どれがオススメ?YAMAHAアコースティックギターの選び方[記事公開日]2020年12月8日
[最終更新日]2021年07月19日

YAMAHAアコースティックギター

ヤマハのアコースティックギターは1960年代から生産が始められ、ジャパニーズフォークの全盛期を経て、今では国産アコギの名門といった地位を確立しています。文字通り始めたての初心者から熟練者まで、あらゆる層を満足させるヤマハのアコギについて、掘り下げてみましょう。

YAMAHA(ヤマハ)のフォークギターについて – アコースティックギター博士

ヤマハアコースティックギターの歴史

ヤマハがアコースティックギターの生産を始めたのは1965~66年の頃。当時日本ではオリジナルシェイプでのスチール弦ギターは存在せず、アメリカのMartinに遅れること200年近くして、ようやく国産オリジナルのアコースティックギターが登場することとなりました。その栄えある第一号はFOLK GUITARの頭文字を取った”FG”を冠する、FG-150、FG-180でした。

1960年代の終わり頃から始まったフォークの爆発的流行の流れに乗り、FG-150、180は一気に売り上げを伸ばしました。1971年には上位モデルであるFG-1500、2000、2500が発売されます。これはサイド、バックに現在では稀少なハカランダを使用したモデルで、当時の価格にして10万円を超える、大変に高級なモデルでした。ちなみに、現在FGシリーズのラインナップ名にもなっている”Red Label”は、この時期のFGのサウンドホールから覗くラベルが赤であったことに由来します。

1974年、現在にまで続くヤマハ最上位のモデルLシリーズが陽の目を見ることになります。Luxeryの頭文字を取ったLシリーズです。その第一号機はL-31。その後、さらに上位モデルのL-51、52、53,54が登場します。

Lシリーズがこの世に出てからすでに50年近く。その間、国産アコギのヤマハの地位は揺らぐ事は無く、エレアコのAPX、初心者用のFや、トランスアコースティックなど、今でも続々と新しいラインナップを生み出し続けています。FGから受け継がれる系譜は未だ進行中なのです。

木材について

以下の製品紹介の説明には木材の名前がいくつか登場します。代表的なものをここで解説しましょう。

名前 特徴 主に使用される箇所
スプルース アコギのトップ材としては定番。特記しない場合、シトカスプルースを指すことが普通です。キレの良い音がはっきりと大きな音量で出ます。同じスプルースでも北米産のアディロンダックスプルースは、現在では希少で、主に最高級のモデルにのみ使われます。ヤマハの最高級モデルLシリーズでは、柔らかく繊細な音が特徴のイングルマン・スプルースが使用されています。 トップ
マホガニー 暖かい音色で人気があり、エレキギターにおいても定番の材です。アコースティックギターではおもにサイド、バックに使われますが、ヤマハFG850のように、トップに使われているモデルもあります。家具などにもよく使われており、サテン塗装のマホガニー製ギターなどは、まるで高級家具のような佇まいがあります。 サイド、バック、トップ
ローズウッド 非常に硬い材で、主にサイド、バック、そして指板に使われます。その硬さから想像が付く通りの、輪郭がはっきりした硬い音色が特徴。強度が要求される指板に使用されるのも、その硬さゆえです。同じローズウッドでもブラジリアン・ローズウッドは別称ハカランダと呼ばれ、希少材となっており、最高級ギターのみに使われています。現在はローズウッドそのものに輸出入の規制が掛かっており、入手困難になりつつあります。 サイド、バック、指板

YAMAHAのアコギ、主なラインナップ

F620

YAMAHA F620

ヤマハ製アコースティックギターの中でももっとも安値の製品。チューナー、弦、ストラップなどの小物が付属して、値段は2万円台前半と、日本のブランドではトップクラスに安価です。安価とは言え、さすがに天下のヤマハだけあって、品質は実用に耐えるレベルをしっかりとクリア。トップ材にはスプルースがあしらわれ、薄い塗装で鳴りを重視した設計となっています。今から始めようという初心者にうってつけのモデルです。

