変拍子といえば、真っ先にプログレッシブロック的なものをイメージします。他にもReturn To Foreverのような路線を受け継いだフュージョン系のインストには、変拍子が効果的に使われているものも多々あります。今回はそんな、激しい変拍子が印象的なギターインスト楽曲を5曲まとめてみました。
ジェフ・ベックの曲の中でもテーマが最も難しいであろう一曲。ギターが16分音符を繰り返しながら徐々に上昇していき、その後に和音の下降が現れるという一貫した流れながら、異様な緊張感があります。その緊張感を高める役割として、9/8が効果的に使われています。
「Led Boots」や「Blue Wind」など、他にも彼の代表曲には変拍子が多いですね。
元々はドラマー、トニー・ウィリアムスのバンドのために作曲された一曲。アラン・ホールズワースの名演で有名になりました。
Allan Holdsworth “Proto Cosmos”のYoutube動画はこちらから
2/4と3/4が入り乱れて登場するエグい拍子のみならず、コード進行も極めて独特で、コンテンポラリー系の先鞭的な位置づけのナンバーでもあります。Greg Howeが弾いているバージョンも有名。
Stevie Wonder – songs in the key of life
スティーヴィー・ワンダーがギターインスト?と思われる人も多いと思いますが、名盤「Key Of Life」に収められたこのナンバーは紛れもなくギターインストです。
Stevie Wonder – ContusionのYoutube動画はこちらから
5/4があちこちに挟まる変拍子と、独特のコード進行で、アルバム内でも異様を誇る一曲。こちらもRichie KotzenとGreg Howeのものが有名で、雰囲気の柔らかい原曲を完全に攻撃的なインストへと変貌せしめています。
こちらは筆者が個人的に弾いたもの。よろしければご覧下さい。
のっけから超絶ユニゾンが炸裂するフュージョンの名曲。速いフレーズのユニゾンや、頻繁に登場する難しいキメが圧巻です。バンドの演奏力が桁外れでないと、まともに演奏出来ない一曲。その点において、この中で最もJ-Fusion的な一曲と言えるでしょう。
Lee Ritenour – Captain FingersのYoutube動画はこちらから
録音の際には、バンドでの演奏をそのままレコードに落としたという驚愕のエピソードが知られています。
最後は少し毛色が違いますが、やはり変拍子というとこのバンドを避けては語れないであろう、プログレッシブ・ロックの大御所キング・クリムゾン。ロバート・フリップのギターリフが、螺旋階段を上るようにじわじわ突き進む、タンクのような一曲です。3人とは思えない鬼気迫る迫力は、同世代のロックバンドの中でも頭一つ抜けている感があります。
Red – King CrimsonのYoutube動画はこちらから
ロック史上のインスト名曲として、色々なアーティストがカバーしています。YouTubeにはジョー・サトリアーニ、スティーヴ・ヴァイが共演しているものも。
予測不能の緊張感を与えられるのが変拍子の特徴です。実際に演奏するとなると大変この上ないですが(筆者もドリーム・シアターのコピーバンドで大変な思いをしたことがあります 汗)、聴いているとこれが気持ちよくもなってくる、不思議な魅力があります。あまり知らないという方は色々聴いてみてはいかがでしょうか。
ライター:森多 健司
新大阪駅、西中島南方駅より徒歩10分のギター教室「森多ギター教室」主催。安価な受講料で、初心者から中級・上級者まで幅広くニーズにお応えします。 森多ギター教室のページ – ギター教室navi
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