今回レビューしてみたエフェクターは、大手メーカーのOEMも務める高い技術力を誇るBIG JOE が手掛ける「B-502 Empire」というオーバードライブ・エフェクターです。
あまり店頭で見ることもなく、知らない方も多いのではないでしょうか?
そんな著者も、当ギター教室にお越しくださっている生徒さんが持参してきてくださり初めてその存在を知りました。
その際に色々と弄らせていた頂きましたので、その時のサウンドや使い勝手を書いていきたいと思います。
“エンパイア” は、Paul “TFO” Allenと共同で開発された、デュアルプリアンプ・オーバードライブです。
A/B各チャンネルのプリアンプを単独、もしくは両方同時に使用することが出来、AとBの順番を並び替えるスイッチも搭載。FIRM/SPONGE、BODY/ATTACKなどのコントロールと組み合わせる事で、多彩なサウンドメイクが可能です。
さらに、調整が可能なバッファー回路を搭載し、+15dbまでのクリーンブーストが可能。BUFFER/TRUEスイッチを切り替えることでトゥルーバイパス回路で使用することも出来ます。
EMPIREは、完全なアナログのトゥルーバイパス回路を採用し、9Vバッテリー、または、9V, 12V, 18Vのパワーサプライでも稼動します。
〜メーカー説明より〜
初めて見た印象は「つまみが多くて面等臭そう」という感想でした。
ですが、実際に各ツマミを回したりノブを切り替えると明らかに音が変化する為好みのサウンドを探しやすいと感じました。
増設されている各ノブはこのようになっています。
FIRM/SPONGE
真空管アンプの様なフィーリング、レスポンスを調整します。FIRMはタイトなサウンド、SPONGEは、より高音を抑えめのやわらかなサウンドと、使用するアンプに合わせて選ぶ事が出来きます。
BODY/ATTACK
BODYノブは、余分な低音を加える事無く、サウンドに太さを加え、ATTACKノブはピッキングのアタック感を調整する事が出来ます。
BUFFER/TRUE DRIVER
バッファー回路を使用するか、使用せずにトゥルーバイパスで使用するかを選択出来ます。バッファーを使用する場合、LEVELノブでどの位ブーストするかを調整。最大15dbのクリーンブーストが可能です。
A/B-B/A
チャンネルAとチャンネルBの接続する順番を入れ替える事が出来、より多彩なサウンドメイクが可能です。
A/B: ギター → (BUFFER) → A → B → アンプ
B/A: ギター → (BUFFER) → B → A → アンプ
使用した機材は、Fenderのストラトキャスターと、アンプはFender Hot Rod Deluxeのクリーンチャンネルのみです。
パワーサプライを使用し18Vでの検証です。
さて、気になる実際の”音”です。
クランチからオーバードライブ、そしてAchとBchを併用するとディストーションまでカバーできるGain幅です。
スムーズ且つタイトな音質で、音の解像度も高く複雑なテンションコードなどを歪ませて弾いても和音が濁ることもなく、1音1音がはっきり再生されてきます。
Pops・Blues・Rock・ハードロックなど、ジャンルを問わず使用できます。
全体的にはオールドMarshall的なオーバードライブサウンドだと感じました。
バッファーの有無も選択できるので、バッファー嫌いのギタリストでも問題ないですね。
個人的にはEmpureのバッファーは嫌な味付けがされるわけではなく、いい塩梅で音が太くなる為、ONで使用したい機能です。
そして特筆すべきは、各チャンネルに設けられている「FIRM/SPONGE」のスイッチです。
これは歪のキャラクターが異なるります。
「FIRM」の方は明るく少々ギラついたキャラクターで、例えるならJCM900辺りのギラついたバイト感のあるサウンドです。
「SPONGE」は高音が削られバイト感も薄くなります。
その為か少しダークな歪みの印象を受けます。
色々とノブをいじくり倒して検証してみましたが、このペダルは有りだと思います。
歪の質感もとても良いですし、ツマミやノブでこれだけ音のキャラクターが変化できるとなれば、アンプとのマッチングもしやすいのではないでしょうか。
実際、仕事の現場ではアンプを持ち込めない事も多々あります。
そんな時、これがボードにこれ1台あれば現場にあるアンプで十分実践的なサウンドが作れると思います。
そして、Ach・Bchと異なった歪/イコライザーのセッティングが出来るので、
アンプ:クリーン
Ach:クランチ
Bch:オーバードライブ
Ach + Bch:より深いオーバードライブ/ディストーション
としておけば実質4種類の音をこのペダル1台でまかなうことが出来ますしね。
さて、ここまで良い事ばかり書いてきましたが1点だけ。
誤解を恐れずに言えば「個性」はない普通なサウンドです。
特徴的な歪ではないです。
あくまで良い音と言うのは、誰もが聞き慣れているサウンドだったりするので、このペダルは「誰もが聞きなれた良い音」となのだと思います。
私がサポートの仕事などで持っていくのであれば、是非使用したいペダルであることは確かです。
以上、BIG JOE B-502 Empire のレビューでした!!
ライター:中前 議晴
マーティ・フリードマンなどとも共演。親しみやすく和やかな雰囲気でのレッスンが好評!! ギタースクール ROOTSのページ – ギター教室navi
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