偉大なるプログレッシブ・ロックギタリスト達[記事公開日]2016年8月4日
[最終更新日]2016年08月4日
[ライター]森多 健司

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60年代後半から70年代に掛けて、英国を皮切りに爆発的なムーブメントを築いたプログレッシブ・ロック。そんなプログレブームを牽引した、偉大なギタリスト達に目を向けてみましょう。

David Gilmour(デイヴィッド・ギルモア)

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1946年生まれ。プログレッシブ・ロックを代表するバンド、ピンク・フロイドのギタリスト。

ピンク・フロイド最初期に在籍した天才、シド・バレットはその独特の感性でバンドの音楽性を決定づけていた存在でしたが、ドラッグの摂取により活動停止を余儀なくされます。そんな時期に後任としてバンドに参加したのがデイヴィッド・ギルモアでした。

彼が参加した後、ピンク・フロイドは世界的なロック・バンドへと登りつめます。バンドから実質のリーダーであったロジャー・ウォーターズ(B)が抜けた後は、その座を引き継ぎ、活動を続けました。

彼は他アーティストとのコラボレーションを非常に活発に行っています。ソロアルバムではジョン・ロードなどの参加、その他にもザ・フーのステージに飛び入って演奏したり、ポール・マッカートニーのレコーディングやツアーに参加したり、特にイギリス系のミュージシャンとは多方面で付き合いがあるようです。

奏法の特徴

独特の空間を感じさせるスペーシーなアルペジオは、ピンク・フロイドの幻想的な音楽的世界観を構築するのに重要な役割を果たしています。

ソロを取る際にも、コーラスやフランジのかかったような独特の音色で弾いていることが多く、全体的にはブルースの匂いを感じさせつつも、メロディックで美しく耳に残るフレーズを紡ぎます。

おすすめ盤:The Dark Side Of The Moon / Pink Floyd

結局これを挙げずにピンク・フロイドは語れない、ということでの超名盤。人間心理の裏に潜む「狂気」を題材としたコンセプトアルバムで、マイケル・ジャクソンの「スリラー」に継ぎ、世界で最も売れたアルバムとされます。冒頭「Breathe」での、カラフルでスペーシーなアルペジオ、「Time」でのメロディックなソロは彼のプレイスタイルの真骨頂を感じさせます。

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Robert Fripp(ロバート・フリップ)

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1946年生まれ、69年伝説的なアルバムでデビューを飾ったキング・クリムゾンのリーダー。

キング・クリムゾンは単なるロックの範疇を超え、クラシック、ジャズから実験音楽まで、あらゆる音楽の要素を内包して進化し続けたモンスターバンドですが、その動力源となったのがロバート・フリップでした。彼はコンポーザー的立ち位置のリーダーを務めながらも、あくまでいちギタリストとしてバンドを牽引し、その求道的な姿勢ゆえに、バンドは音楽性を激変させながら、同時にメンバーを次々に振り落としていきます。

バンド内で強権的な力を発揮し、メンバーを次々に入れ替えて自分のしたい音楽を追求した姿は、リッチー・ブラックモアなどに近いものを感じますが、ロバート・フリップの場合、その興味の幅が広すぎたがゆえに、その音楽の幅も他に類を見ないほど広いものになりました。

彼がプログレッシブ・ロックという呼称を好んでいなかったのは有名な話。後に環境音楽の先駆者となったブライアン・イーノや、かのデヴィッド・ボウイとは仲が良く、共同作品がいくつも存在します。

奏法の特徴

ロックギタリストには珍しく、座ったまま弾くというスタイル。リードギターとしては、ペンタトニックを軸にクロマチックを絡めたりするいわゆるブルースロック的なスタイル。楽曲にフリージャズ的側面を感じさせるものさえもあることを思えば、意外にも分かりやすいと言えます。

それに反して、バッキングには様々なテクニック、アプローチを使い、楽曲を彩っています。アルペジオも多く聴かれますが、ギルモアのそれとは少し違い、リフの一部をなすような重たいものが散見されるのも一つの特徴でしょう。

おすすめ盤:Red / King Crimson

キング・クリムゾンと言えば、普通は真っ先に「クリムゾンキングの宮殿」なわけですが、ギターがより目立ち、かつ聴きやすいという点でこちらをチョイス。冒頭の破壊的なギターサウンドからは彼のスタイルの根底にある独特の暗さと衝動のようなものを感じます。アルバム中でもポップ、ヘヴィでかつプログレッシブなめくるめく展開を一曲に落とし込んだ「Fallen Angel」は名曲。

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まとめ

今回はプログレ界の中でも、もっとも有名な二人を取り上げました。ギターが目立ちまくるハードロックとは近くて遠いような、微妙な距離をもっているジャンルなため、特にギター弾きには聴かず嫌いの方も多いのではないでしょうか。

二人ともエディ・ヴァン・ヘイレンのような目が覚めるようなテクニックを持っているわけではありませんが、唯一無二の個性的な音楽で、ロック界を進化させた偉大な存在です。

ライター:森多 健司

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