妖艶な雰囲気を纏っています。
そして文学的で、独特の視点から描かれる歌詞が非常にユーモアがあり面白いのです。
先程紹介した「からだだけの愛」「機械」にも共通して言える歌詞のテーマがあり、どちらも一般的にはあまり「良し」とされていないことなのです。
「肉体だけの関係」や「機械的に」という言葉は悪い意味で使われることが多い言葉です。
「身体だけで繋がっているなんて愛じゃない」という風潮に対して、「それだけじゃない」と肯定したい気持ちがあると天川さんは語っています。
天邪鬼であり、世間の常識に対して問題提起するという姿勢はロックバンドとしてとても大切なことだと筆者は思っています。
1カフェ・オ・レ
2しとやかな獣
3ライムライト
4旅のボヘミアン
5テレパシーでランデヴー
6エロスの涙
7シュバリエ・ド・バリバリー
8天国のドラマ
9ヘヴン
10ジェリー
志磨遼平監修のJESUS RECORDSを離れ、自主レーベル「都市国家レコード」を設立したギリシャラブ。
その記念すべき第一弾となるアルバム「ヘヴン」をリリースしました。
前作の「悪夢へようこそ」はそのタイトル通り「悪夢」のようなダークで深淵のような作品でした。
そこから一転、今作の「ヘヴン」はギリシャラブらしい妖艶さは確かに残したまま、サウンドは明るく軽快なものに仕上がっています。
「悪夢」から「ヘヴン=天国」ですから真逆のテーマとも言えますし、それでいて初期の頃から貫いている、人間の根源に迫るような世界観は変わらずに、より磨きがかかっているように感じます。
またシンセ、スティールパン、ウクレレなど様々な楽器を用いて今までにない世界観を表現しようとしている点も面白いです。
作品そのものよりも”変化”のダイナミクスこそ”音楽”と呼ぶべきと語っていたその言葉通り、ギリシャラブの確かな「変化」を感じ取れる一枚です。
「ギリシャラブ」というバンドは「○○ぽいバンド」と表現することが非常に難しいと書きましたが、それはきっと彼らが常識に囚われずに、常にその時に「良い音楽」だと思えるものに全力を傾けているからなのだと思います。
「ギリシャラブ」というアーティスト像を築いては破壊していくその姿は正にアーティスティックで、次はどんな世界に連れて行ってくれるのかとワクワクさせられます。
彼らの行く末が楽しみで仕方ありません。
「しとやかな獣」
最新フルアルバム「ヘヴン」からリード曲の「しとやかな獣」
軽快なギターのカッティング、シンセのリフが印象的なナンバー。
アルバムのリード曲に相応しい、キャッチーで中毒性のある楽曲です。
うねるようなベースライン、アウトロのギターソロも味があってたまりません。
2022年のライブで現時点で解禁されているものはありませんでしたが、SNS是非チェックしてみて下さい。
毎週インスタライブで配信も行っているようです。
気になった方は是非ライブにも足を運んでみて下さい。
ギリシャラブの魅力が少しでも伝わっていたら幸いです。
ライター:kato
2020年よりフリーライターとして活動。 @kato1155ka
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com