自宅練習に最適。VOXのミニアンプ「Mini5 Rhythm」[記事公開日]2021年1月23日
[最終更新日]2021年01月29日
[ライター]柴田 将吾

VOX Mini5 Rhythm (筆者が実際に使用しているMINI5 Rhythmです。長年の使用により傷や汚れ等多数ありますがご容赦ください。)

 昨年の新型コロナウイルスの爆発的流行以降、いわゆる「巣篭もり需要」の高まりにより、家で楽しめる趣味としてエレキギターを始めた方も多いのではないでしょうか。エレキギターを始めるにあたって必要なものといえば、エレキギター本体、ピック、ケーブル、そして何よりアンプ。2021年現在、多種多様なアンプが各社から販売されていますが、あまりの多さに自分に合っているアンプがどれなのか悩んでしまう方もいらっしゃることでしょう。本記事では、「とりあえずギター本体は買ってみたけど、アンプはどれを選べばいいんだろう?」とお思いのビギナーの方はもちろん、自宅練習用のアンプに不満があるギタリストにもぜひオススメしたい、VOXの「Mini5 Rhythm」をご紹介します。

VOXのギターアンプ一覧 – エレキギター博士

 このアンプは269 (W) x 179 (D) x 267 (H) mm(メーカー公称値)というコンパクトサイズながら、自宅での練習に必要な機能が全て詰まった、初めてのアンプに最適な一台です。狭い部屋でも設置しやすいサイズ感でありながら、重量についても3.5kgと非常に軽く、自宅での使用のみならず持ち運びにも適しています。

背面パネルを開けた図

 ACアダプターを用いてコンセントから電源をとることもできますし、電池を使用して動作させることもできます。その軽さも相まって、屋外での小規模な演奏などにもぴったりです。

 それでは各機能にフォーカスしてみましょう。

コントロール部パネル全体

 コントロールについては上の画像のようになっています。

 右上の電源ボタンの直下にあるAUX INにはスマートフォンや音楽プレーヤーを接続し、曲やバッキングトラックを流すことができます。ちょっとしたスピーカー代わりにも使えますね。さらにその下のPHONESにはヘッドホンやイヤホンが接続可能。アンプのスピーカーから音を出すことなく練習ができます。深夜の練習などにもってこいですね。
 また、左側のMIC INジャックにはマイクを接続することができ、このアンプ一台で弾き語りライブに必要な機能がまかなえてしまいます。ディレイ/リバーブエフェクトをかけることができるのも嬉しいポイント。

 ツマミが多く操作しづらいように感じられますが、一つ一つがシンプルな造りであるため、一度理解してしまえば操作は簡単です。

AMP,GAIN,TONE,VOLUMEツマミ

 まずはギターアンプの基本的なコントロールについて確認してみましょう。

左から順に、

AMP:このアンプには計11種類のアンプ・モデルが内臓されており、このノブではどのアンプを使うか選択します。フェンダーアンプを参考にしたと思われる煌びやかなクリーンサウンドから、メタルや果てはジェント系のギターにまで使えそうな深い歪みまで、様々なキャラクターのアンプをカバーしています。

GAIN:アンプの歪み量を調整します。

TONE:音色を調整することができます。絞ればウォームな柔らかいサウンドに、上げれば輪郭のはっきりしたクリスピーなサウンドにすることができます。

VOLUME:音量、音の大きさを調整できます。

 非常にシンプルでわかりやすいコントロールですね。特筆すべきはなんと言ってもアンプ・モデルの多さでしょうか。この大きさ、価格帯で上質なアンプ・モデルをここまでの数搭載しているアンプはなかなかありません。中でもオススメしたいのは「AC30TB」のモデリング。VOXの超定番アンプAC30をモデリングした音色ですが、自社アンプのモデリングということもあり、そのクオリティは流石と言わざるを得ません。ジャキジャキとしたギターらしいブライトさと英国のアンプらしいダーティさがマッチした、AC30のあの音色にかなり肉薄したサウンドを楽しむことができます。ストラトを繋いでレイヴォーンっぽいフレーズなんかを弾くととても気持ちいいです。一番右の「LINE」を選択した場合には、GAINノブは低域、TONEノブは高域の調整ノブに役割が変わります。
 また、VOLUMEノブの下部にあるスイッチで0.1W, 1W, 5Wの三種類から出力を選ぶことにより、大まかな音量を決めることができます。0.1Wでの演奏であればかなり音量を絞ることもできますから、どうしても音を気にして生活せねばならないことも多い日本の住環境にもぴったりです。各ワッテージでの動作時間は、「最大19.5時間(0.1W)、最大17時間(1.5W)、最大12時間(5W)(メーカー公称値)」とのことです。いずれの出力であっても、路上ライブ等での使用にも十分すぎる長さです。

