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弾けまっせ!買えまっせ!サウンドメッセ2019レポート!!2019年5月31日 , ライター:小林 健悟

サウンドメッセ2019

2019年5月11日(土)、12日(日)の二日間にわたって開催された「サウンドメッセ2019」に行ってきました!「弾けまっせ!買えまっせ!」のキャッチコピーが示すように、メーカー各社の展示物を試奏するだけでなくイベント価格でのお買い物もできる、大阪らしい展示会です。著名アーティストのライブやトークショーなど、企画も豊富です。

今回は地元エリアで活動する若手ベーシストくんに手伝ってもらい、合計10,000本というギター、ベース、ウクレレがひしめく会場を練り歩き、各社の新作やショーモデルなど、いろいろな楽器に触れてきました。その全てをというわけにはとてもいきませんでしたが、時間内に取材することができたブランドを紹介していきます!

MENU
1: エレクトリックゾーン
2: GEN(GAKKI ENGINE OF NIPPON)
	2.1: Sugi Guitars(スギ・ギターズ)
	2.2: Freedom Custom Guitar Research(フリーダムCGR)
	2.3: Bizen Works(ビゼン・ワークス)
	2.4: IHush Guitars(アイハッシュギターズ)
	2.5: Kz Guitar Works(ケーズ・ギターワークス)
	2.6: D’s design(ディーズ・デザイン)
	2.7: T’s Guitars(ティーズ・ギターズ)
	2.8: Kino FACTORY / SOUND SPRITE(キノ・ファクトリー)
	2.9: Red House(レッドハウス)
3: アコースティックゾーン
	3.1: Vincent(ヴィンセント)
	3.2: Asturias(アストリアス)
	3.3: Ibanez(アイバニーズ)
	3.4: UEHARA ACOUSTIC GUITARS
	3.5: Cole Clark(コール・クラーク)
	3.6: K.Yairi(ケー・ヤイリ)
4: ショップゾーン

エレクトリックゾーン

エレキギターやエフェクター、また関連メーカーの展示が並ぶ「エレクトリックゾーン」。世界的な大メーカーから地元のショップまで、いろいろな展示が来場者の好奇心をくすぐります。

ブランドごとにずらり。周囲は試奏する音で埋まっているが、ヘッドホンを使用するブースでは落ち着いて音を確認できる。

お世話になっている人も多いであろう、お手軽価格のアンプ/エフェクターブランド「HOTONE」は、「ホットーン」と呼ぶのか、「ホットワン」と呼ぶのかを議論する声も。

各種エフェクターが試したい放題。天国かここは。

Relish(レリッシュ)

Relish Guitars

アルミを中央に配置したボディ、ヘッドで木材を曲げたネック、竹製指板、ハイテク電気系、抱えやすいボディ形状など、あらゆるところが独自構造で満たされた、恐るべきオリジナリティと高機能で知られる「レリッシュ」。

タッチセンサー
1年半くらい前から導入されたというタッチセンサーは、フロントとリアを10数段階の比率でブレンドでき、指二本で触れるとコイルタップできる。


ボディの蓋はマグネットで接合されているので簡単に開けられる。磁力が強いので、演奏中に外れてしまう心配はナシ。


ピックアップもパコっと外せて、カンタンに別のものへ交換できる。「ハムバッカーが専用のフレームに収められている」という構造なので、他社製ピックアップも対応可能。

Relish:ピックアップセット
各種ピックアップのセット。いろんなメーカーのピックアップが使える中、レリッシュオリジナルのものが一番ノイズに強いとのこと。

アルミフレームボディの恩恵か、クリーンでも全ポジションで、音量差を感じさせずストレスなく均一に鳴ってくれる印象。サスティンがとても長く、クッキリとした上質なトーン。

Mark Bass(マーク・ベース)

Mark Bass

ベースアンプ/エフェクターで知られる「マーク・ベース(Markbass)」から初めてリリースされるベースは、名手リチャード・ボナ氏のシグネイチャーモデル。バッグがいかにもマーク・ベースのデザインですね。高級機「キリマンジャロ」と標準機「キマンドゥ」それぞれ4弦、5弦の2モデルで展開、夏秋ごろ発売予定です。

