どれがおすすめ?メタルに最適なギターの選び方[記事公開日]2021年1月24日
[最終更新日]2021年01月25日

メタルギター

トラディショナルなストラトやレスポールから離れて、独自の進化を遂げつつあるメタル系ギター。従来であれば特殊と言えるような仕様も市民権を得つつある昨今ですが、そんなメタルギターに焦点を当てて、今一度掘り下げてみましょう。

メタルに合うギターの条件

タイトな低域、分離感のある高域

タイトな低音は、速い低音リフが多いスラッシュメタルなどが隆盛を誇った時代から重要視されてきた点です。リフの輪郭を際立たせるためには、低音でズクズク刻んでも飽和しない低音が必要で、また、クリーンでのアルペジオなども高頻度で登場するため、高域の分離感やレンジの広さなども求められます。

これらのサウンド傾向を得るために、ボディ材にはアッシュなどハッキリした音が特徴の材が好んで使われ、ピックアップにもそのような乾いた音を得意とするものが多く使われます。

弾きやすく高出力

しっかりした歪みを得て、なおかつハウリングさせないために、高い出力は必須で、ギターの構造やピックアップのチョイスに至るまで出力不足にならないように設計されます。また、ボディが薄く軽量で持ちやすく、ジャンボ系フレットを装備してテクニカルなプレイに照準を合わせている製品が多いのもポイント。Mayonesのようにスルーネック構造のものがラインナップのメインを占めるブランドもあり、これも良好なサステインの獲得という目的の他、ハイポジションの弾きやすさに一役買っています。

重低音に耐える物理的構造

昨今のメタル音楽では7弦、8弦などの多弦ギターが珍しくなくなっており、通常の6弦ギターであっても、チューニングを非常に低いところまで下げて演奏することが多々あります。そのためネックについては、相応の強度を得るために複数の木材をラミネートしたり、カーボンファイバーでの補強などを施して強化するのが一般的です。また、ダウンチューニングに耐えるためにネック長を長くしたもの(25.5インチ以上)や、扇状にフレットを打ち込んだマルチスケール構造のものも少なからず見られます。また従来のハードロックではおなじみであったフロイドローズなどのトレモロユニットも、モダンメタル系ギターにおいては付けられていないものがほとんどです。これは、弦振動のロスを少なくすることで、クリアな重低音とサステインの良化を狙っているためです。

”エグい”ルックス

ポプラバールやバックアイバールなど、強烈な個性を放つ木材に暗めのバースト塗装などを施して、邪悪な外見を演出しているものが多く存在します。バール材については2000年代以前ほとんど見ることのないものでしたが、昨今では流行と言えるほど爆発的に増えており、Ibanezなどのメタル系ギターが得意なメーカーを中心に、非常に多くのモデルに使用されています。

メタルに適したギター ブランド別

Ibanez(アイバニーズ)

日本最大のエレキギターブランドであるアイバニーズ。90年代からハードロック、ヘヴィメタル系ギターを牽引する存在でしたが、現在でもモダンメタル仕様のものの充実度は随一です。

RG Axion Label RG631ALF

RG Axion Label RG631ALF

アイバニーズの代名詞とも呼べるRGシリーズ。その中でもメタル系に特に相性の良い、Axion Labelラインの一本がこのモデルです。ロック式トレモロやナイトロウィザードネックなど、通常のRGシリーズのスペックを踏襲しつつも、ウォルナットとパンガパンガの5層ラミネイトネック、近年メタル系を中心に絶大な支持を集めるアクティブピックアップ、Fishman Fluenceを搭載するなど、随所にモダンな要素が含まれており、メタル系ミュージックを中心に多彩なスタイルに対応できるモデルになっています。

