どれがオススメ?ギブソン・アコースティックギターの選び方[記事公開日]2020年12月18日
[最終更新日]2020年12月19日

ギブソン・アコースティックギター

ギブソンのアコースティックギターは遡ること100年以上、1800年代の終わり頃からの長い歴史を持っています。マーチンと並んで世界的に愛されるアコギの定番ブランドを掘り下げてみましょう。

ギブソン・アコースティックギターの特徴は?

エレキギターの雄たるフェンダー、そしてアコースティックギターの雄たるマーチン。どちらのブランドとも比肩できるのはギブソンをおいて他にありません。ギブソンはエレキ、アコースティックの両方において、歴史に残る銘機を作り上げている唯一のメーカーです。創業は1902年。1920年代よりフラットトップアコースティックの製造を開始、1930年代よりエレキギターの製造を開始しているため、両者ともほぼ同じほどの歴史を持つことになります。

ギブソン・アコースティックのサウンドにはハッキリとしたタイトな低域と、張りのある高域が共通として存在しています。これはフラットトップのアコギのサウンドの到達点とも呼ばれるもので、特にストロークの際のサウンドは、一つの最終的な目標ともなり得るものです。

使用される木材は、ほとんどのギターにシトカスプルース、マホガニー、モデルによりローズウッドやウォルナットが選ばれています。ネックジョイントにはダヴテイルと呼ばれる接着法が用いられ、塗装も伝統的なニトロセルロースラッカー、表板は完全な真っ平らではなく若干のカーブを描くドーム状となっており、この形状面での特徴は創設当初から現在まで忠実に守られています。

ギブソンのアコースティックギターはボディシェイプとシリーズ名によって、モデルを大きく分けることができます。

ギブソン・アコギのボディシェイプ

ラウンドショルダー

ギブソンのアコギを代表する形で、大きすぎず小さすぎないボディサイズは万能で、ジャンルを選びません。なで肩で優しそうなルックスも特徴です。代表製品はJ-45が真っ先に挙げられますが、このスタイルのギターは他にも多く存在します。

スーパージャンボ

キングオブフラットトップと呼ばれる、大きなサイズのもの。巨大な円を描くお尻の部分が印象的で、その大きさゆえにしっかりとした鳴り、ふくよかな中低域を得ることができます。様々なプロミュージシャンに愛されてきたSJ-200が代表モデル。

スクエアショルダー

Gibson Dove Dove

かっちりとした雰囲気のあるボディシェイプのもので、スクエアの語が表す通り、やや四角形の雰囲気を帯びています。がっちりした低域と、ふんだんなパワーが持ち味で、かき鳴らし系のロックなどにおすすめです。代表的なモデルはHummingbirdやDoveなど。

スモールボディ

もっとも小さなサイズで、全体的に細い上にくびれが深く、かわいらしい見た目が特徴。取り回しが良く、バキバキとした音質、直感的な演奏の助けとなるレスポンスの良さも相まって、幅広い層に人気があるモデルです。1929年製のスモールボディ”L-1”がロバート・ジョンソンに使用されたため、ブルースマンにも人気。代表的なモデルはL-00。ちなみに、スーパージャンボの形状のままスモールボディ並にサイズダウンしたParlorというモデルがあり、これもスモールボディの枠内に入れられています。

ギブソン・アコギのシリーズ

シリーズにはStandard、Studio、Sustainable、Deluxeの4種があります。通常仕様のStandard、Standardに比べ薄型ボディに弾きやすいネックをセットにした現代風モデルStudio、環境保護に配慮した木材や塗装を施したSustainable、Deluxeはインレイやバインディングを豪華にしたものという違いがそれぞれ存在します。

それぞれ価格帯などが違いますが、Studioがもっとも安値で、その次にStandardシリーズとなっていますので、予算に限りがある場合はこの二種が見つかりやすいでしょう。

また、その他に過去のモデルと同じ仕様のVintage、ハイクオリティなカスタムショップ製のCustom Shopなど、いくつかの特殊モデルが存在します。

ギブソン・アコギのおすすめモデル

中級機

J-45 Studio

J-45 Studio

ギブソンを代表するモデルであるJ-45。様々な変遷を経て、今もなお定番商品のひとつに数えられますが、こちらのJ-45 Studioは現代風にアレンジされた新製品です。トップ材には定番のシトカスプルース、そしてサイドとバックにはウォルナットのものとローズウッドのものが別でラインナップされており、それぞれ音の傾向によって選び分けることができます。この”Studio”シリーズの共通スペックとして、ボディの厚さが演奏性を考慮してやや薄めに設定されており、指板のデザインもフラットになり、ネック形状にもポジションによって同じ演奏感覚が得られるアドヴァンスト・レスポンス・ネックを採用しているところが挙げられます。いずれもコード弾きにとどまらないテクニカルなプレイに合わせた現代的仕様ということができるでしょう。また、FishmanのSonitoneピックアップが標準搭載されるところもStudioシリーズの特徴。ボディシェイプこそ同じものの、新しいJ-45と言って差し支えないでしょう。