EFFECTS

 上のツマミではコンプレッサー、コーラス、フランジャー、トレモロの4種類のエフェクトのいずれかを選択し、かかり具合を調整することができます。いろいろエフェクターを試してみたいけど一台一台買うのは予算的にちょっと…という場合にはぴったりかと思われます。また、ギターを使って作曲を行っている人は、ツマミ一つで簡単にエフェクトをかけることができますから、いろいろなエフェクトをかけて弾いてみてインスピレーションを得る、という使い方もできるでしょう。細かな調整こそできないものの、普通のコンパクト/マルチエフェクターであれば必要になる、シールドを繋いで電源を繋いでツマミを調整して…といった煩雑な手間を省き、ノブをグイッと上げればもうエフェクトがかかる、というのは非常にありがたいです。
 ディレイとリバーブも各2種類ずつ搭載されており、操作方法は上のノブと同じです。それぞれ2種類ずつ使えるのは嬉しいですね。すぐ右のTAPボタンを使って、ディレイタイム(音を鳴らしてから山びこが返ってくるまでの時間)などを調整することもできます。上のノブについてもそうですが、ギターを初めてすぐの頃は何が何だかわからない「エフェクト」という機能が、このように直感的に簡単に操作できるというのはビギナーの方にとってはとても嬉しいですよね。
 ディレイ/リバーブのかかり具合がMIC INとギターで別々に調整できるのも◎。

  そしてこのアンプ最大の強みがこの「RHYTHM」。同じシリーズでもう少し小さいモデルの「MINI3」にはない機能です。「8 BEAT」や「LATIN」といった名称からもわかるように、各ジャンルの特徴的なビートがそれぞれ9種類ずつ搭載されています。しかもテンポも変更可能であるため、リズムの幅は無限大。ボリュームも簡単に調整
でき、伴奏を用いた演奏が簡単に楽しめます。MIC INにベースをプラグインし、スリーピースバンドっぽく演奏してみるのも楽しいかもしれませんね。もちろん一般的なメトロノームも搭載。4/4以外の拍子も搭載されており、いろいろなリズムパターンで練習ができます。
 やはり自宅練習で忘れがちなのは「リズムに合わせて弾く」こと。フレーズの練習ひとつをとっても、メトロノームやリズムに合わせて練習していないと、苦手な部分を無意識にゆっくり弾くクセがついてしまったりして、いざバンドでスタジオに入ってみたときに「全然他の人に合わせて演奏できない…!」なんてことになりがち。一人で演奏するにしても、やはりリズム感をしっかり身に着けることはどんな楽器であっても大切ですから、一定のテンポに合わせて練習することをクセにしておいて損はありません。スマートフォンのアプリやメトロノーム付きのチューナー等もありますが、スマートフォンでは音量が稼げなかったり、メトロノーム付きのチューナーではリズムパターンが1種類しかない、もしくはあったとしても数種類と少ない場合がほとんど。アンプにメトロノームやリズムを出す機能がついていればボタン一つですぐに練習を始めることができますし(これがとても大事!)、何よりここまで多くのリズムパターンが用意されていると自分の苦手なリズム、ビートが発見できたりと勉強になりますし、何より楽しいです。
 また、簡易的なチューナーも搭載。E(ミ)のみしかチューニングできませんが、一般的なレギュラーチューニングであれば1弦と6弦がEであるため、2~5弦もそれらの弦に合わせてチューニングすれば大丈夫。ただちょっと手間はかかりますし、ビギナーの方には少し難しいとは思うので、チューナーは別で用意したほうが良さそうです。

 ここまで豊富でかつわかりやすい機能がこのサイズ、重量、価格のアンプに搭載されているなんて、本当に良い時代になりました。今回ご紹介した「MINI5 Rhythm」は最初にもお伝えした通り、ビギナーの方から上級者の方まで幅広くオススメできるアンプです。はじめてのアンプにはもちろんのこと、気軽に使えるサブの一台にももってこいです。楽器店等で見かけたら、ぜひ試してみてくださいね。

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ライター:柴田 将吾