オリジナルヘッド形状に、ボナといったら緑色、そしてボナといったら忍者、という意匠。ご本人は、昨年秋ごろから使っています。

イタリア製。なんとシリアルナンバー「1」ですよ。

カッタウェイが思いきり切ってあり、左手を妨げるものが何もない。

24フレット近辺でのコードプレイが余裕です。弦長は標準的な34インチ、非常にフラットな指板は新鮮な感触ですが、平たいネックシェイプと相まってテクニカルなプレイに良好です。

軽量な本体の重心はボディ側にあり、立奏でもヘッドの重量が苦にならない。座って弾くと、ちゃんとちょっとヘッド上がりに落ち着く重量バランス。

この「キマンドゥ」はピックアプ/プリアンプともにマークベースオリジナル。プリアンプは強力にかかり、しっかり音が作れます。パッシブ時にもトーンポットが使え、くせのない感じでいろいろできます。

八弦小唄(はちげんこうた)

八弦小唄

地元大阪のリペアショップ「八弦小唄」は、ヴィンテージギターのリペアを受注するたびに蓄積したデータを活かした、現代の音楽で使いやすく音の良いヴィンテージモデルを展示。ヴィンテージモデルながらピックアップのポールピースは現在の弦高に合わせた高さになっており、弦ごとの音量差の心配がありません。ピックアップはイメージした年代に合わせ、何種類も用意されています。

貫禄充分なPベースは、歌ものに特にフィットするであろう音の詰まった密度の高いサウンドで、前にしっかり飛んできます。ストレスを感じさせない絶妙なセッティングで、いつまでも弾けます。

パーツは新品で仕入れ、自社でエイジングしています。

工場生産で新ブランド「So What」シリーズをリリース。

今夏リリース予定の「So What」シリーズは、「右用のギターなのに左用のボディ」という遊び心で仕上げた

  • GROOVEE BOY(左用ピックアップ)1V1T、ふつうピックガード
  • GROOVEE GIRL(右用ピックアップ)1V2T、オリジナルピックガード

という2モデルを展開します。写真のハイカラなギターはカラーサンプル。

GROOVEE BOYに搭載されている左用ピックアップ。5弦ポールピースが凹んでいて、4弦が突出する、まさにジミヘン仕様。このギターを弾くと、ジミ・ヘンドリクス氏がいかに偉大だったかが理解できる。ボリューム位置の穴は、製品版では空けられない。

ハイポジションを弾こうとするたびカッタウェイに阻まれるのには、謎の面白さを感じます。しかしカッタウェイ裏側をほんのり削るなど、演奏性への配慮も怠っていません。「2本目にどうですか?」 が基本コンセプト。初めてギターを手にした時のドキドキやワクワクが、そのまま蘇ってくるようなギターです。

ルネセイコウ

国産にこだわった椅子やテーブルをリリースしている「ルネセイコウ」。「ベストワークチェアシリーズ」は作業用チェアとして開発されたものでしたが、楽器演奏との相性もよいことで知られ、映画の小道具として使用されたこともあるほど。

このような「自分用の椅子」を機材に組み込むプレイヤーはじわじわ増えてきているそうです。座面の高さを無段階に調節できるので、特にウッドベース奏者にはおすすめ。ギターにおいても、椅子の高さは弾きやすさやステージでの見せ方に大きくかかわります。
(画像のタイプはヤマハ仕様・楽器演奏用高低可動折りたたみ椅子RST-RD)

GEN(GAKKI ENGINE OF NIPPON)

主に日本製エレキギターのメーカーが集まっている「GEN」のエリアでは、「国内のみならず、国境を超えた世界中の音楽愛好家に、 日本で創られるギター&ベースの素晴らしさを伝え、 注目してもらう」というGENのコンセプトにのっとった、野心的なギターが目立ちました。

