スケールが覚えられない?そんな方はまずCAGED(ケージド)システムを覚えよう![記事公開日]2021年9月22日
[最終更新日]2021年09月22日
[ライター]Ryo

CAGEDシステム

ギターを習い始めてある程度ギターコードが弾けるようになった方であれば「スケールが覚えられない」といった方も多いのではないでしょうか?

そういった方にはまず最初に、ギターを習得する上で重要なアプローチの1つである「CAGED(ケージド)システム」を覚えられることをおすすめします。

これを先に知っておくとよりギターのフレットボードの構造を深く理解することができるので、「スッ」とスケールを暗記することができるようになるはずです。

 

CAGED(ケージド)システムとは?

CAGED(ケージド)システムは1970年代にアメリカの北カリフォルニア州出身で当時、ギターの先生をしていたKeith Allen(キース・アレン)が提唱し始めた音楽理論のことで、現在は日本でも様々なギタースクールで教えられています。(参照元: https://www.castaliapub.com/keith-allen-music-education-master/)

CAGEDの名前の由来は、それぞれCコード・Aコード・Gコード・Eコード・Dコードのオープンコードを意味しているのですが、CAGEDシステムはこれらのコードフォーム(C・A・G・E・Dコードのフォーム)を利用してフレットボード上に並んであるメジャースケールのポジションを5つに細分化し、覚えやすくしようとする理論のことを言います。

C・A・G・E・Dのオープンコード

なお下の画像が0~13フレットの間にあるCメジャースケールのポジションを5つに細分化している状態になります。

CメジャースケールのCAGEDポジション

メジャースケールを覚える際にフレットボード上のポジションを一気に全て覚えようとすると規則性もなく大変な作業ですが、このようにフレットボード上のポジションを5分割にすることで1つのポジションの中で規則性を見つけて覚え、その作業を5回行うだけでメジャースケールのポジションを覚えることができるようになります。

CAGEDシステムの考え方

なお図の中の赤い箇所がメジャースケールのトニック音を表していて、今回はトニックの音が「C」となっている為「Cメジャースケール」となっていますが、これを1つずらせば「C#メジャースケール」「Dメジャースケール」といったように他のキーのメジャースケールのポジションになっていきます。

 

CAGED(ケージド)システムを覚えるメリット

CAGED(ケージド)システムを覚えるメリットとして、上では「メジャースケールのポジションが覚えやすくなる」といった理由を1つご紹介しましたが、実はこれ以外にも複数のメリットが存在します。

5つの異なるフォームで同じコードが弾けるようになる

まず1つ目のメリットは、5つの異なるフォームで同じコードが弾けるようになるという点です。

これはどういうことかというと、実はフレットボード上のCメジャースケールのポジションを5つに分けた際にできた「Cフォーム」「Aフォーム」「Gフォーム」「Eフォーム」「Dフォーム」は全てCコードになります。

5つのフォームのCコード

このうちGフォームやDフォームのようなコードを使用することは実際はほとんどないかとは思いますが少なくともコードを弾く上での選択肢にはなりますし、これをおさえておくとメジャーキーのトライアドの位置を把握できる為、ギターソロなどに役に立ちます。

簡単なアドリブをすることができるようになる

2つ目のメリットは、簡単なアドリブをすることができるようになるという点です。

アドリブギターを弾く際、初めての方だと「一体フレットボードのどこから弾き始めれば良いのだろう?」と思われる方が多いと思いますが、大体4~5フレットを跨いでいるだけのフレットボードポジションであればあまり迷わなくて済みますし、トニック音をいれる箇所だけ意識しながらポジションの上から下へとてきとうに音を出していくだけでも音から外れずそれっぽく弾くことができます

ただし、よくあるのが「Gフォーム」であればアドリブがなんとなく弾けるけど他のフォームではあまりできないといった方や、ただフォームの形を追っているだけでアドリブがいつも単調になってしまうといった方がいらっしゃるので、CAGEDシステムをアドリブに生かす際は注意が必要です。

なお、ジョン・メイヤーのギターの先生である米バークリー音楽大学ギター科助教授の藤田トモさんも最終的にはCAGEDシステムから卒業して、よりトライアドを意識したアドリブの練習をすることが上達への道だと主張されています。

CAGEDシステムを使ってメジャースケールを覚えるとその他のスケールを覚えるときにも役に立つ

3つ目のメリットは、CAGEDシステムを使ってメジャースケールを覚えるとその他のスケールを覚えるときにも役に立つという点です。

例えばCAGEDの全てのフォームを覚え、そのフォームの中で「どの位置にどの度数の音があるのか?」といったところまで詳しく把握しておくことができれば、3度と6度と7度にフラットをつけると「ナチュラルマイナースケール」になるな、といった具合に応用させていくことが出来ます。

(関連記事)音程と度数について

より難しいスケール・理論をフレットボード上で理解していく上で、メジャースケールはいわゆる「入り口」のようなスケール・理論なので、これを比較的簡単に覚えられるといった意味でもCAGEDシステムは覚えるべき理論だと言えます。

 

CAGED(ケージド)システムの5つのフォームの覚え方

最後にCAGED(ケージド)システムの5つのフォームの覚え方についてですが、これに関しては実際に手を動かして練習することをおすすめします。

初めは以下のフォーム毎に上からドレミファソラシドと弾いていって1番下の弦までいったあとで上に戻るといったような練習をしてみると良いでしょう。

CAGEDのCフォーム

CAGEDのAフォーム

CAGEDのGフォーム

CAGEDのEフォーム

CAGEDのDフォーム

そして慣れてくると次はギターの上手い人が作った色々なメジャースケールのリック(フレーズ)を真似て弾きながら「このリックは~フォームを使っているな」と意識して練習すると、徐々にフォームを覚えることができ、さらにギターが格段に上手くなっていくのを実感できるはずです。

なお、メジャースケールのリックはYouTubeなどで「C  major Licks」などのように英語で検索するとたくさんのリックを探すことができるので、気になった方は是非調べてみて下さい。

 

まとめ・CAGED(ケージド)システムはギター習得の第一歩!

まとめです。今回は、ギターを習得する上で重要なアプローチの1つである「CAGED(ケージド)システム」についてをご紹介しました。

CAGED(ケージド)システムはギター初心者~上級者に関わらず、ギターを練習する方であれば誰しもが知っておくべき音楽理論の1つだと思います。

ですのでまだ知らなかったという方は是非、この機会に是非覚えておくようにすることをおすすめします。

今回は以上になります。最後までご覧頂き、ありがとうございました。

ライター:Ryo

フリーウェブデザイナー兼ウェブライター。音楽、WEBプログラミングに関する記事の執筆が得意です。ポートフォリオサイト → https://ryouslashweb.com/

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