エレキギターの代名詞、フェンダー社の創設者レオ・フェンダーが最初に開発したギターは、ストラトキャスターではなくテレキャスターでした。1950年にブロードキャスターと名付けられたそのモデルは、のちにグレッチとの権利問題から、やがてテレキャスターと名を変え、世界中のギタリスト達に愛される製品になっていきました。そんな70年の歴史を持つテレキャスター。多彩な展開を見せる現行品を、特徴ごとに整理してみました。
フェンダー最初期のエレクトリックギターとして知られるテレキャスター。現行品のテレキャスターには多岐に渡る製品が存在し、登場した頃の50年代のものをモチーフにしたものから、ブリッジ部、ペグやピックアップまでを現代風にリファインしたモダンなモデルまで、プレイヤーの好みに合わせて多岐に渡る選択が可能になっています。
テレキャスターのラインナップは、現代風でモダンな仕様と、トラディショナルな要素をどのぐらいの割合で含んでいるかによって個性が出ており、これらを決定づける要素としては以下のようなものがあります。
ボディ裏から通された弦を支えるためのブリッジサドル。2本の弦を一つのサドルで支えるものと、ストラトのように弦一本ずつをブロックタイプの一つのサドルで支えていくものとがあります。前者の方がよりトラディショナルであるとされ、ヴィンテージ系モデルには前者が採用されます。
こちらはストラトと同じく、21フレット仕様をヴィンテージスタイル、22フレット仕様をモダンスタイルとしています。現代ではほとんどのエレキギターで22~24フレットが一般的であり、21フレットはヴィンテージ系モデルのストラトとテレキャス以外でほぼ見ることはありません。
古いものから徐々に薄くなっていく傾向にあります。最も古いものから順に、かまぼこなどと称される分厚いUシェイプ、やや厚いDシェイプ、現在一般的な厚さのCシェイプなどに分かれています。薄い方が演奏はしやすく、厚い方が音が分厚くなりやすい傾向にあります。50年代のモデル等にはUシェイプが使われていたため、当時のモデルのリイシューにはそのまま採用されています。
50年製はアッシュボディにメイプルネック、60年製はアルダーボディにメイプルネック上ローズウッド指板が一般的。アッシュの方がテレキャスターらしいイメージの、高域にハリがあるジャキジャキとした雰囲気が出やすい傾向にあります。アルダーはストラトによく使われる材で、アッシュに比べるとまろやかなイメージの音になりやすく、モダンスタイルのものにはアルダーが使われることが多い傾向にあります。
現在、日本国内ではフェンダー系のブランドとして、5つに分かれた状態で市場を形成しています。
カリフォルニア州コロナ工場において、卓越したクラフトマンによる製作で生み出される最高峰のライン。最も高価なモデルは一人のクラフトマンによりハンドメイド製作され、製作者の名前が冠されます。
Performer、Professional、Ultraの3機種を軸として展開されるレギュラーライン。カスタムショップ製を除く通常ラインでは最も高価。価格はおよそ10万台後半~20万円台のものが主流です。
日本で作られるモデルで、全ラインナップの中でも中位に属するライン。元は日本法人のフェンダー・ジャパンでしたが、2017年、フェンダー本社の統括の下に置かれ新たに出発しました。Hybrid、Heritage、Modernなどのシリーズがあり、フェンダー・ジャパン時代の姿勢を受け継いでか、尖った製品が少し混じっているのも特徴です。
北部エンセナダ州にある直営工場で作られるライン。メイド・イン・ジャパンと同程度のグレードで、価格帯もほぼ近いところに位置します。シリーズにはVinteraやPlayerなどがあり、リーズナブルな値段で正統派のテレキャスターを探すと、自ずとメキシコ製品にたどり着くことが多いでしょう。
フェンダーの下位ブランド。3万円程度の初心者用モデルを軸に展開しており、Affinity、Classic Vibeは純粋にテレキャスターを名乗れる製品では最安。廉価版とは言え、フェンダー本社の監督のもとで作られており、他社の安価なテレキャスタイプに比べても安心感のあるブランドです。
安価なポプラ材を使用した、初心者向けのテレキャスターモデル。チューニングやピッチの安定性が高い6点のブリッジサドルを採用し、音の出しやすいミディアムジャンボのフレットを打つなど、プレイアビリティにも気を払ったスペックになっており、粒の揃ったパワフルな特徴あるサウンドは上位モデル譲り。純粋なテレキャスターを名乗ることができるモデルでは最安となっており、これからテレキャスターを持ってみようという初心者には最適です。
Squier Affinity Telecasterを…
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メイド・イン・ジャパンシリーズの中級モデルに属するテレキャスター。’50s、’60sの二種が展開され、いずれも3点ブリッジサドル、21フレット仕様など、ヴィンテージタイプに近いスペックを持っています。’50sと’60sの最大の差はボディ材で、’50sはアッシュ、’60sはアルダーが採用されています。ジャキジャキ感の強いテレキャスらしい音には’50s、滑らかなフィーリングが欲しい向きには’60sを選ぶと良いでしょう。
