フロアタイプ・プリアンプ特集[記事公開日]2015年12月23日
[最終更新日]2017年11月23日
[ライター]森多 健司

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意気込んでエフェクターボードを持ち込んで、いざスタジオへ!…ところが、音を作ろうとした矢先に、常設アンプのショボさにフラストレーションが溜まった経験のある方は少なくないでしょう。いくらエフェクターが良くても、肝心のアンプがダメでは話になりません。個人的にマーシャルは特に酷い場合が多いと感じます。

そんなときに、エフェクターボードに忍ばせておくと安心なのが、フロアタイプのプリアンプ。そのまま歪みエフェクターのようにアンプのインプットに直接挿すも良し、アンプのリターン端子に接続するも良し、一つあると安心です。

プリアンプとは

ギターアンプはプリ部とパワー部の2箇所から成り立っており、プリ部は主に音を作り込む場所、パワー部はそれを増幅する場所です。昔のマーシャルなどはパワー部の影響が無視できないわけですが、現在ではほとんどがプリ部で音を完成させるのが主流です。つまりそのプリ部分のみ自分の機材に組み入れてしまうことで、常に安定した音質を得ることができるということになります。

スタジオやライブで備え付けのアンプに繋ぐ場合、SendReturn端子のReturn部分に繋ぐことで、アンプのプリ部をスルーしてしまうという接続法が一般的です。

フロアタイプ・プリアンプ5選

おすすめのフロアタイプ。プリアンプを5種類セレクトしてみました。サウンドキャラクターやサイズ、価格など、各社さまざまなものが出ているので、希望に近いものがきっと見つかるはずです。

Hughes & Kettner Tubeman II

この手の製品では老舗の一つ。真空管を1本内蔵しており、Tubemanの名称はそこから来ています。いわゆるH&Kの硬質なサウンドがそのまま得られる逸品で、クーン、クランチ、リードと3チャンネル仕様に各チャンネルごとにボリュームを設定でき、マスターボリューム、3バンドEQというベーシックなコントロールを持ちます。特にクリーン、クランチは透明感溢れるサウンドで、根強い人気のあるモデルです。

Hughes&Kettner TUBEMAN MKII – Supernice!エフェクター

Koch Pedaltone PDT-4

オランダ発のアンプブランドKochのロングセラーモデル。2チャンネルですが、ブースト機能付きで実質3チャンネルとして使用可能。バッキングとリード用に別個にボリューム、ゲインも設定でき、ペダルで切替できます。それに加えて、このモデルの最大の特徴となるのが、真空管を使った0.5Wのパワーアンプ機能でトランジスタアンプに真空管的なサチュレーションを与えることができるところ。その多機能、使い勝手の良さは特筆でき、長い間人気があるのも頷けるモデルです。ただ、筐体のでかさと重さも相当なもので、電車であれば移動にカートが欲しくなるでしょう。

Koch 63’OD/Superlead

おなじくKochの比較的新しいモデル。上記のPedaltoneが大きすぎると言われたのか、こちらはかなり小型のモデルとなっています。63’ODの方は昔のFenderに狙いを付けたオールドなドライブサウンド、かたやSuperleadは広いゲイン幅を持つモダンな音色のモデルです。クリーンとドライブの2チャンネル仕様に、ブースト機能付き。Kochサウンドはそのままに大きさが縮小された上、9vエフェクターへの電源供給機能やFXループなど、かゆいところに目が届き、大変使いやすいモデルです。

Koch 63’OD – Supernice!エフェクター
Koch Super Lead – Supernice!エフェクター

ALBIT A3GP Mark II

ベース用プリアンプで有名なALBITのギター用モデル。安価で小型軽量のなかに真空管搭載でねばっこいドライブトーンを実現しています。3チャンネル仕様であり、Crunch/Leadのみ一つのスイッチで切替えるようになっています。幾分変わったEQの設定方法を採用しており、自在に設定するにはやや慣れが必要。通常のエフェクター並みのサイズ内にTuner Out、FX Loopを備える上、Sendのレベルまで設定できるという至れり尽くせりな仕様は、ベース用で培った技術の賜物か。エフェクターボードに組み込んで、旗艦的存在として威力を発揮しそうです。

ALBIT A3GP MARKII – Supernice!エフェクター

ORANGE Bax Bangeetar Guitar Pre-EQ

ブリティッシュアンプの雄、Orangeが満を持して発売したフロア型プリアンプ。上に挙げてきたものと違うのは、通常のドライブペダルとしての使用も想定されているところ。それゆえに9V電池でさえ稼働できるのはありがたいところです。音色は非常にアンプに近いサチュレーション、エッヂの立ち方で、まさにOrangeアンプそのものといったジャキッとした音が得られます。EQはMidの設定の自由度が非常に高いので、質感もこだわることが出来、Gain幅も非常に広く、ハードロックぐらいまでならカバーできそうです。チャンネル切替式ではなく、OnOff切替、およびブースト付き。

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代表的なモデルを網羅してみました。その性格上、エフェクターよりはアンプのメーカーからたくさん製品がでています。これ以外にも数多く存在しますので、状態の悪いアンプに辟易している方は、一度試してみては如何でしょうか。

プリアンプ・エフェクター一覧 – Supernice!エフェクター

ライター:森多 健司

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