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RGD standard RGD7521PB

RGD7521PB

RGDはチューンダウンあるいは7弦仕様の重低音に特化したシリーズ。中位グレードであるRGD Standardにはこの一本のみがラインナップされています。ポプラバール材にナチュラル~濃紺のグラデーションが施された強烈なルックスが特徴で、26.5インチのエクストラロングスケールに7弦の仕様となっています。ボディはマホガニー代替材として近年よく見られるナトー材、ネックにはAZなどでも採用されるローステッドメイプルを採用。ブリッジはアイバニーズには珍しいノントレモロ仕様で、ピックアップにはディマジオ社のPAF7を搭載、外観からハードウェアに至るまでモダンメタルに特化した一本です。

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ESP

メタル系メーカーとして日本国外での人気も高いESP。カスタムオーダーを中心としたラインナップで、クオリティの高さには定評があります。

FRX

ESP FRX

とげとげしいルックスが印象的な、ESPの変形ギターを代表するモデル。マホガニーのボディにバールメイプルのトップが貼り付けられたFRX-CTM、そしてアルダー材にメタリックな塗装を施したFRXの二種からなり、ともに3プライのメイプル材をネックとしています。外周には凝ったベベル加工が成され、セットネックでのヒール加工はスルーネックモデルに比肩するほどの弾きやすさを獲得しています。ピックアップにはセイモアダンカンのSentientをネック側に、PegasusあるいはNazgulをブリッジ側に配し、透き通ったクリーンとエッジの効いた荒々しいハイゲインを両立させています。

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Snapper

ESP Snapper SNAPPER-CTM Poplar Burl

ESPのギターで最もよく見かけるモデルがこのSnapper。上で紹介したFRXなどに比べてもトラディショナルなルックスを持っており、ピックガードの装着されたものは、スタジオミュージシャン的とも言える多様な演奏からヘヴィメタルに至るまで、非常に幅広く対応できるポテンシャルの高さが感じられます。ボディがアルダー材のものや、マホガニーバックに様々なトップ材が貼られたものなどを合わせて、かなりのバリエーションが存在しており、同じSnapperでもマホガニーとバックアイバールのモデルなどは、よりヘヴィメタル向きな仕様となっています。ミックスバリエーションスイッチの搭載により、ハーフトーン時のピックアップの組み合わせに2倍の選択肢を持ち、二つ搭載したキャパシターをトーンポットのプッシュプルで使い分けることができるなど、音色のバリエーションはESPの全ラインナップ中でも屈指。店頭で見つけやすいため、様々な楽器店で試奏ができるというのも実際に選ぶ際には嬉しいところです。

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Schecter(シェクター)

かつてはハイエンド系ブランドとして人気のあったシェクターですが、現在韓国で作られるDiamond Seriesはメタル仕様のラインナップが中心となっています。

C-1、C-7 Apocalypse

Apocalypse C-1 C-1 FR-S Apocalypse, Rusty Grey

シェクターには日本国内での製造流通を主としたシェクタージャパン製品と、韓国で作られ、世界的に流通するDiamond Seriesの二種がありますが、こちらはDiamond Series内のApocalypse Collectionにおける一本。スワンプアッシュのボディと、メイプル、パドゥークの多層構造ネックが使用され、セットネック仕様によるハイポジションでの演奏性も高いモデルです。ピックアップには純正であるApocalypse-VIを装着し、切り裂くようなエッジ感のあるサウンドを得意とします。メタルに適したスペックにはなっているものの、6弦のC-1はスケール長も通常の25.5インチであり、ブライトでしっかりと立ったクリーントーンからは、あらゆるジャンルに使える汎用性を感じられます。7弦仕様のC-7は26.5インチのエクストラロングスケールとなり、深い赤色のRed Reignモデルが別途ラインナップ。通常のストラト的シェイプのほか、フライングVに近いシェイプのモデルや、フロイドローズ付きタイプのものも展開されています。

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Jackson(ジャクソン)

80年代よりメタルの象徴と言われ、ハードロック、ヘヴィメタル系に非常に強かったジャクソン。現在でもメタル系ギターのラインナップは充実しており、多様なスペックのものが並んでいます。

