コードが上手くならない、指が痛くなってしまう、というような話をよく聞きます。
特にアコースティック・ギターはエレクトリックに比べ、弦が太く押さえるのが難しい。
なぜ弦が上手く押さえられないのか?
それをどうすれば押さえられるようになるのか?
その辺りをまとめてみました。
上手く押さえられないという人のほとんどが力の入れ過ぎが原因だと思います。
しかし、ただ単に力を抜くだけでは上手く音がでません。
ではどうすればいいのか?
まず準備運動として、指の使い方を練習しましょう。
6弦の5、6、7、8フレットに人差し指から指を一本づつ置きます。
そのまま弦を叩くようにしてみてください。
指の根元あたりから指を大きく動かして、しっかりと叩けるようにしてください。
次はこのまま弦を移動します。
親指の位置は一定のまま1弦側に移動するにつれて肘を引くようにして弦移動をさせます。
今度は指一本づつ叩いてみましょう。
これもはっきりした音が出るように指に勢いを付けて叩いてください。
では今度は同じ動きでコードを押さえて叩いてみましょう。
コードはEmです。
親指は上にかけずに指を揃えてしっかりと叩けるようにしましょう。
今度は実際に運指練習をしてみましょう。
次のパターンを弾いてみてください。
どこの教則本にも載っているようなものですね。
でもこれを「どう弾くのか?」はあまり説明されていないのではないでしょうか?
弦の押さえ方の基本については以前の記事にも書きました。
基本に戻って「弦の押さえ方」
ここで大切になるのは力の入れ具合。
ネックは棒状のものですから、これを握ろうとすると親指側と弦を押さえる側の両方から力を入れてしまいます。
すると指が動かしづらく、指も痛くなってきます。
いろんなところに「力を入れ過ぎないように」と書いてあります。
しかし、ただ力を抜いただけでは音になりません。
力を抜くには構え方も重要です。
まず右手でギターを抱えないようにしてください。
エレキの場合はストラップをして弾きますが、アコースティックの場合は座って弾く事が多く、ストラップをしない場合が多いと思います。
アコースティックギターは、通常ヘッド側のほうが重いため、だんだん下がってきます。
それを支えようと右の肘でギターを止めてしまうと力が入ります。
試しにギターを構えてみてください。
その時に、ギターのネックを左手で動かしてみて動かない状態なら右ひじに力が入り過ぎています。
ひじをボディに全く置かないとまた弾きづらいのですが、ひじでギターを止めようとせず、ひじをギターのボディに載せるような感じにしましょう。
違いが中々難しいですが。
そこで先ほどの実験。
ひじに力を入れずに置くとネックを左手で動かした時にギターは大きく動きます。
これが目安になります。
ギターの構え方の次は弦の押さえ方。
上のように構えるとギターは大きく動きますが、親指一本で支えることができます。
親指は弦を押さえるためではなく、ネックを支えるためだけに使います。
シェイクハンドで握る場合も同じです。
きちんと構えた上でもう一度上の譜例を弾いてみてください。
ここでは弦を正しく押さえるためのコツをつかむための練習ですから、ゆっくりでかまいません。
その時に、弦を押さえる指は親指に向けて力を入れようとせず、手のひらまたは左脇に向けて指を押し込むようにします。
ピアノの鍵盤を押さえるのに親指は使いませんよね?
指で鍵盤を押し込むようにして押さえます。
この要領です。
親指と押さえるほうの両側から力を入れてしまうと指によって音が出なかったり、痛くなったりします。
ただ力を抜こうとすると音がでません。
指先を立てて、下の弦に触れないように注意してください。
弾く音が1フレットづつ上がるにつれて、指の重心を移していくようにします。
すると親指に力を入れなくても8フレットまで音が出てくると思います。
6弦から弾いて1弦までいったら下がってきます。
下行するときもポイントは同じです。
指の重心が移動していくように意識してください。
◎指を強化する
押さえ方のコツがわかったら今度は指を鍛えていきましょう。
指を鍛えるにはやはりハマリングオンなどが適しています。
次のパターンを弾いてみてください。
この時、ハマリングする指をしっかりと弦を叩くようにします。
じわっと押さえたりすると音が出ません。
その名のとおり、ハンマーで指板を叩くようなイメージです。
これを全部の指でやってみてください。
指の組み合わせは次のようになります。
これも速く弾く必要はありません。
左の指の動きだけでリズムをしっかりキープできるようにしてください。
自分の弱い指は音が出づらいと思います。
そこを重点的に練習すると指に力が付いてくると思います。
このような親指の力を使わずにしっかり弦を押さえるのはネックの幅の広いガットギターが感覚的にコツがつかみやすいと思います。
指に力が付いてきたらネックが前よりも薄く感じられてくると思います。
慣れた人ならすぐに、そうで無い方でも1週間続けるとだいぶ変わってくると思います。
ライター:澤田 卓也
ミュージックカレッジ・メーザーハウス講師。 澤田卓也ギタースクール主宰。 著書として「ギターコード・パーフェクトマスター」「アコースティックギター・パーフェクトマスター」(共に日本文藝社刊)。 ジャズ、ロック、ブルース、ポップス等ギターミュージックは全部好きです! 自分のバンドではジャズ・フュージョン系の音楽を演奏しています。
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