オープン前のミーティング。全体ミーティングもあるんですが、その前にGENで集まっています。みなさん真剣な表情です。今日も一日がんばっていきましょう。

中京関西の各種学校が行う、「ギタークラフト甲子園」では、学生さんたちが気合を入れて作ったギターやベースを、GEN所属の職人さんたちがキビシーくチェックしていました。

Sugi Guitars(スギ・ギターズ)

Sugi Guitars:7弦ヘッド

満を持して発表された7弦ギターは、年間12本の限定生産。本体は軽く、ナロー気味のネック幅で実に弾きやすい。

内外での圧倒的な支持を誇る「Sugi Guitars(スギ・ギターズ)」。取材の間にもどんどん予約が集まっていきます。ブースでは、ギター・レジェンド杉本眞(すぎもと・まこと)御大が応対してくれました。だれかれ隔たりなく気軽に話してくださる御大の人柄に惚れて、スギのファンになったというユーザーも多くいます。

7弦ギターは2本展示。サドルは手加工で弦間ピッチを狭くしているそうです。敢えてのシンクロトレモロ採用には、杉本御大の深い考えが。

歪みの量に頼らず気持ちよく弾ける、とにかく全音域キレイな音でニヤニヤが止まらない。

「好きな設計で、きれいな7弦を作った」とのこと。現在ではヘヴィミュージックのイメージが強い7弦ギターですが、ほかのジャンルにも使用できるポテンシャルがあります。ブリッジの形式は後から改造しにくいこともあって、メーカーが提示しやすいポイントですが、シンクロトレモロモデルはいろんなジャンルで使いやすいのがメリットです。こういうことから「これを使ってくれる人たちがどんな音楽をやってくれるのか、楽しみにしています」。とのことでした。

レトロな雰囲気を持つ「Swingstar(スウィングスター)」。ここにも御大のこだわりが。

「”Rock Your Baby”という曲が大好きなんです。アンプ直でずっとカッティングなんですが、このサウンドが欲しくて作ったギターです」と杉本氏。実際はストラトキャスターを使っているのだが、同じでは味気ないし、トータルなイメージではこっちのほうがマッチする、という考えです。

御大ご自身のスマホで”Rock Your Baby”を聴かせてくれました。恐縮です。

「スギ」と言えば、クールなカラーリングも大きな魅力。このぐっつぐつなカラーは「マグマ」と名付けられています。しかし何でしょう、パッシブ5弦で奏でられる、この謎の美しい音は。

「ボワーンと音が逃げてしまうようでは、5弦の意味がありません。最初はアクティブにしたいというお客さんでも、特別に手元で調整したいという人以外、使ってみたらやっぱりプリアンプはいらないって言ってきます。これはSugiだけの技術ではなく、形状と重量でどこまでバランスをとるか、またこの楽器はどの音がいいだろうか、というところを時間をかけて探しながら、普通に作った結果です」と説明してくださる御大。

ローBの響きが大変クリアで、ローポジションだけで弾いていてもクッキリと明瞭に聞こえます。親指で弾く(日本では「いかりや長介奏法」)のも気持ちが良く、低音弦はハイポジションでも明瞭に響きます。

「マグマ」のジョイント部。昔はこうだった、というセットネック仕様です。非対称ヒールの形状は絶妙で、ハイポジ余裕です。

《将来ヴィンテージと呼ばれるギターを創りたい》Sugi Guitars 訪問インタビュー – エレキギター博士

Freedom Custom Guitar Research(フリーダムCGR)

昨年発表されたベーシックモデル「EZa(イーザ)」を構える深野社長。「新しいモデルは認知されてユーザーに広く受け入れられるようになるのに2~3年はかかる。EZaはいよいよそのサイクルに入ろうとしているように感じる」と語る。

100年保証を謳い、耐久性にもこだわりながらギター&ベース製造を行う「フリーダムCGR(Freedom Custom Guitar Research)」。今回の展示では新モデル「EZa」に関心が集まっていました。このモデルはダブルカッタウェイにボルトオンジョイントというオーソドックスなスタイルながら、弦長25インチを採用していることでストレスのない快適な弾き心地が得られます。