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FG820、FS820

YAMAHA FG820 FG820

ある程度予算があるのであればFG、FSのシリーズがおすすめできます。FG、FSシリーズは由緒あるFGの直系に当たるシリーズで、ヤマハを代表するアコギのシリーズでもあります。FGはウェスタンシェイプと呼ばれ、胴鳴りを意識したふくよかなシェイプ、FSはそれに比べやや小型でくびれの深いものになっており、女性や小柄な方がFSを選ぶのが一般的ですが、演奏のスタイルや見た目で選び分けても良いでしょう。この二機種は兄弟機として並列してラインナップされます。

いずれもスプルース単板がトップに、サイド、バックにマホガニーが採用され、価格以上の鳴りを実現しています。FG、FSは800から850までの4つのランクに分かれており、820はその中で下から二番目に位置するモデル。実勢価格は3万前後と、非常に手に取りやすいエントリーモデルとなっています。

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FG850、FS850

YAMAHA FG850 FG850

トップ、サイド、バック全てにマホガニーを使用したFG、FSシリーズの最高峰。トップには単板が採用され、抜群の鳴りと、マホガニーならではの温かみのある音色を両立しています。木製の美しさを最大限に楽しむため、ナチュラルの塗装のみのラインナップとなっており、高級家具のような佇まいが印象的です。

実勢価格は4万円台中盤辺りなので、初心者の1本目としても手が届く価格帯に抑えられています。

STORIA

YAMAHA STORIA

STORIA

2019年の夏に新発売された、ヤマハのラインナップでもっとも新しいアコースティックギター。初心者の最初の一本を意識して登場しており、小ぶりで丸みを帯びた独自のデザイン、ファッション的感覚の強い色遣い、やや短めのネック、低い弦高による弾きやすさの確立など、始めたてのプレイヤーに優しくなるよう、細かい所までこだわって作られています。オフホワイト塗装が施されたSTORIA Iのみ、トップにスプルースが配され、ナチュラル塗装のII、IIIはいずれもマホガニー。見た目はもちろん、音色の差で選び分けるのも良いでしょう。下記のCSFと同じく、サドル下にはパッシブのピエゾピックアップが搭載され、エレアコとして使うことも可能。

《あなたに寄り添う、かわいいアコギ》YAMAHA「STORIA」 – アコースティックギター博士

CSF 1M

YAMAHA CSF 1M

通常のモデルから90%ダウンサイジングした小型のアコースティックギター。コンパクトなボディに600mmの短めのネックが合わさり、気軽に持ち運んだり、構えずにゆったり演奏出来るモデルになっています。トップにはシトカスプルース、サイド、バックにはマホガニーが採用され、ヤマハ同時の音響解析技術によってフルサイズに準ずるほどの豊かな鳴りを実現しています。また、ブリッジサドル下にはパッシブピックアップが装備され、音量が必要な場面では、エレアコとしての活躍も期待できます。

身体の小さな方や、子ども用としてメインに据えるのもおすすめ。また、小型でコードなどが押さえやすくなっているところから、初めの一本としてあえて小型モデルからスタートするのもありでしょう。CSFシリーズは上位モデルとしてCSF 3Mが展開されています。

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FG5、FS5

YAMAHA FG5

FGシリーズの最高峰、「FG Red Label」のシリーズにおける上位モデル。Red LabelシリーズにはFG3、FS3が下位モデルとして存在しますが、FG5、FS5は共に日本国内での生産にこだわりが置かれています。Red Label全モデルにシトカスプルースの単板が配されていますが、使い込まれた楽器と同じ鳴りを獲得すべく、木材にはAcoustic Resonance Enhancement(A.R.E.)というヤマハ独自の技術が施されており、ヴィンテージ楽器に準ずる鳴りを実現しています。

下位モデルのFG3、FS3も材質などスペック上の違いは変わりませんが、生産拠点は日本国内ではなく、上位モデルに付属するハードケースが付きません。また、ヤマハが独自に開発した「Atmosfeel」ピックアップが搭載したエレアコ版のFGX、FSXが並列してラインナップされています。