MIJ Hybrid Telecasterを…
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アルダーのボディに22フレット仕様を採用した、プレイアビリティに優れるUSA製のモデル。ネックシェイプはCシェイプ、ジャンボフレットが打たれ、素早いフィンガリングにも適応します。このモデルのためにデザインされたYOSEMITEシングルコイルは、ギターごとに調整が施されており、サウンド的にはヴィンテージらしさを狙ったものになっています。ネック側ピックアップにハムバッカーを搭載したモデルも展開されています。
American Performer Telecasterを…
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これまでのテレキャスターの仕様を一新した、現代に生まれ変わったテレキャスとも言うべきモデル。ボディ材こそ通常のアルダーですが、ネック形状には通常Cタイプよりも若干太めの”Deep C”を採用し、フレットには高めのナロートール仕様、ブリッジもこのモデルで新たに設計されたものを採用しており、他のどのテレキャスターとも細部において違うものになっています。特別に設計されたV-Modピックアップはヴィンテージタイプのサウンドを肝としており、現代的スペックでありながら、音色は正統派なテレキャスターに準じたものになっています。
American Professional Telecasterを…
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新たに登場したUSA製モデルのフラッグシップ。スペックはプレイアビリティを最大限尊重したものが採用され、Modern Dシェイプのネック、ミディアムジャンボの22フレット仕様、6点ブリッジサドル、コンター加工など、まるでストラトキャスターのような設計です。トーンコントロールに付随するS-1スイッチではシリアル、パラレルの配線変更が可能。Ultra Noiseless Vintageと銘打たれた新設計のピックアップは、ヴィンテージスタイルのサウンドが特徴ですが、ストラトらしさを若干感じる太さと滑らかさがあり、そのスペックも相まって、極めて汎用的で洗練されたスタイルのテレキャスターになっています。
American Ultra Telecasterを…
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カリフォルニア州のコロナ工場で、卓越したクラフトマンによって製作されるカスタムショップ製品。カスタムショップの中にも数種類のカテゴリがあり、ヴィンテージ楽器を当時の部品や工法により現代に再現したTime Machine、Vintage Customや、一人のビルダーが全てを手がけるMasterbuiltシリーズは特に有名。
ここではヴィンテージテレキャスターの代名詞として知られる、有名なモデルをひとつ紹介します。
ブロードキャスターからテレキャスターに名前が変わる途上で世に出たモデルは、まだ商品名が決まっていなかったという理由で、ヘッドに商品名が記載されていません。この時期のものは名前が付いていないということでNo Casterといって親しまれており、ヴィンテージテレキャスターの代名詞として扱われています。こちらのカスタムショップ製リイシューはアッシュボディにメイプルのネックという50年代テレキャスターの定番の材を選定し、ヴィンテージタイプのペグを使用、当時のままのスペックで現代に蘇らせたモデルです。図太いネックから放たれる音色は太さとキレを併せ持ち、まさにパワフルな往年のフェンダートーンそのものです。
1951 Nocasterを…
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‘50sから’70sまでのモデルが展開された、ヴィンテージスタイルを前面に押し出したモデル。3点ブリッジサドル、21フレットを基本仕様とし、ネックシェイプには各時代ごとに使われていたものをそのまま採用しています。ピックアップには新たに当時のサウンドに近づけて設計したREVOICEDピックアップを搭載。’70sにおいてはネック側にワイドレンジハムバッカーを採用しています。ジャキジャキとした質感が心地よい’50sから粘り気のある中域が魅力の’70sまで、いずれも王道テレキャスターサウンドが楽しめます。
Vintera Telecasterを…
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‘50sと’60sの二種が展開されたメイド・イン・ジャパン・シリーズのヴィンテージスタイルテレキャスター。発売当時のプロファイリングデータを参考にスペックが再現され、できるだけ近づけるように設計されています。50sはアッシュ材、60sはアルダー材にいずれもラッカー塗装が施され、ボディシェイプ、ネックシェイプまでその年代のものを採用。’60sのみホロウボディ構造のシンラインを展開。手軽なヴィンテージテレキャスターとしては最適な選択です。