同社のギターでは最も求めやすい価格帯のモデルですが、たとえばブリッジは演奏性と音を考慮して、ブリッジベースとサドルは別のメーカーのものを自社で組み合わせて使用するなど、フリーダムとしての良いギターを提唱する姿勢は全く緩んでいません。

究極の一本を作るアプローチを常に探求していく:Freedom CGR訪問インタビュー – エレキギター博士

Bizen Works(ビゼン・ワークス)

定番機「グレイン」が好調な「ビゼン・ワークス」。今回はラップアラウンド型ブリッジを採用した、新しいモデル「BURNED(バーンド)」を発表。たとえるならスーツの似合うフォーマルなイメージを持つ定番機グレインに対し、こちらはアメカジが似合うイメージです。ラフなファッションで弾いてもかっこいい。USA「シュローダー」製ブリッジは、何社も取り寄せて検証し、機能と音で選んだという高級パーツです。

「古いギブソンのカスタムカラーが焼けた感じ」をイメージした、オリジナル塗装。

「60年代のペルハムブルーが焼けて、ちょっと変色した感じ」をイメージした特殊な塗装です。古い感じですが、傷や割れはつけられていません。ピックアップはアルニコIIを使用したオリジナルです。ほかネック、指板など基本的にはBizenのいつもの仕様で、全ポジションが弾きやすく、気持ちのい良い反応が得られるギターです。

ヘッド裏とネック根元の黒塗り「スティンガー」は50年代、木材のフシを隠すために施されたものです。塗りつぶしのギターにコレがあるのは本来ならあり得ないんですが、デザイン上のおもしろいアクセントになっています。

「ルックスから来るイメージそのまんま」の方向性で、さらに上を行っている音の良さがあり、とても気持ちよく弾けます。低域で押さない感じで軽やかなサウンドなのに、かつ芯がしっかりある印象で、いつまでもコードを弾いていたくなります。ボーカリストに持ってほしい。

《木で作る「音」。》Bizen Works訪問インタビュー – エレキギター博士

IHush Guitars(アイハッシュギターズ)

アイハッシュギターズ代表、井橋直樹(いはし・なおき)氏。木工から彫金まで全て一人で完遂します。握りや部品のオーダーは受けるが、信じた物しか作らない、職人気質を感じさせる美しいギターが、来場者の視線を奪います。

トラッドなスタイルに、アルミトップ+ホロウボディという独自構造、美しい彫金を特徴とする「アイハッシュギターズ(IHush Guitars)」。決して見た目だけではない、むしろ楽器のクオリティとサウンドにこそ魅力があります。


Strat Angel / for Neal Schon
かのニール・ショーン(ジャーニー所属)氏のために製作したストラトタイプ。この美しさとサウンドは、海外からも注目されています。

LPスタイルにバラの超金。フレイムメイプルのようなストライプをまず彫金、着色ののち図案を彫金、という手の施しよう。

Fホールはありませんが、これもボディを掘って空洞を持ったセミホロウ構造で、なかなかの軽量。トップの影響を感じさせる、ウォームかつ硬質なニュアンスのある、明瞭度の高いサウンドです。サスティンが非常に豊かで、会話レベルの音量でもフィードバックがかかるほど。クリーンも美しいですが、ドライブサウンドではアルミ由来の倍音がうまく働き、とても気持ちのよいザクザク感が。気軽には手に入れられない高級なギターですが、ロックで遠慮なくガスガス鳴らしたい。プッシュ/プッシュ式コイルタップが付いており、サウンドバリエーションも充分です。

Kz Guitar Works(ケーズ・ギターワークス)

メッセ2日前に出来たばかりだという2ピックアップモデルを構える、Kz社長の伊集院氏。ピックアップは従来品と同じルックスながら、新開発のミニハムバッカー仕様でレスポール・デラックスのイメージです。コイルタップ時のサウンドを狙い、内部には大小の異なるシングルコイルが組み込まれています。

