先日、「アコギのボディタイプとサイズについて」という記事を上梓しました。普通のサイズのギターとはいえ、いろいろな大きさのボディがあるのですが、「1インチとか、そんなに違うの?」というあなた。ごもっともです。
というわけでありまして、私がレッスンをしている松栄堂楽器県庁前店の生徒の皆さん、および店頭のスタッフさんにご協力いただきまして、
「いろんな身長の人が、いろんなギターを構えるとどうなるか」
を検証してみました。同じ先生に習っているとはいえ、構え方は自分なりに弾きやすいところに落ち着き、人それぞれです。構え方によって同じギターでも印象はさまざまで、そういった構え方の癖も考慮して検証するなど、突き詰めていけばかなり深みのあるテーマですが、今回はライトに行ってみます。
今回こちらが用意したのは、こちらの三本です。
手前:ドレッドノートタイプ:YAMAHA FG
中央:J-200タイプ:タカミネNPT
奥:00タイプ:モーリスF-20
並べてみると、何となくタカミネはでっかくて、モーリスは若干小さめかな、という印象ですね。それでは行ってみましょう。ポイントは右肩の上がり方です。
まずは小学5年生のSさん。愛用のギターは、モーリスのドレッドノートです。
小学校入学とともにギタレレで練習し、4年生でふつうサイズにステップアップしました。やはり弦長があるので、1音下げチューニングで2カポをノーマルとして弾いています。
さすがにふつうサイズはでっかいですね。座って弾く時には、くびれ部分に右腕が乗っかります。
00タイプだと、ボディ最大幅のところに右手が落ち着きます。
ドレッドノートでは、肘と肩がほぼ同じ高さ。けっこうぎりぎりです。
本人はノリノリですが、17インチではかなり窮屈な印象ですね。
次は、パン工房勤務のIさんです。
愛機はIbanezのフォークタイプですが、コンパクトなボディでうまく身体にフィットしています。
00タイプでは右肘にかなりのゆとりが。右肘がボディトップより前に出るか出ないかは人それぞれだと思っています。
ドレッドノートはかなり大きい印象です。まっすぐ座ろうとしてもちょっと体は傾きます。
17インチサイズはかなり窮屈な印象です。しかし開放弦にまで手は届きますから、頑張れば問題なく弾けます。
続いて、小学6年生のMさん。愛用の楽器はS.ヤイリのD-15コピーで、通常のドレッドノートより若干小さめなボディです。
オープンコードは、がんばって手を届かせる感じです。
00タイプになると、圧迫感がなくなりますね。肩もラクそうです。
ドレッドノートはでっかい印象ですが、愛機と近い形状なためか、すっきりと収まっています。
17インチもまあまあ大丈夫。ボディ最大幅付近に右肘が届きます。
次は学校教諭のKさんです。愛機はYAMAHAのLシリーズで、最近の多層ネックのものです。ボディトップを垂直に立てるフォームを心掛けているため、いつもの愛機でも右肩はかなり上がっています。
00タイプだとかなりラクに感じたそうで、次に買うならこのサイズだと決心したとか。
ドレッドノートは愛用の楽器とほぼ同サイズ。しかしくびれ部分のボリュームから若干窮屈に感じたそうです。
17インチも問題なく演奏できますが、まっすぐに座るのは難しく、ラクではないようです。
175センチは、だいたいアメリカ人成人男性の平均身長くらいです。
店頭スタッフのDさんにも手伝ってもらいました。Dさんは店舗ブログ「燃えよギター」担当で、軽妙な独特の論調に定評があります。
参考:燃えよギター
00タイプがかなり小さく感じませんか?右肩の下がり具合が注目するポイントです。
ドレッドノートも余裕です。実はDさんはギターが弾けないので、何となくコードっぽいものを押さえてる感じで構えていただいております。
17インチもちゃんと収まっています。まっすぐ座れていますね。
来ました。巨人。顔をお見せできないのが残念でならないイケメン会社員Kさんはエレキギターの生徒さんで、リッケンバッカー330を愛用。
00タイプでは、ちょっと大きめのミニギターにも見えるサイズ感です。体を預けるというよりは、抱え込んで演奏する感じです。
ドレッドノートも軽々ですね。アコギの生徒さんはこういう場合開放弦付近を持ちたがりますが、エレキの生徒さんは7~9フレットあたりがしっくりくるようです。
17インチも全く問題ありません。見よ、この肩の余裕。
150センチ以上の身長があれば、憧れのJ-200を構えても十分演奏できそうだということが分かります。「日本人の体形に合わせたコンパクトな取り回しの良いボディサイズ」のようなフレーズを散見しますが、だからといって大きなギターを我慢しなくていいのです。
しかし「肩がラク」というのは大きなアドバンテージで、右手のリラックス感に影響するようです。「四十肩」という言葉があるように、年齢によっては生命線にもなりえます。ちなみに私の生徒さんの中では、ドレッドノート派がほぼ半数、残りの半分では000(トリプルオー)近辺が多数派で、17インチのオーナーはいません。
今回はボディ幅のみの検証でしたが、実際には厚みやくびれの形状、ボディバックの形状などさまざまな要素で抱えやすさが変わります。抱き心地の違うギターに持ち替えると、無意識に構え方やプレイスタイルが変わりますから、いろんなタイプのギターを試すのは面白いですよ。
ライター:小林 健悟
「エレキギター博士」 「アコースティックギター博士」で記事を書いています。 ギター教室もやっておりますので、興味のある方はぜひどうぞ☆ The Guitar Road 郡上八幡教室のページ 松栄堂楽器ミュージックスクエア岐南のページ 春日井音楽院のページ - ギター教室navi
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com
guitarhakase.com