はじめてのギターを見た目で選ぶメリット[記事公開日]2021年1月31日
[最終更新日]2021年01月31日
[ライター]柴田 将吾

ギターの選び方

昨今の新型コロナウイルスの流行により、外に遊びに行ったり友人と集まったり、ということも難しくなってしまいました。

そこで「自宅で手軽に始められる趣味はないものだろうか」とエレキギターに目をつけた方も多いことかと思います。

初めての一本を選ぶにあたって重要な要素としてはしばしば「弾きやすさ」や「音の好み」などが挙げられますが、本項では思い切って見た目で選んじゃってもいいんじゃないか、というご提案をさせて頂きます。

90%の初心者が1年以内にギターを辞めてしまう

ギターを販売するメーカー/ブランドは世の中に星の数ほどあります。

その中でも世界で初めてソリッドボディのエレクトリックギター(アコースティックギターのように中が空洞でない、いわゆる普通のエレキギターのことです)を製造し、1946年の創業から現在に至るまでビギナー・プロ問わず幅広い層からの支持を受けているのが、アメリカのフェンダー社です。

同じく屈指の企業とされるギブソン社と双璧をなすと言われるフェンダー社ですが、ギターを始めようとしたばかりの方であってもその名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

そのフェンダー社のCEOであるAndy Moony氏による2019年のデータを参照してみると、フェンダーが1年間に販売するギターのうちの45%は初心者に購入されており、なおかつそのうちの90%が1年以内にギターをやめてしまう(!)、とのことです。

「昔ギターをやろうと思って買ったけど、早々にリタイアしてインテリアになっちゃった」という方も、もしかしたら皆さんの身近にいらっしゃるかもしれません。

ピアノやバイオリンなどと比べてギターは安価な楽器ではありますが、それでも始めるにあたって数万円はかかってしまいますし、今から始める皆さんは、度合いの違いはあれ上手くなりたい!とお思いのはず。

始めたばかりの頃は効率的な練習方法やわかりやすい教則本を探すことに気を取られてしまいがちですが、その前に、上記のデータからも分かるように、まず「続ける」こと自体がとても難しいことなのです。

続けることが大切

ギターの上達を目指すにあたって何よりまず大前提として必要なことは、「ギターを続ける」ことです。

当たり前の話ですが、やめてしまえば上手くなることももちろんありませんから、まずギターに触れ続け、練習の機会を失わないことがとても大切なわけです。

そして前述の通り、それをクリアできずにほとんどの人がギターを辞めてしまう、ということについてもお分かりいただけたことと思います。

逆に言えば、ダラダラ練習してても1日1分しか触らなくても、続けられたならそれは本当にたいしたもの、というわけです。

何度も繰り返しになってしまいますが、「まず続ける」こと、これが非常に大切です。

もちろん、ギターを始めてみて「なんかこの楽器違うかも」、「やっぱ他の楽器やってみたい!」などの理由で辞めるのは何も悪いことではありません(この理由なら悪い、という理由なんてありませんが)。

趣味なのですから、嫌な気持ちや退屈な気持ちにしかならないのならばすっぱり辞めてしまっていいと思いますし、そうすべきだと思います。

ですが、ギターをカッコよく弾きこなすミュージシャンを見て「自分もこうなりたい!」と日々夢想しているのに、いざ始めてみるとなかなか続かずに挫折してしまい、ついにはギターに対してコンプレックスを抱くようになってしまう…なんてことは非常に寂しいですし勿体ないなと、いちギターを愛する者として思うのです。

ギターを続けるためには

それでは、どんな形であれギターを続けるには何が大切なのか?

それは、「ギターに対してポジティブなイメージを持ち続ける」ことです。

具体的に言えば、ギターに対して「面倒臭い」「難しいし嫌だ」というネガティブな印象ではなく、「弾きたい!」「楽しい!」という気持ちを常に持てるようにする、ということです。

何事においてもそうであるように、ギターにおいても「継続は力なり」です。とにかく1日に5分でもいいからギターに触ること、上達の為にはこれが鍵になります。

どんな効率のいい練習方法を知っていても、ギターを触らなければそれを実践することはできないのです。

だからこそ、ギターに触りたいと思えるモチベーションの維持、これが肝要になってくるわけです。

そのためには、

  • ギターを目につきやすい場所に置いたり
  • 憧れのギタリストがステージでギターを弾きこなす映像を観てみたり
  • いずれ弾きたい曲を聞いてみたり

などなど様々な方法があるとは思いますが、「買ったギターそのものに愛着が抱けるかどうか」というポイントも見逃すことはできません。

ここで冒頭の「見た目で選べ!」に繋がってくるわけですね。

《初心者必見!》ギターの種類と選び方 – エレキギター博士

見た目で選ぶことのメリット

さて、本題にやっと入れますね。

ギターを見た目で選ぶと、そうでない場合と比べてギターに対するモチベーションが維持しやすいのではないか、というのが本項での主張です。

音の良さや楽器としての質、弾きやすさももちろん大切な要素です。

これらをまったくないがしろにして選んでしまうと、場合によってはあまりにも弾きにくかったりノイズが出てしまったり、上述の「モチベーションの維持」にも関わってきますから、軽視すべきではないでしょう。