ブリティッシュサウンドをキーワードに新しいスタンダードを提唱している「Kz Guitar Works(ケーズ・ギターワークス)」。定番モデル「Kz One Standard」には、カーブドトップ仕様機、FRT搭載機という新しいチャレンジも。「ストラトの弾き心地を求めて作った」という新機種「Kz ST」は、ミニスイッチONで強制的にリアハムバッカーになる、というシンプルかつ機能的な設計。基本構造はすべてKz One Standardを継承していながら、やはり「このモデルの音」があります。

クイーン(QUEEN)所属、ブライアン・メイ氏の代名詞「レッド・スペシャル」のレプリカ。コレで名曲「ボヘミアン・ラプソディ」のソロを弾く来場者も。

映画「ボヘミアン・ラプソディ」はやはり追い風になったようで、自社工場で作るカスタムライン、提携工場で生産するスタンダードラインともに好調です。

今回は、Kz Oneのイメージを継承したベースも登場。弦長は32インチ、ホンジュラスマホガニーのワンピースボディ。軽量でショートスケールなので、ギタリスト的にはとっても弾きやすい。

オールマホガニーという仕様から想像できる通りの、腰の高い明るいキャラクターを持ったベースです。パッシブ2V1Tで、ジャズベっぽくもハムバッカーのゴリゴリ行く感じも行ける、またプリップリの2フィンガーにもバッキバキのスラップにも良好な幅広さを持っています。押しつけがましくない暖かみのある音がしっかり前に出るので、特にロック系にフィットするイメージですが、やはりブリティッシュなサウンドを感じさせます。

《英国ゆずりの新しいスタンダード》Kz Guitar Works訪問インタビュー – エレキギター博士

D’s design(ディーズ・デザイン)

最新版「インセクト・ベース」を構える、D’s design代表の土居洋之(どい・ひろゆき)氏。自分がバンドで弾くためのベースを作ったことから始め、突き詰めて行く結果、他にはない個性と演奏性、そしてサウンドに行き着きました。

ボディと同じ形状のヘッド、四角いネックグリップなどオリジナリティがギラギラ光る「ディーズ・デザイン」。最新版の「インセクト・ベース」は、フレット数を「29」まで拡張、「ピックアップをスライドできる試験用ベース」を作り、「最も音の良いピックアップの場所」を探し当てたらちょっとブリッジ寄りだったから、とのことです。

一見スリムなボディですが低音側ホーンがしっかり長いなど重量バランスも考慮されており、ストラップで吊った時の収まり感がとても良好です。四角いネックはびっくりするほど違和感がなく、親指を出すのもひっこめるのもスムーズに移行できます。また、親指側がフラットだとチョーキングに有利です。新品なのにとにかく音が早く、指弾きでもピック弾きでも良好ですが、特にコレはピックで弾きたい。

「ギターで欲しい四角ネック加減はベースと違うから、ベースをそのまんま小さくするわけにはいきません。ギターについては只今研究中です」とのことで、今後が楽しみです。

T’s Guitars(ティーズ・ギターズ)

遂に登場、7弦ファンフレット仕様機。ビビッドなカラーリングのモデルが立ち並ぶティーズのブースにおいて、あえてのナチュラル仕上げは逆に際立った存在感です。

加工精度の高さと製品の美しさでプレイヤーを魅せる「ティーズ・ギターズ」。レギュラー生産となったシングルカッタウェイ仕様に加え、チューニングが狂わないブリッジ「エヴァーチューン」搭載機も展示。高橋社長が構えるのは、初めて製作したという7弦ファンフレット仕様機。「いつものティーズのやり方で作りました」と社長はおっしゃいますが、ティーズの「いつもの」がシビアな高精度加工だということは、ファンなら周知のことです。ニュートラル・ポイントを6フレットに設定、0.09からのヘヴィボトム弦でセットアップされ、BFTS(バジー・フェイトン・チューニングシステム)対応です。

