今回はプロを目指して音楽活動をしている、アマチュア、インディーズのミュージシャンに向けての記事になります。
テーマはズバリ「バンドマンは月に何回ライブをやるのがベストか」
これについて考えていきたいと思います。
大きく分けると「ライブは沢山やるべき派」と「ライブは絞っていく派」の二つに分けられると思います。
それぞれのメリット、デメリットを詳しく掘り下げた上で詳しく書いていきたいと思います。
まずは、ライブを沢山やった方がいいという考え方について見ていきたいと思います。
・ライブを沢山やることのメリット
では、ライブを沢山やることのメリットは一体何があるか具体的に書いていきたいと思います。
①ライブ力の向上
一番最初に思い付くのは、やはり場数を踏むことでの「ライブ力」の向上だと思います。
どれだけ沢山の練習をこなしても一回の本番には勝てません。
場数を踏むことでしか向上させ流ことが出来ないライブスキルというものはあります。
ライブパフォーマンス、MC、間の取り方、そういったものはライブを沢山やっているアーティストの方が間違いなく上でしょう。
②人脈の構築
ライブハウスの人との繋がり、対バンのアーティスト同士での繋がり、先輩アーティストとの繋がりなど、ライブハウスでは様々な繋がりを作ることが出来ます。
ライブを沢山することで得られるメリットの中で、「人脈構築」はかなり重要なポイントです。
切磋琢磨して高め合える音楽仲間や良きライバルに出会うこともあるでしょう。
お互いのイベントに呼び合ったり、時にはお互いのライブを観に行ったり、刺激し合うことで高め合える仲間がいるということはバンドが成長していく上でとても大切です。
またライブハウスの人からすればアーティストはお客さんなので、沢山ライブをするバンドの方が可愛がられる可能性は高いです。
ライブハウスの人間と良い関係を築くことで、後々良いイベントに呼んでもらえたりすることもあります。また出演条件がかなりお得になったりもします。
これはとても大きなメリットと言えるでしょう。
③やり方によっては稼ぎやすい
これはどれくらいの数のファンを抱えているかで変わってきますが、毎回ライブに来てくれる濃いファンが一定数いるアーティストの場合は、単純にライブを沢山やった方が稼げます。
特にシンガーシングライターやユニットなど、バンドよりもフットワークが軽いアーティストは毎回ライブに来てくれる人が5人程度いて、バック率の高いカフェや小さい箱でライブをすれば簡単に1回あたり1万円以上の収益を上げることが出来ます。
これを沢山打てば月に20万くらい稼ぐことは意外と簡単に出来てしまいます。
ファンの心理的にも一生懸命頑張っている人を応援したいという気持ちが強いので、ライブを沢山やっているアーティストの方が、ファンは付きやすかったりもします。
バンドと並行して、稼ぐためにソロで弾き語りをしているバンドのボーカルの方も珍しくありません。
「ライブは沢山やっても意味がない」「ライブの数はできるだけ少なくすべきだ」こういった考えの方も多いのではないでしょうか。
・ライブを減らすことのメリット
ここからはライブを少なくすることのメリットを書いていきたいと思います。
同時に、ライブを沢山やることのデメリットも併せて書いていきます。
①動員を固めることが出来る
ライブが多ければ当然、動員は分散します。
これはライブを沢山やることのデメリットでもありますね。
ライブを減らすことで、一回あたりのライブ動員の増加が期待できます。
②ライブのクオリティの向上
先程、ライブを沢山やることで「ライブ力」を向上させることが出来ると書きましたが、これは一長一短あって、ライブをやり過ぎることで、練習の時間をしっかりと確保出来なくなる可能性があります。
これはライブをやりすぎることの大きなデメリットですね。
ライブを減らせば、その分当然練習する時間を確保出来ますし、ライブに向けて準備する時間も増えます。
MC 、照明、演出など、ライブをより良いものにしようと思ったら力を入れるべきポイントは沢山あります。
しっかり時間をかけて準備することで、ライブのクオリティを高めることが出来ます。
本番に勝る練習はないのですが、お金をお客さんから貰ってステージに立つ以上、ステージの上で練習していては絶対にダメなのです。
