「バキッ」といく前に!ギター落下防止アイテムの選び方[記事公開日]2026年2月22日
[最終更新日]2026年02月22日
[ライター]ぎたじょのR.

「ガシャン!……バキッ」これは私が過去にライブハウスの楽屋で聞いた、一生忘れられない音です。対バンのギタリストが、立ってチューニングをしようとした瞬間、ストラップがピンから外れ、愛用のレスポールがコンクリートの床にヘッドから落下。ネックは見事に折れてしまい、その場の空気は凍りつきました。本人は膝から崩れ落ちていました。

「自分は大丈夫!」

「まだ新品のストラップだから平気」そう思っていませんか?

実は、ギターの落下事故は初心者にこそ多いトラブルです。今回は、悲劇を未然に防ぐための「落下防止アイテム(ストラップロック)」について、その重要性と正しい選び方を徹底解説します。数百円〜数千円の投資で、あなたの大切な相棒を守りましょう。

ギターが落下する主な原因

なぜ、しっかりと掛かっているように見えるストラップが外れてしまうのでしょうか。主な原因は以下の3点です。

1. ストラップ穴の経年劣化と広がり

革や化学繊維で作られているストラップの「穴」は、使用するにつれて徐々に柔らかくなり、広がっていきます。着脱を繰り返すことで穴の切れ込みが緩くなり、少しの力でピンから抜けてしまう状態になります。

2. ストラップピンの形状

ギター本体に付いている「ピン」の形状は、メーカーによって異なります。特にヴィンテージタイプや、傘の部分が小さいピンの場合、ストラップを引っ掛ける「かかり」が浅いため、少し角度がつくだけでスルッと抜けてしまいます。

3. 動いた拍子に外れる

立って演奏していると、ギターのネックを上げたり下げたりしますよね。その際、ストラップがねじれたり、ピンに対して垂直以外の力が加わったりします。
特に初心者のうちは、体の使い方が定まっていないため、予期せぬ方向に力が加わり、「えっ、今?」というタイミングで外れることが多いのです。

ギターの落下防止アイテムとは?

「落下防止アイテム(一般的にストラップロックと呼ばれます)」とは、ストラップがピンから物理的に外れないように固定するパーツのことです。

付けることで何が変わるのか?

最大のメリットは「演奏への集中力」です。
これを使っていないと、無意識のうちに「外れるかもしれない」という不安から、左手で常にネックを支えるようなフォームになってしまいます。ロックピンを導入することで、手を離しても絶対に落ちないという安心感が生まれ、運指やピッキングに100%集中できるようになります。

初心者ほど必要な理由

上級者は、ストラップが外れそうになる感覚を察知して瞬時に手で支えることができますが、初心者にその余裕はありません。外れた瞬間、パニックになってギターを落としてしまいます。だからこそ、技術でカバーできない部分を道具で補う必要があるのです。

主な落下防止アイテムの種類

落下防止アイテムには、手軽なものから本格的なものまで主に3つのタイプがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

1. ラバーワッシャー(ゴムリング)タイプ

【特徴】
ストラップの上から、500円玉くらいのゴム製リングをはめ込んで固定するタイプです。
【メリット】

  • 安い:2個入りで数百円程度と非常に安価です。
  • 加工不要:工具を使わず、手で取り付けるだけです。
    【注意点】
    着脱がしにくいため、「ケースにしまう時に毎回ストラップを外す」という人には不向きです。

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2. クリップ/ディスク(後付け)タイプ

【特徴】
硬質プラスチック製の円盤を回してロックするタイプなどがあります(Jim Dunlopの「Lok Strap」などが有名)。
【メリット】

  • 手軽:ギター本体の改造なしで、比較的強固に固定できます。
  • 再利用可能:着脱が容易なので、複数のストラップで使い回せます。
    【注意点】
    プラスチック製のため、経年劣化で割れることがあります。また、製品によっては厚みがあり、ストラップピンの長さが足りなくなる場合があります。

3. 金属製ストラップロック(ピン交換)タイプ

【特徴】
ギター本体のピンを専用の金具に交換し、ストラップ側にも金具を取り付けて「カチッ」と機械的に連結させるタイプです(Schallerの「S-Locks」が業界標準)。
【メリット】

  • 最強の固定力:金属同士で噛み合うため、絶対に外れません。
  • ワンタッチ着脱:ボタン一つで着脱できるため、片付けも楽です。
    【注意点】
    導入コストが2,000円〜3,000円程度かかります。また、元のネジ穴とサイズが合わない場合、埋め木などの木工加工が必要になることがあります。

迷ったらどれを選べばいい?タイプ別のおすすめ

自分のプレイスタイルに合わせて、最適なものを選びましょう。

① とにかく安く済ませたい・家での練習メインの人

おすすめ:ラバーワッシャー(ゴムリング)

『Fender / Strap Blocks』や『Harry’s / Strap Rubber』などが定番です。
家で座って弾くことが多いけれど、立ち上がった時の事故を防ぎたいならこれで十分です。カラーも選べるので、ギターやストラップに合う好みのものを選べます。

② ギター本体を改造したくない人

おすすめ:クリップ/ディスクタイプ

ヴィンテージギターなど、オリジナルのネジやピンを変えたくない場合はこちら。ゴム製よりも着脱がスムーズなので、スタジオ練習などでストラップを外す機会が多い人にも向いています。

③ ライブをする・激しく動く人

おすすめ:金属製ストラップロック(Schallerなど)

スタジオに入ったり、ライブハウスで演奏したりするなら、迷わずこれを選んでください。ギターを回そうがジャンプしようが外れません。プロのアーティストの多くがこのタイプを使用しています。

詳しく見る:
ストラップをしっかりと固定する「ロックピン」について – エレキギター博士

取り付け時・使用時の注意点

「付けたからもう安心」ではありません。安全に使い続けるための注意点があります。

ネジの緩みは定期チェック!

金属製ロックピンの場合、ストラップ側の金具を固定しているナットが、振動で徐々に緩んできます。ここが緩むと、演奏中に金具ごと分解して落下します。定期的にモンキーレンチなどで増し締めを行いましょう。

ギター側のネジ穴トラブル

ピン交換タイプを取り付ける際、もしネジが空回りして締まりきらない場合は、無理に使用しないでください。ネジ穴が緩くなっている状態で使用すると、ピンごと引っこ抜けます。その場合は、爪楊枝と木工用ボンドで穴を埋めて補強するか、リペアショップに相談しましょう。

まとめ

ギターの落下事故は、ネック折れやボディの割れなど、取り返しのつかないダメージに繋がります。修理費で数万円〜十数万円が飛んでいくことを考えれば、数百円〜数千円の落下防止アイテムは「最も安い保険」です。

  • 家弾き派なら「ラバーワッシャー」
  • ライブ派なら「金属製ロックピン」

まだ何も対策していない方は、次の弦交換のタイミングで必ず導入してくださいね。

「あの時買っておけばよかった」と後悔する前に、あなたの大切なギターを守ってあげましょう。

ライター:ぎたじょのR.

音楽ライター。女性ギタリストならではの悩みを中心に、音楽で役立つ情報の発信をしています。ニール・ショーンとの共演を目指して日々奮闘中。

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