ローBも含め全音域で均一な弦振動が得られ、低音弦にはピックをはじき返してくる張りの良さがある、こうしたファンフレットのメリットが、ティーズのクオリティで得られます。試奏用アンプが「コッホ(Koch)」だということもあって、ローBを駆使したゴリゴリのリフでラウドに鳴らす爽快感が得られました。クリーンでもドライブでも、作りたい音にアクセスできる、美しく響く柔軟性を持つ素直な音を持っています。やや幅広のネックは指がスイスイ進む絶妙なシェイプで、7弦ユーザーなら違和感なく弾けます。

やはりこのモデルへの関心は高いようです。スタッフさんの解説も真剣ですね。

「すべて」を意味する「OMNI」。サウンドに迫力とちょっとしたラウド感があり、スマートにもダーティーにもいける印象。

「ティーズらしさ」はベースでいうと、マルチに何でも使える、変に突出しない、そしてすべての音域がしっかりきれいに響く、ということに加え「精度」と「ネックグリップ」だとのことです。平たく薄い、ちょっと幅広、弦間ピッチ広めというネックは指が運びやすく、高低差のあるフレーズやギターとの高速ユニゾンなどテクニカルなプレイ、また派手なラテンなどに挑戦したくなります。

スタンダード路線を意識した電気系は、3年ほど前からオリジナルを採用。ローとミッドが特にしっかりかかるが、プリアンプばかりでは主張しない、本体のアイデンティティが主張する感じで、目的の音を作りやすい。

《一人ひとりに届けたい》T’s Guitars訪問インタビュー – エレキギター博士

Kino FACTORY / SOUND SPRITE(キノ・ファクトリー/サウンドスプライト)

カスタムモデルのレビュー記事で紹介した「キノ・ファクトリー」は、製品でコラボしている「サウンドスプライト」との共同出展。ヘッドのブランドロゴはターコイズを埋め込んでから文字を乗せる、個性的で美しい意匠です。

「キノ・ファクトリー」は長野県塩尻市を拠点とする、比較的新しいブランドです。一点ものハイエンドモデルのOEMなど、妥協のない仕事をこなしてきた工場だからこそ可能なクオリティ、野心と遊び心の両方を感じさせる意匠や設計で個性を主張します。また、株式会社トキワ(超高精度金属加工)、サウンドスプライト(独自技術セラミックコーティング)といった異業種とのコラボレーションで、エレキギターの新しい価値を打ち出しています。

現在のラインナップはソリッドボディ、ボルトオンジョイントのモデルがメインですが、左用のギターを何本も展示しており、こちらの分野での強さにも注目したいところ。

「”左用ギター専門”を名乗ってもいいくらい、レフティは作っています。レフティを作る場合、木工では治具が全部逆、電気回路ではノブを回す方向が逆、というように全てを反転させて作らなければなりません。右利きのスタッフにとっては、セットアップも大変です。しかし遂にブランドを立ち上げることができたので、面倒なことにもどんどんチャレンジしていきたいと思っています」と語る、代表の木下勇(きのした・ゆう)氏。

ゴールドとシルバーを組み合わせた金属パーツ、よそとは違った感じの新しいフィニッシュなど、外観にもこだわりを感じさせます。クリーンサウンドが抜群にきれいで、スコーンと前に飛んでくる明瞭なトーンはピッチ感が気持ちよく、各弦の音量バランスも秀逸です。

Kinoのテレキャスタータイプを愛用している左利きジャズギタリスト、武良匠(むら・たくみ)氏は、ブースでの解説にデモ演奏にと大忙し。

比較的オーソドックスなスタイルが主力ですが、ていねいに成形されたネックの感触が心地よく、超高精度に切削されたアルミフレームをネック内に仕込んだり、内部配線にセラミックコーティングを仕込んだりといった新しい設計は、「新しいもの好き」の心をくすぐります。写真右側のストラトタイプは50年代仕様をKino流にアップデートしたモデル。きつめのVネックは指板近くでCに移行、指板エッジの滑らかな処理も相まって、手になじみやすくチョーキングしやすい絶妙なシェイプです。ジョイントヒールの形状が工夫されておりハイポジションでの演奏にストレスがなく、ミニスイッチで疑似ハムバッカーのサウンドが得られます。