Pro Series Dinky DK Modern Ash

Apocalypse C-1 Pro Series Dinky DK Modern Ash HT6, Baked Red

Jacksonのラインナップ中、中位に位置するグレードのPro Series。こちらは通常のストラトよりもやや小ぶりなディンキータイプのボディで、名前の通り、アッシュが使用されたモデルです。ネックにはメイプルとウェンジのラミネイト、ピックアップにメタル系御用達として人気のあるFishmanのFluenceピックアップを搭載、ピックアップ自体のボイス切替もあって、見た目以上の幅広い音色を獲得しています。Mayonesなどにも見られる、木目を浮きだたせたオープンポアー塗装の印象的な出で立ちはまさにメタル向き。ハードテイルブリッジ搭載のHT、フロイドローズ搭載のFRの二種が展開され、それぞれ6弦と7弦(7弦仕様は26.5インチスケール)がラインナップされています。

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Charvel(シャーベル)

エディ・ヴァン・ヘイレンによって有名になったブランド。ここに挙げた中ではモダン系から最も遠く、往年のハードロック、ヘヴィメタル系の仕様を貫いています。

MJ San Dimas Style 1 HSH

MJ Series San Dimas Style 1 HSH MJ Series San Dimas Style 1 HSH FR M QM Caribbean Burst

日本製を示すMJを型番の頭に冠したCharvelの新シリーズ。こちらはマホガニーをバックにウォルナットを前面に配し、高級感を醸し出したモデルです。ボディだけでなく、ネックも1ピースのウェンジにエボニー指板という、一風変わった組み合わせとなっており、全体を支配する色の濃い木材と、ゴトー製の質実剛健なゴールドハードウェアがうまく調和して、気品のある佇まいを作り出しています。ピックアップはHSH仕様で、ブリッジ側からそれぞれダンカンのSH-10b、SSL-6、APH-1n。大きくカットされたネックジョイント部や、コンパウンドラディアスが採用された指板カーブなど、演奏性の高さには特にこだわって作られており、ハードロック用ながらも多彩なジャンルに対応できる汎用性をも併せ持っています。

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FUJIGEN

優等生的なモデルのイメージが強いフジゲンですが、エクストラロングスケールのモデルがラインナップされています。

J-Standard JIL2-ASH-DE664

中位グレードJ-StandardにラインナップされるILIADモデルの中でも、メタルに特化したのがこの機体。664mmというエクストラロングスケールを採用して、弦の張力とタイトな低音を確保。立ち上がりの速さを意識した、アッシュボディにメイプルネックの組み合わせが選ばれています。ピックアップには昨今メタル系界隈を中心に人気のアクティブハムバッカーであるFishman Fluenceを搭載。他のフジゲンのモデル同様、リーズナブルな価格でありながらクオリティは高く、メタル系ギターの1本目としてもおすすめできるモデルです。

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Paul Reed Smith(ポール・リード・スミス)

あらゆるジャンルをカバーできる最強のマルチギターPRS。最近ではラウド系、ヘヴィ系のプレイヤーにも人気があります。

S2 Custom 24

S2 Custom 24

”S2 Custom 24”は最高級モデルであるCustom24、韓国などで製作されるSE Custom24の中間に位置するグレードのモデルで、最高級ラインと同じアメリカの工場で作られています。ボディ外周に大きくカットが施されたベベル部分を持ち、全3グレード中でもっとも鋭さを備えたルックスが特徴。中間グレードとは言え、ハイエンドに迫る価格とクオリティを備え、機能性などは上位モデルに遜色ありません。レスポールと同じくボディ、ネック共にマホガニーが使われており、太さを持ったサウンドはクリーンからハイゲインまで幅広い音色に対応できます。スピード感についてはさほどではないものの、強く歪ませてもしっかりとした芯のある歪みを生み出すところが、ラウド系、メタル系のアーティストに支持される理由でしょう。