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G-45 Standard

2019年よりラインナップに登場した、2020年現在もっとも若いモデルがこのG-45。低価格化が図られており、入門機といった位置づけのモデルとなっていますが、米国でのハンドメイドにこだわり、ネックジョイント方式や若干のカーブを描く表板も上位モデル譲りで、妥協したという点は見受けられません。バック、サイドに硬質なウォルナットが使われているところが特徴で、それによって硬めで高域のしっかりした音質を得ています。ややスリムに作られたボディや、運指の楽な握りやすいネックの採用など、弾きやすさを意識してデザインされており、エレキとの持ち替えなどでも違和感なく使うことができます。Sonitoneピックアップもデフォルトで装備しており、エレアコとしての使用にも万全です。

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J-15

Gibson J-15

ギブソン・アコースティックの中では比較的新しく登場したモデルのひとつ。トップ材には他のギター同様シトカスプルースを配しつつも、サイド、バックにはウォルナット、ネックにはメイプルを使用。上のG-45と同様、ギブソンの中では珍しい材で作られたギターであり、しっかりしたキレのある音は、特にストロークプレイにおいて真価を発揮するでしょう。L.R.Baggs製のElementピックアップを標準搭載し、様々なスタイルや形態での演奏に合わせることができるはずです。

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上級機

L-00 Standard

Gibson L-00 Standard

StandardシリーズのL-00。L-00はスモールボディのラインナップを代表する製品で、1932年に初登場し、その後モデルチェンジなどの変遷を経た上、現在では再びレギュラーラインナップに名を連ねています。Studioボディサイズ通りの、比較的軽い音が持ち味で、その分レスポンスが速いため、単純に小さいものを選ぶ人以外に、素早くソロを弾くプレイヤーなどにも人気。シトカスプルースとマホガニーという、ギブソンのアコギにおける定番の材が使われています。

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1960’s J-45 Vintage

60年代のJ-45を蘇らせた復刻バージョン。当時のものと変わらないプレイアビリティを確保するため、ナット幅は60年代初期の物とおなじ42.8mmに設定。60年代後期のラインナップと同じカラーに身を包み、ピックガードにもロゴの付いたホワイト、ペグも当時の仕様に則り、クリーム色のものが選定されています。ギブソンのアコギでは定番のシトカスプルースとマホガニーの組み合わせは、ストローク時の鳴りに特に優れた特性を発揮します。60’s J-45はOriginal Acoustic Collectionというトラディショナルなスタイルのラインナップの一本で、他に50年代のものを復刻した50’s J-45が存在します。

Hummingbird 2019

Gibson Hummingbird

スクエアショルダーシリーズの代表機種。特徴的な外観はギブソンのアコギを象徴するもので、誕生以来大きく変わるところはありません。シトカスプルースのトップ板に、バック、サイド、ネックにはマホガニーが使われています。2019年モデルは現代のプレイスタイルに適応できるように、様々な工夫が凝らされていますが、L.R.BaggsのElementピックアップが標準搭載されているところもそのひとつ。はっきりしたストロークプレイに向いた仕様で、エレアコとしても使いやすいモデルです。

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SJ-200 Standard

Gibson SJ-200 Standard

1937年に誕生した、スーパージャンボシリーズを代表する最高級モデル。大きなボディから発せられるサウンドはバランスが良いながらも非常にパワフルで、様々なスタイルにおいてしっかりとした個性を発揮します。トップ材のシトカスプルースは他のモデル同様、サイドとバックには杢目のはっきりしたフレイムメイプルを採用し、高級感をしっかり演出しています。ピックアップには、マイクとピエゾのブレンドで人気の高い、L.R.Baggsの最高峰ピックアップAnthemを標準搭載。即戦力としても期待出来る一本です。

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番外編

J-160E

J-45と同スタイルのアコースティックギターにエレキギター用のP90ピックアップを取り付けて、強引にエレアコにしたモデル。発売された1954年当時はエレアコというものがなく、実質的に最初期のエレアコとされています。アンプに繋いだ際のハウリング防止のため、特殊なブレイシングが施され、敢えて合板を使うことで生鳴りを抑える処理がされています。
2020年現在、現行品が存在しないにも関わらず、ジョン・レノンが使用していたからという理由で、ギブソンのアコースティックギターの中でもっとも有名なモデルの1つとなっています。ビートルズにおけるアコースティックギターのサウンドは、このモデルに依るものが多くあり、有名な「I Feel Fine」のイントロにあるフィードバックもこのギターから発せられたものです。完全なアコギとは言えない特殊な仕様なのにも関わらず、ビートルズの熱狂的なファンがこぞって買い求めるため、今でも人気の高い独特な立ち位置のモデルです。

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ギブソンのアコースティックが持つ、しっかりした芯と張りのある音には他にはない魅力があります。音の輪郭がはっきりしているためか、しっかり前に飛んでいくものが多く、弾き語り系には特に最適です。定番過ぎてすでに当たり前の存在になってしまってはいますが、この老舗のサウンド、改めてしっかりチェックしてみてはいかがでしょうか。

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