MIJ Heritage Telecasterを…
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ヴィンテージスタイルのテレキャスターとしては、もっとも高価となるUSA製のモデル。ボディ材や塗装、ハードウェアはもちろん、当時の音色に可能な限り近い音色を得るために、調整を施したPure Vintageピックアップの採用が最大のポイント。50s~70sまで、いずれもその時代の代表的モデルに極めて近い音色とたたずまいを実現し、ヴィンテージスタイルのモデルとしては決定打となるシリーズです。
American Original Telecasterを…
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ストラトによく使われるアルダー材を使用した、Playerと名付けられるメキシコ製のモデル。モダンCシェイプのネック、6点ブリッジサドル、22フレット仕様を採用し、プレイアビリティに重点を置いたスペックになっています。アルダー材を使用することで、テレキャス特有のバキバキとした雰囲気はやや抑えられており、その分幅広いジャンルに使える汎用性を獲得しています。
Player Telecasterを…
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メイドインジャパンの現代風テレキャスター。現在の多岐に渡るスタイルに合わせるべく、テクニカルなプレイまでを視野に入れた設計がなされており、特にハイフレットの弾きやすさに直結するヒールカット処理と、持ちやすさに関わるコンターカットは目立つ特徴です。そして、チューニングの安定性が高いロッキングペグ、握りやすいネックに、調整が容易な6蓮ブリッジサドルなど、プレイアビリティに関わる部分は全てヴィンテージタイプとは異なるハードウェアが装備されており、まさにModernという名にふさわしいテレキャスターです。
MIJ Modernを…
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テレキャスターには、ブライトさを強調したShawbuckerと呼ばれるハムバッカーのモデルは数多くありますが、レスポールと同じように純粋なハムバッカーが二基搭載されたものは非常に少ないのが実状です。ここではMIJ Modernのハムバッカーモデルを紹介しましょう。
純粋なハムバッカーが二基搭載された、テレキャスターではかなり珍しいモデル。先に紹介したMade in Japan Modernのハムバッカー型仕様という位置づけで、ラウド系を視野に入れたパワフルなModern Modified humbuckingと名付けられたピックアップを搭載しています。他の装備やスペックは通常のModernモデルに準じていますが、かき鳴らす際に邪魔にならないようにするためか、ピックアップセレクターの位置が上部に移動しており、レスポールと同じような感覚での操作となります。
MIJ Modern Telecaster HHを…
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ジミー・ペイジがレッド・ツェッペリンの1作目で実際に使用した、59年製テレキャスターをモチーフに作られたシグネイチャー・モデル。アッシュ材のボディにはジミー本人によるアートワークと同じものが描かれており、オリジナルのヴィンテージタイプのシングルコイルが二基搭載されています。ネックシェイプはOval Cと名付けられた特殊な仕様ですが、その他はスタンダードなヴィンテージスタイルのテレキャスターに近く、太く鮮やかな音色を楽しむことができます。
Jimmy Page Telecasterを…
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Slipknotなどで活躍するJim Rootのシグネイチャー・モデル。レスポールでおなじみのマホガニー材のボディに、EMG製のアクティブハムバッカーが二基搭載されており、エボニー材が使用された指板の上には、ミディアムジャンボのフレットが22打たれています。EMGのピックアップとマホガニー材による図太く攻撃的な質感に、エボニー指板の立ち上がりをミックスしたサウンドは、テレキャスターと言ってしまうのが憚られるほどパワフル。まさにシグネイチャー・モデルならではのオリジナルスペックに溢れた面白いモデルです。
Jimmy Page Telecasterを…
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テレキャスターの高域が強く太いサウンドのイメージは未だ根強いですが、様々な製品が展開される中で、そのイメージにとどまらない多彩な音色の製品も数多く見られるようになっています。また、ストラトに比べて丸さを感じるこのフォルムも人気がある理由のひとつ。ぜひ一度色んなテレキャスターに触れてみてはいかがでしょうか。
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