ギターのストラップ、どこに付けますか?近年ではネックの根元にストラップピンが付けられているギターが目立ちますが、ヘッドに結びつける人もいますよね。そんな「ヘッド側」派の人たちにぴったりのアイテム「ギターストラップ・ファスティナー・フォー・アコースティック(以下、ファスティナー)」が、ストラップメーカー「Elara Straps(エララストラップ)」から発表されました。このファスティナーとはどういうものなのか、またヘッド側にストラップを装着する意味について、見ていきましょう。
トップ画像のファスティナーを一五一会に取りつけてみた。表と裏の色の違いが楽しめる可愛らしいデザインだが、質感や手触りが良く、高級なギターに取りつけても見劣りしないだろう。肉厚な印象だが、ロッドカバーのあるギターでも問題なく装着できる。
ファスティナーは表側の栃木レザーと裏側のウルトラスエードを貼り合わせた本体に、GOTOHのギター用ストラップピンをかしめて固定するという作りです。全ての材料が日本製品であり、またそれぞれの分野で随一の評価と信頼を得ています。
栃木レザーは1937(昭和12)年から作られている「なめし革」で、主にお財布やバッグなど高級な革製品に使用されます。ウルトラスエードは極細の繊維を絡み合わせ起毛させた東レ社独自の人工皮革で、バッグ類やアパレルなどのほか高級車の内装にも使用されます。いずれもElara Strapsのストラップに使われている、愛用者お馴染みの材料です。GOTOHは高精度なペグが世界的に名高く、そのほかギター用の金属部品を多く開発しています。
ファスティナーはこれらの材料を使い、岐阜県郡上市の工房でていねいに手作りするという、完全なメイドインジャパンの製品です。
裏側から見ると、こうなる。ギターには裏側のウルトラスエードが触れることになるが、クッション性が非常に高いので擦れてもキズの心配はない。なお、ストラップピンをかしめた所には同色のウルトラスエードが貼りつけられる。
左から、ブラック、ネイビー、レッド、ホワイト、オレンジ、イエロー・オーカー、ブラウン、チョコ、グリーン。ストラップピンはニッケルとゴールドの2タイプ。
ファスティナーの革色には、定番のブラックやブラウン、可愛らしいオレンジやホワイトなど、9タイプのカラーバリエーションがあります。こうしたグッズで色が選べるのは、はっきり言って画期的です。エレキギターと違ってアコギの本体って、色で遊べる要素があんまり多くないじゃないですか。ファスティナーはストラップの色調に合わせて馴染ませたり、敢えて反発するような色使いを選んでワンポイントにしたり、ちょっとしたコーディネートが楽しめるんです。
前出の表側に張り付けるウルトラスエード。左から、チャコール、ロビンズエッグ、レッド、ホットピンク、ライム、クミン、キャニオン、ビーバー、オパーリン。
裏側も表革に合わせたカラーバリエーションが設けられています。同系色が中心ですが、表のホワイト&裏のホットピンク、表のオレンジ&裏のクミンといった個性的な組み合わせも粋です。
レギュラーモデルでは、表と裏の組み合わせはこのように定められている。
ファスティナーはElara Strapsを運営するKsoundのオンラインショップに加え各ECサイトでも取り扱われています。なお、Ksound オンラインショップでは表革と裏側、ストラップピンのカラーを組み合わせたカスタムオーダーも可能です。また大阪の「サウンドメッセ2023(2023年5月13日~14日)」に出展する予定なので、気になる人はぜひ実際にチェックしてみてください。
組み合わせを選んで、作ってもらうこともできる。写真のファスティナーは、表がネイビー、裏はイエロー、ピンはゴールド。
さてこの記事、日ごろネックの根元にストラップを取り付けている人には無意味だったのかと言うと、決してそうではありません。ストラップをヘッド側につけるかネックの根元側につけるかで、立って弾く時のフィーリングに違いが出るのです。
馴染みのショップのスタッフさんに手伝ってもらいました。
まずはネックの根元に取り付けて構えたところ。サウンドホールが身体の中心線に位置する感じです。
ヘッド側に取り付けて構えると、ギターが身体のやや右側で安定します。そのぶんナット位置がちょっと近くなりますから、オープンコードなどを押さえやすく感じるかもしれません。またストラップの輪っかが広くなるので、構える時に頭を通すのがラクに感じるかもしれません。
ストラップの位置を変えるだけで、いつもと違ったフィーリングで演奏できます。ひょっとしたらこっちの方が気にいるかもしれないので、ぜひ試してみてください。
黒いヒモが付属するストラップは多い。このヒモは、ストラップをヘッドに結びつけるためのもの。書類を留める綴じ紐(とじひも)などでも代用できる。
Elara Strapsを…
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ライター:小林 健悟
「エレキギター博士」 「アコースティックギター博士」で記事を書いています。 ギター教室もやっておりますので、興味のある方はぜひどうぞ☆ The Guitar Road 郡上八幡教室のページ 松栄堂楽器ミュージックスクエア岐南のページ 春日井音楽院のページ - ギター教室navi
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