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Mayones

昨今爆発的に人気が高まっているポーランドのメーカー。店ごとにオーダーを出して製作されるため、様々な仕様のものを各地の楽器店で見ることができます。

Regius

Regius Core 6strings

Mayonesの代名詞とも言えるモデルがこのRegius。6弦から8弦までのラインナップが展開されています。通常のストラトを少し傾かせたようなフォルムには攻撃性と同時に気品が感じられ、唯一無二の存在感をもっています。スルーネック構造をデフォルトとし、ボディ材にはスワンプアッシュとフレイムメイプルを使用。ピックアップには昨今大人気の英国ベアナックル製で、Mayonesのために独自開発されたものが搭載されます。カラーリングやブリッジなど、いずれも量産ではなく特注なため、様々な仕様のものが世界中に溢れており、この辺りの特別感がまたMayonesの魅力の一つとなっています。

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.strandberg

スウェーデン発、ヘッドレスギター隆盛の火付け役。人間工学に基づいた特殊なスペックの先進性は世界一と言って過言ではありません。その機能性の高さで続々とファンを増やしています。

Boden J-Standard

Boden J-Standard

ヘッドレス形状と人間工学に基づいた大胆なデザインで世を席巻したstrandberg。こちらのJ-Standardは日本で製作され、高いクオリティを実現したシリーズ。チェンバー構造も多い同社のモデルの中において、ソリッドボディ構造を取っており、スワンプアッシュやバスウッドの上にバール材などを使用することで軽量と見た目の美しさを同居させています。ピックアップにはコイルを使用しないLace Alumitone、またはベアナックル製の中において量産品の位置づけにあるBoot Campが使用され、全モデルにおいてマルチスケール対応となっています。J6、J7、J8まで弦の本数によってそれぞれラインナップされ、多彩な音楽性をカバーできます。

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Ormsby(オームスビー)

オーストラリア発、メタル系ギターのみ製作する気鋭のブランド。全モデルがマルチスケール採用という突き抜けた姿勢は日本のメーカーではなかなか見られないものです。

HYPE GTR QMSA

HYPE GTR QMSA

Ormsbyの定番とした位置づけにあるHype GTR。見た目だけではマルチスケールの強烈な印象が残りますが、握りやすいDシェイプのネック、スワンプアッシュ材とステンレスフレットの速い立ち上がり、大きくカーブされ弾きやすいネックジョイント部、このモデルのために自社開発された良好なピックアップなど、ギターそのものとしてのクオリティが非常に高い次元でまとまっており、メタル系音楽はもちろん、それ以外にも多様に対応できそうなポテンシャルを感じさせます。こちらのQMSAはキルトメイプル・スワンプアッシュの意味で、キルトメイプルの怪しげな模様がジャンルによくマッチしており、展開されている4色ともにそれぞれ独特の魅力を放っています。6弦のほか、7弦モデルも展開されています。

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Killer(キラー)

高崎晃氏のための国産ブランドKiller。弾きやすさに重点を合わせた構造、レンジの広い良好なサウンドなどから、ハードロック、ヘヴィメタル系ギタリストに大きな支持を受けています。

KG Exploder

Killerのラインナップにおいてミドルレンジに当たるモデル。形状は最上位モデルのPrimeと同じく変形といえる鋭角的なシェイプですが、音の立ち上がりを意識した42mm厚のメイプルボディ、薄すぎないUシェイプのネック、コイルスプリット機能を持ったトーンポット、フロイドローズ搭載などなど、様々なジャンルに対応できるポテンシャルを秘めており、同じメタルミュージックの中でも、特に多彩なサウンドを必要とされるギタリストには向いたギターでしょう。


同じメタル系ギターと言っても、スペックは実に多彩。現代的なジェント、デスメタル系から80年代ハードロック的なものまで、近年では指向する音楽によって細かく選べるほど豊富な選択肢があります。ぜひ自分の指向ジャンルと照らし合わせて、合うものを見つけ出してください。