冒頭写真「jam」のポジションマーク。

同じく「jam」の操作系。ヘッドロゴ、指板ドット、コントロールノブの意匠を揃えるのがKino流のドレスアップ。

電池不使用のバッファー「箱」のヒットで知られる「サウンドスプライト」。独自技術「セラミックコーティング」を駆使し、楽器が本来持っていた音を逃がさずアウトプットさせることで、一皮むけたクッキリとしたサウンドを作ります。今回は「箱」を小型化してオーディオにも対応させた「小箱」、ケーブル、電源など多数展示。比べるとわかる未体験の明瞭度に、来場者も驚いていました。

ギター/ベースの音抜けをどんどん良くしていった結果、ボーカリストが取り残されてしまった、という経験はないでしょうか。特に音圧のあるバンドではボーカルの音抜けが望まれるところですが、今回は「箱」の機能をボーカルマイクに付加する装置「棒」も展示。救世主は、ここにいた。

Red House(レッドハウス)

名手ケリー・サイモン氏のシグネイチャーモデルで話題になっている「レッドハウス」は、今回が初出展。二日目にはご本人も来場し、圧巻のデモ演奏を披露しました。

今まで顧客からのオーダーのみ受け付けていた「レッドハウス」ですが、今年からはオリジナルモデルも展開していきます。「どのモデルも狙って作る」という姿勢で、材やパーツ、本体設計などの違いから各ギターのアイデンティティが作られています。

LPジュニアタイプ「パドルアウト」を構える社長、石橋良市(いしばし・りょういち)氏。パドルアウトはサーフィン用語で、のんびり進んでいこう、パドルしながら波の外に出ていこう、という意味合い。

現在の生産体制では、製品の最終チェックはすべて石橋氏自身が行います。写真のLPジュニアモデル「パドルアウト」は40年寝かされたホンジュラスマホガニーを贅沢に使用し、伝統的な構造に接着でニカワを使用、がっつりレリックを施して、重量は軽めでトラスロッドも軽量なものをセレクト。ほんの数日前に完成したばかりだとは信じがたいイイ感じの鳴り方で、思わずニヤける軽やかで気持ちの良い、コロコロいう中音域の立つサウンドです。重量バランスも秀逸で、座奏では脚の上にきちんと鎮座します。

繊維が細かくて粘性がしっかりあり、Vintage Gibsonの素材に酷似した特殊ナイロン製のナットを使用。

特殊ナイロン製ナットの作業性は極めて悪いが、欠ける心配のない強度があって摩耗にも強く、音の立ち上がりに貢献します。

石橋社長「Eコードを一発弾いてもらいたいです!」

左用モデルを積極的に展示しています。左ききプレイヤーとのコラボレーションで、レフティもしっかり作ることができます。

アッシュの木目を活かしたクールなPJベースはパッシブだが、トーンの効き方がとても良好。

たとえばこのベースはネックもサウンドもオーソドックスな素直なキャラクターですが、早いフレーズに挑戦しやすい適切なセットアップで、前に飛んでいく太く密度の高いサウンドを基本に、トーンの操作でキャラクターを大幅に変えられます。またオリジナルのピックアップはノイズに強く、しっかりとした出力があります。シンプルながらどんな場面でも活躍できる、いぶし銀の一本。

右用PJと左用Pベース。ブリッジやピックアップなど、モデルごとにパーツが選定されています。


続いてはアコースティックゾーン、ショップゾーンをのぞいていきます。

ライター:小林 健悟

エレキギター博士」 「アコースティックギター博士」で記事を書いています。 ギター教室もやっておりますので、興味のある方はぜひどうぞ☆ The Guitar Road 郡上八幡教室のページ  松栄堂楽器ミュージックスクエア岐南のページ 春日井音楽院のページ - ギター教室navi