ライブは必ず録音、録画して、後から見直して次のライブに活かすのも基本です。
③アーティストとしての価値を高める
小さいライブハウスでライブを月に20回やっているアーティストと半年に1回大きなホールでワンマンライブをしているアーティストでは、明らかに後者の方が人気があるように見えます。
実際にはホールでライブをやっているアーティストが同じように月に20回ライブをやったら1回あたりの動員に大差はなかったとしてもです。
ライブの数が多いということは、それだけ「いつでも観れる」ということなのです。
それは間違いなくアーティストとしての「価値の安売り」であり、アーティスト自身の価値を下げる行為だと言わざるを得ません。
ライブを減らすという行為自体がアーティストとしてのブランドを高める可能性があります。
それぞれのメリット、デメリットを書いてみると、それぞれ一長一短あって一概にどちらが良いとは言い切れない問題であるということがわかります。
そこで一番重要になってくるのは、「ライブをやる目的は何なのか」です。
「ライブをやること自体が楽しい」
「趣味としてやっている」
そういったた方は、好きなだけライブをしたら良いと思います。
私がここで言いたいのは、「稼ぎたいのか」「売れたいのか」どちらなのかということです。
これは似ているようで実は全然違います。
極論を言えば、とにかく稼ぎたいのであれば「ライブを沢山やるべき」だと思います。
逆に売れたい(メジャーデビュー、大型フェス出演、音楽番組出演)のであれば、ライブは減らしていくべきです。
今は本当に便利な時代で、SNS、YouTube、サブスクリプションを使って、一人でいくらでも音楽を発信していけます。
ネットショップやファンクラブを開設することも出来ますし、ライブを沢山やって、ネットからもCDを販売していけば、音楽で食べていくことは割と簡単に誰でも出来ます。
しかしながら、毎月1万円払ってくれる濃いファンが20人いて食べていけている人は沢山いますが、「売れる」ということはこれとは全然違います。
同じ20万円を稼ぐのでも、500円を払ってくれる人が400人いるのが「売れる」という方向に近いはずです。
またワンマンライブの動員は100人〜200人規模まで持っていけるバンドやシンガーシングライターは沢山いますが、そこから1ランク上の500人〜1000人規模でワンマンをやれるインディーズのアーティストはかなり少なくなります。
ライブを沢山やるということで、おそらく動員200人くらいまでは根性でどうにか出来ますが、そこから先に行くには絶対にオンライン上からのプロモーションが不可欠になってきます。
これが、「売れたいのであればライブを沢山やるべきではない」と書いた理由です。
まとめ
ライブを沢山やることのメリット、デメリット、減らすことのメリット、デメリット、それぞれあって、一概にはどちらが良い、悪いと言えるものではありません。
まだ人脈もない、ライブでの演奏レベルも低いような駆け出しのバンドであれば、ライブを沢山やることで得られるものは多いと思います。
しかし、逆に5年、10年とライブをひたすらにやってきて全然思うようにいっていないというバンドは、ライブを少なくしていくべきだと思います。
「もう売れることは一切考えていない。ライブハウスで数十人のお客さんの前でライブが出来て、それなりに生活していければ十分幸せだ。」
そういう考えの人も好きなだけライブしたら良いと思います。
規模が大きかろうと、小さかろうと、良い音楽を作ってライブをした、それを聴きに来てくれるファンがいるということは素晴らしいことだと思います。
大切なのは「あなたがライブをする目的は何なのか」
ということです。
もし「売れたい」と思ってライブをしているのであれば、ライブのやりすぎは要注意です。
状況にもよるとは思いますが、あくまで「売れる」ことを目的としてやっていくのであれば、多くても月に5~6本が良いと思います。
次のライブのスケジュールを組む前に、あなたがライブをする理由は、お金?売れるため?もう一度じっくり考えてみて欲しいと思います。
ライター:kato
2020年よりフリーライターとして活動。 @kato1155ka
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