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サイレントギターSLG200S

YAMAHA サイレントギター

音量を最大限に絞ったサイレントギターは、ヤマハの代表的な製品の一つ。サイレントシリーズには様々な楽器がありますが、アコースティックギターはこのSLG200Sのみとなっています。胴体を持たず、共鳴させないことで、音量を18%にまで低減。鳴らない分はヘッドフォンで聴き取りますが、特別開発されたSRTパワードピックアップによって、非常に心地よいアコギの音色を得ることができています。仕事帰りがいつも夜遅く、平日に練習をしにくい方などに人気があり、時間や場所を問わず弾けるのは大きな強みです。

メリットは音量を抑制しているという部分だけにとどまりません。胴体を持たないがゆえに分解して小さくできたり、ハウリングの恐れが無い分、大音量でのライブ演奏で使いやすかったり、リバーブなどのエフェクトを掛けて演奏できたり、他にも多くの強みを持っています。値段はやや高いものの、日頃の練習のお供として検討の価値は十分にあるでしょう。

YAMAHAの「サイレントギター」ってどんなの? – アコースティックギター博士

トランスアコースティックギター

YAMAHA トランスアコースティックギター

アンプを使用せずに、生鳴りにリバーブやコーラスなどのエフェクトを掛けて出力するという、驚きの機構を持ったギター。生鳴りへの影響を最小限に抑えるためのアクチュエーターが新開発され、本来の鳴りを殺さずに鮮やかなエフェクト音を混ぜることが可能になっています。トランスアコースティックギターのシリーズは、その内部にFGシリーズやLシリーズなどを内包して展開されており、FG、FS、L、CSFなどヤマハの定番シリーズをベースとして、それにトランスアコースティックの機構を加えることで、それぞれラインナップされています。ちなみに、1機種CG-TAというクラシックギタータイプも存在します。

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Lシリーズ

1974年に初登場して以来、ヤマハ最高級モデルの地位を譲ることなく今まで君臨するLシリーズ。その中のグレードやモデルは少々ややこしくカテゴライズされています。まずボディシェイプにより3種に分かれ、ミディアムジャンボの”LJ”、オリジナルジャンボの”LL”、スモールの”LS”となっています。そしてその中で、LL6、LL16、LL26、LL36、LL56といった趣で数種のグレードが付き、26以上のグレードからは職人によるハンドクラフトにこだわって製作されています。

いずれのボディシェイプにしても最下位の”6”については実勢5万円程度で、初心者でも十分に手が出せる価格。始めの一本としてLシリーズを手にするのも悪くはないでしょう。

LL6 ARE

YAMAHA LL6 ARE

Lシリーズでも代表的な立ち位置にあるLLの最下位モデル。下位とは言え、Lシリーズの理念はそのまま体現されており、イングルマン・スプルースの単板にA.R.Eが施されたトップ材は上位モデルと同じ仕様。サイド、バックにはローズウッドが使用され、特別に改良された内部のブレイシングも上位モデル譲りのものです。ネック形状もLシリーズのための特別デザイン。さらにパッシブピックアップが搭載されており、エレアコとしての使用も可能です。

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LL36 ARE

LLの上位に位置するモデル。職人によりハンドクラフトで組み上げられ、手工によるインレイから極薄のラッカー塗装まで、細部にわたり丹念に製作されています。バック材にはインドローズの単板が使用され、トップにはアバロンインレイのバインディングが施されることで高級感が演出されています。熟練者はもちろん即戦力の一本として、そして初心者は目標にすべき高級モデルでしょう。36は通常に店頭で手に入るモデルとしては最高のグレードとなり、この上の56、86は受注生産となっています。

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ヤマハのアコースティックギターが世に出て50年以上、現在も依然として定番であり続けているのは、国産アコギを初めて生産して以来、良い製品を生み出し続けている証拠です。特に初心者が初めに手にする一本というイメージが強いヤマハですが、どのような安価なモデルでも音質、耐久性、弾きやすさなどを一定基準でクリアしているため、それも頷けるところがあります。モデルやカラーバリエーションも多く、今からギターを始めようという方はぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。