At Fillmore East / Allman Brothers
音楽の世界には兄弟、あるいは親子で活躍するミュージシャンが少なくありません。今回はそんな家族ミュージシャンのなかでも、片方、あるいは両方がギタリストという人たちを特集します。名前は全て年長者を先に記載しています。
同じ血を分けた兄弟は、育ってきた環境が似るため感性が似ていくのか、はたまた遠慮が要らない分ラクなのか。同じバンドにいるケースは相当多いです。
オールマン・ブラザーズ・バンドの名前の由来はこの兄弟から。スカイドッグの異名を取った夭折のギタリスト、デュアン・オールマンに最初にギターを教えたのは弟のグレッグだと言われています。兄は弟のグレッグと関係のないところでバンドを組んでおり、そこにボーカルだけが不在だったため、兄をシンガーとして呼び寄せたというのがことの始まり。グレッグはバンドでは歌とオルガンをメインに担当しています。ちなみに、90年代、再結成後に迎えられたスライドギターの名手デレク・トラックスは、結成時からのオリジナルメンバー、ブッチ・トラックス(Dr)の甥。
AC/DCの核となった兄弟。2人で強力なリズムギターを刻み続け、バンドを世界的存在までのし上げました。制服にランドセルという出で立ちで目立ちまくる弟のアンガスに比べ、兄のマルコムは目立たない存在ですが、リズムを刻むと右に出るものはいない名手です。このマルコムは2014年に認知症を患ってバンドから離れ、今は弟のアンガスがそれを牽引し続けています。二人の兄のジョージはAC/DCのプロデュースをつとめ、姉のマーガレットはこのバンド名の名付け親。きょうだいの縁が強いバンドです。
ギタリストを含む兄弟と言ったときに最初に思い出せそうな存在。弟エディーのギターは世界的に有名ですが、兄のアレックスもドラマーとして超が付くほどの名手。この二人がヴァン・ヘイレンの音楽の核を担っているのは疑いようのないところです。昨今ではオリジナル・ベーシストをクビにして、そのポジションにエディーの息子が座るという驚きの事態になっており、3/4がVan Halen一家という、なんとも血の濃いバンドになっています。
上のオールマン・ブラザーズやヴァン・ヘイレンと同じく、名字を使ってそのまんまな名前でユニットあるいはバンドとして活動している例は多いです。ギタリストと関係の深い例ということで上記の3例に絞りましたが、それ以外では、ジャクソン5やブレッカー・ブラザーズ、末っ子のヴィクターが有名なウッテン・ブラザーズもその中に入るでしょう。また、名字と無関係なグループ名ではフォガティ兄弟のCCRや、兄弟コーラスグループのビージーズ、ホワイト兄弟のアース・ウィンド&ファイヤー、兄弟3人が同バンドに所属したTOTO、兄弟仲の悪さで有名なオアシスなど、同じグループ内で活動している例は枚挙に暇がありません。
それにしても○○ブラザーズなんてのは、日本語にすると様にならない名前ですね。思いつくのは吉田兄弟ぐらいでしょうか。ヴァン・ヘイレンだとバンドになり得ますが、横山ホットブラザーズとか中川家とか、漫才師ならともかく、ロックバンドにはなかなか向かない名前です。
同じバンドという名目はなくとも、一時期だけ一緒にやっていたり、企画もので一緒にやったり、あるいは誰かのサポートに兄弟揃って参加しているケースも。
いわずとしれた伝説のブルースギタリストとその兄。弟が有名すぎて霞んでいまいがちですが、兄ジミーもギタリストとして高い評価を受けており、サンタナやボブ・ディランの作品に参加したりもしています。兄以上の名声を得た弟は、生前常に兄に対する尊敬を口にしていました。そんな兄弟が共演したVaughan Brothers名義の音源は、スティーヴィーの死後まもなく発表されています。兄ジミーは弟の死後、未発表音源を発掘したり、追悼コンサートを開催したり、弟に対する愛情をその行動で示し続けました。
日本では神と呼ばれて伝説的人気を誇るマイケル・シェンカー。ご多分に漏れず兄の影響でギターを始めたマイケルですが、兄と揃ってスコーピオンズに参加していたのはごく初期のみで、その後はUFO加入、MSG結成と兄と違う道を歩み続けています。兄のルドルフは40年の長きにわたりスコーピオンズで堅実なリズムを刻み続けています。日本ではマイケルが圧倒的人気を誇りますが、70年代以降のスコーピオンズの活躍ぶりを見ると、兄の方がむしろ大きな商業的成功をしていると言えるでしょう。
SCORPIONS/MICHAEL SCHENKER [ COAST TO COAST ] LIVE,2006 動画はこちら
兄ジョニーはブルースロック系ギタリスト、弟エドガーはキーボード、サックス奏者。兄弟揃って音楽一家で育ち、今やロック界では重鎮的存在。元々は兄弟で地元のコンテストに頻繁に出演していた二人は、その後、ジョニーのソロアルバム制作を経て、エドガーがソロキャリアをスタートさせます。ブルース直系のプレイを信条とした兄ジョニーと、R&B的要素も含んだ弟エドガーのプレイスタイルの差は、その使う楽器に依る所も大きいと思われますが、仲は非常に良かったようで、そのキャリア内ではたびたび共演しています。2014年、兄ジョニーが死去。
バンドが一緒でなくとも、兄弟仲が悪いというわけではなく、折に触れて共演したりしている例が多いです。弟が兄の影響で楽器をはじめることが多いので、若い頃は一緒にやっており、その後離れるといったケースも目立ちます。ギタリスト関係以外ではグレッグ、マットのビゾネット兄弟、KING CRIMSONゆかりのジャイルズ兄弟、イングヴェイを支えたヨハンソン兄弟などが思いつきますが、別々に活動しているケースは同じバンドにいることよりも稀な例かもしれません。
もともと同じ血を分けているので、大抵二人とも才能を持っており、評価が高い場合が多いです。評価が高いからこそ二人とも有名なのかもしれませんけどね。また、なぜか有名なのは弟であることが多いような気がします。兄は目立ちたがらないことが多いのか…、これを見ていると、そんな兄弟の性格の差なども少し気になってくるところですね。
ライター:森多 健司
新大阪駅、西中島南方駅より徒歩10分のギター教室「森多ギター教室」主催。安価な受講料で、初心者から中級・上級者まで幅広くニーズにお応えします。 森多ギター教室のページ – ギター教室navi
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