アコースティックギター弦「Martin M140 80/20 BRONZE Light」使用レビュー[記事公開日]2022年3月30日
[最終更新日]2022年03月30日
[ライター]ソロモンの 猫

今回は数あるマーチン弦の中でも最もオーソドックスなモデル「Martin M140 80/20 BRONZE Light」の使用レビューを書いていきたいと思います。

 

前回は「Martin MA140 80/20 BRONZE Light」のレビューを書いたので、「MA140」と「M140」の違いに焦点を当てて今回は書いていきたいと思います。

 

 

 

「M140」と「MA140」何が違うの?

定番のマーチンの弦を買いに楽器屋さんに行くと、沢山の種類の弦が販売されています。

マーチンのLightゲージで「M140」と「MA140」の2つが並んでいますが、これは何が違うのでしょうか。

簡単に説明すると、ずっと昔からある一番スタンダードなマーチン弦が「M140」(画像左)で、元々あったマーチン弦を「AUTHENTIC ACUSTIC」という新シリーズでリニューアルしたものが「MA140」(画像右)になります。

 

 

一番のスタンダード弦、M140

 

旧パッケージ       新パッケージ

 

 

 

新しいスタンダード弦、MA140

こちらのMA140は旧タイプのM140とSP弦を合わせたものなのです。

MA140のパッケージに小さく「SP ・SUPERIOR PERFOMANCE」の記載があるのはその為ですね。

 

SP弦とは、製造過程で生まれるムラを極限まで減らしていて、通常の弦よりもサスティーンが非常に綺麗で、耐久性も高くなるよう作られています。

つまり、王道のマーチン弦「M140」にSP弦の煌びやかさや耐久性を混ぜ合わせた新モデルが「MA140」ということになります。

 

MA140の使用レビューは別の記事で詳しく書いていますので、よろしければこちらも併せてお読み下さい。

▶︎アコースティックギター弦「Martin MA140 80/20 BRONZE Light」使用レビュー

 

 

「Martin M140 80/20 BRONZE Light」

今回はこの最もスタンダードなモデル「Martin M140 80/20 BRONZE Lightについてレビューを書いていきたいと思います。

 

ゲージはLightゲージで、弦の太さは

 

1弦:012 INCH/0.30 MM

2弦:016 INCH/0.41 MM

3弦:025 INCH/0.64 MM

4弦:032 INCH/0.81 MM

5弦:042 INCH/1.07 MM

6弦:054 INCH/1.37 MM

 

となっています。

これはMA140も全く同じです。

 

開封すると1〜6弦まで個別で袋に入っています。

 

 

6弦                      1弦

 

 

今回もアコギの定番、マーチンD28にこちらの弦を張ってみました。

 

弦の見た目は「MA140」と「M140」は殆ど同じで、正直見分けが付きません。

「M140」を買おうとしていたのに、「MA140」を買って知らずに使っていたということが普通に起こりそうです。

 

 

・音質、弾いてみた感想

「Martin M140 80/20 BRONZE Light」はMA140に比べると、やはり音が少し大人しい印象です。

SP弦を合わせたというMA140の方がサスティーンも豊かで、音が煌びやか。

M140は可もなく不可もなくといったサウンドではありますが、ストロークにもアルペジオにもとても使いやすいです。

 

張りたての状態で既に、MA140よりも全体的に音が大人しいです。

派手な音が好みの方はやはりMA140の方が好きかもしれません。

しばらく弾き込んでいくと、M140もMA140も音の煌びやかさは徐々に失われていきますが、M140の方が煌びやかさが失われるのは少し早い印象でしたが、正直そこまで大きな差はないと思います。

 

マーチンD28は元々鳴りの良いギターなので、MA140だと少しサスティーンがうるさすぎる気がしました。

個人的にはM140を張っている時の方が扱いやすいです。

 

指引きのアルペジオなどは、MA140くらいサスティーンが豊かだと気持ち良いですが、ストロークではちょっとシャリシャリしすぎな気もします。

その点、M140はMA140ほどの派手さはないですが、かなりバランスが良い音です。

 

M140とMA140どちらを買うかで迷った場合、どのような音が欲しいかで決めるのが良いでしょう。

 

M140…全てのマーチン弦の標準となる音。高音から低音までとてもバランスが良い

MA140…M140に煌びやかさ、明るさをプラスした感じ。ストロークでは少しシャリシャリしたサウンド

・弦の寿命

MA140はM140耐久性をよりアップさせているとのことだったので、実際、どれほど弦の寿命が違うか実験してみました。

 

まずM140をマーチンD28に張り、レコーディングやライブ、練習などを行ったところ、ライブ2回(リハを含み1回2~3時間程度)とレコーディング2回(1回あたり2~3時間)を使ったくらいで、弦に劣化が見られ始めました。

弦を張ってから25~6日で3弦が少し剥がれてきていました。

アコギで一番最初に劣化が見られるのは3弦ですし、一番切れやすいのも3弦です。

「ギターが上手い人は低音もしっかり鳴らすので5,6弦を切る」なんて話も耳にしますが、ストロークした時に一番当たるのはどう考えても3弦ですし、芯線の太さで比較すると、実は1弦よりも3弦の方が細いのです。

 

これに対して、MA140はどれくらい長持ちしたのかというと、実際のところ殆ど変わりありませんでした。

MA140は弦を張ってから約2週間。3時間程度弾くことが4~5回あったところで、弦に少し劣化が見られ始めました。

どちらも15時間~20時間弾くと、3弦に劣化が見られました。

 

ストロークで弾いている分には殆ど支障ないですが、アルペジオなどの単音の場合は、3弦の音がポジションによってはビビります。

弾く頻度にもよりますが、どちらも1ヶ月に1回はきちんと弦を交換した方が良さそうです。

 

条件をきちんと揃えた正確な実験では決してありませんが、少なくともMA140の方がM140よりも圧倒的に長持ちするということはないことがわかりました。

MA140の方がM140よりやや値段も高いので、もう少しMA140には長持ちして欲しかったのですが、M140と耐久性は大差ないようです。

そう考えると、どちらを選ぶかはもう音の好みでしょう。

 

 

まとめ

M140…マーチン弦のスタンダード。音のバランスが良く使いやすい。値段も一番安い。コスパで選ぶなら間違いなくこれ。

MA140…M140にSP弦を合わせたもの。M140に比べると明るい音色でサスティーンが豊か。派手な音が好きならこっち。

 

まずは一番スタンダードなM140を使ってみて、物足りなさを感じたらMA140にすると良いと思います。

M140よりMA140の方が好みの方は、煌びやかな音が好きな方だと思うので、フォスファーブロンズの弦を選んでみるのもオススメです。(ブロンズ弦よりフォスファーブロンズの方が音が煌びやかです)

ストロークを殆どしない、指のアルペジオで弾くことが多いという方はMA140の方が合うと思います。

 

耐久性はどちらも大差ないので、「とにかく長持ちする弦を選びたい」という方にはどちらもオススメ出来ません。

 

個人的にM140は初心者からプロまで、ライブ、レコーディング、あらゆる用途に対応できる素晴らしい弦だと思います。

コスパも良いですし、変な癖もなく、良いギターに張ればそれだけで即戦力の音が出せます。

初心者の方は特にこの弦からスタートして、自分の好みの弦を見つけてみてはいかがでしょうか。

ライター:ソロモンの 猫

法政大学文学部日本文学科卒業。大学在学中、小説、詩、文章の書き方を学ぶ。2020年よりフリーライターとして音楽をメインに幅広いジャンルの記事を執筆中。 @soromonnoneko