しかし、気に入った見た目のギターを買うということは、もしかすると、弾きやすさや音に多少の不満があってもそれらのマイナスポイントを吹き飛ばしてくれるくらいのモチベーションを向上させる効果があるのではないか、と私は考えます。

例え知識が豊富なギターショップの店員さんや知り合いのギタリストが「弾きやすいし音もいいしコストパフォーマンスに優れている」というお墨付きをくれたギターだとしても、自分が気に入ったギターでなければなかなか弾く気にもなれないのではないでしょうか。

もちろんギターを今から始めようと思っている方は、どうやってギターを選べばいいのか、右も左もわからない状態であるわけですから、「あっちのギターのほうがカッコいいけどやっぱり経験者の意見に従っておくのがいいんじゃないかな…」とお思いになって、本当に気に入ったギターへの気持ちを振り切って、勧められたモデルを買うこともあるでしょう。

もちろん、それはそれで十分アリな選択だと思います。

そのギターを弾いていくうちに新たな魅力を発見できたり、ある程度ギターという楽器に慣れ親しんできたら、「あっ、このギターって本当にいい音がするんだな!」と気付けたり。それはそれでめちゃくちゃ楽しいです。

ですが、買ってからしばらく経ってもそのギターに愛着を持てなかったらどうでしょうか。自分の心はギターから遠ざかってしまうばかりですよね。

練習の機会も少なくなり、上達からは程遠くなってしまいます。

だからこそ、見た目で選ぶべきなのです。

愛着の持てるギターであれば、自然と手に取る機会も多くなるでしょうし、このコードやフレーズが弾けない…と苦悶するときにも、「このギターを弾きこなしてやりたい!頑張るぞ!」という気持ちに持っていけるはずです。

楽器というものは音楽を奏でる「道具」であるのと同時に、持っている人の所有欲を満たしてくれる「コレクターズアイテム」としての側面もあります。

世の中にはギターが全く、ないしはほとんど弾けないのにも関わらずギターを買い集めている人もいるくらいですから、そういったギターとの関わり方も十分にアリなわけです。

ギターを「道具」としての側面のみから捉えてしまうと「弾きやすさ」や「コストパフォーマンスの高さ」で選んでしまいがちですが、道具として使うだけでなく、ギターを肴に酒を飲んだっていいし、ギターと添い寝したっていいんです。

ちょっと話が逸れてしまいましたね。

とは言っても、まだギターを触ったことのない方にはちょっと分かりにくいと思うので、自動車の教習所でたとえてみましょう。

普通の自動車教習所にある車と言えば、無味乾燥な、まさに教習専用、といった感じの車ばかりですよね。

もちろん乗るにあたって性能は十分ですし、それらの車で運転技術を向上させることも当たり前ながら可能なわけですが、それでも多くの人は教習所に通うことに対してちょっと面倒だなー、というようなイメージをどうしても持ちがちです。

ですが、もし教習で乗れる車がランボルギーニやフェラーリなどの超高級車だったり、昔のボンド映画のような趣あるクラシックカーだったらどうでしょうか?

ちょっとワクワクしますよね。教習所に行って車に乗ること(ギターを手にとって練習すること)が楽しくなれば、運転技術(演奏技術)もグングン伸びていく、というわけです。

実際には傷つけてしまわないかヒヤヒヤものだとは思いますが(笑)、あくま例え話としてお考えください。なるほど、と思って頂けた方がもしいれば嬉しいです。

まとめ

そんなわけで、効率的・画期的な練習方法を用意する前にまずギターに日々触り続けることが大事で、でもそれってめっちゃ難しいことだから、単にギターを頑張ろうとするのではなく、モチベーションを維持する努力をするのも大切、そしてそれには自分の好きなギターを選ぶことが一役買ってくれますよ、というのがこの記事のおおまかな主旨です。

もちろん、見た目でなくてもいいんです。音に惚れてしまったり、持ったときになんかしっくりきたり、「このギターとなら頑張れる!」と思えるギターを選ぶことが大切です。

かなりの独断と偏見に基づいた本記事ですが、皆さんのギター選びのお役に立てるとするならそれほど嬉しいことはありません。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ライター:柴田 将吾