ギター教室では教えてくれない!ベタ付けとフローティングの活用法[記事公開日]2024年5月9日
[最終更新日]2024年05月9日
[ライター]ぎたじょのR.

ベタ付けとフローティング

今回は、ギターのベタ付けとフローティングのやり方について詳しく解説します。

「ベタ付け」と「フローティング」という言葉を聞いたことはありますか?

実は私も、ストラトを使うまでは全然知りませんでした。

弦交換の時に、「ブリッジが浮いている!?」と驚いた経験があり、それがきっかけで「フローティング」について知ることができました。

ただ、ベタ付けとフローティングを解説しているギター教室は少ないです。

ストラトの魅力である「ブリッジの調整」が分かれば、自分好みのセッティングが身につけられます!

ぜひ、アームで面白い音を出してみてくださいね。

今回はベタ付けとフローティングの魅力ポイント、セッティングのやり方や注意点などくわしく解説します!

ギターの音は「ネジ」で変わる!ベタ付けとフローティングの違い

ギターの音は「ネジ」の締め具合によって大きく変わります。サウンドにこだわっているからこそ、ベタ付けとフローティングの違いを知っておくことは重要です。

ベタ付けとフローティングについてのお話とメリット・デメリットについてご紹介します。

ベタ付けとフローティングって何?

簡単にいうと…

トレモロユニットが「ボディーに密着している」もしくは「浮いている」状態のこと。

まずは写真を見て比較してみましょう!

ベタ付け(ノンフローティング)

ベタ付け

ボディとトレモロユニットが引っ付いていることを「ベタ付け」といいます。

ベタ付けで有名なアーティストは、エリック・クラプトンです。彼のストラトは、ほぼベタ付け状態にして、ボディとブリッジの間に木を挟んで使用しています。木を挟むことで、わずかに浮いたブリッジが固定されるとのこと。

フローティング

フローティング

ベタ付けの写真と比較すると、ブリッジが浮いているのが分かりますか?

このように、ボディから浮いた状態のことを「フローティング」といいます。

通常の楽器店では、ベタ付け状態でギターを販売していることが多いです。つまり、アームアップができないのは、フローティング調整をしていないから。

逆に、Fenderのギターは少しだけフローティングした状態で販売されています。

ベタ付けとフローティングの魅力!メリットとデメリット

フローティング調整がどんな人に向いているのかお伝えします。

ベタ付けとフローティングならではのデメリットとメリットをまとめると、以下の通りです。

ベタ付け(ノンフローティング)

メリット①:チューニングが安定する

メリット②:硬い音が出せる

メリット③:弦の張り替えが楽ちん

ベタ付けの最大のメリットは「チューニングが狂いにくい」ことです。

ブリッジミュートやチョーキングも簡単にでき、音程で悩む心配はありません。チューニングがすぐに終わるため、弦交換が大変スムーズです。

デメリット①:アームアップができない

デメリット②:スプリングの交換が必要

アームアップができないのはベタ付けのデメリットです。ダウンはできますが、派手なアーム操作ができないので物足りなさはあります。また、使用する弦の太さによってトレモロスプリングの交換も必要になるため、ギターの改造に苦手意識がある人にはやや不向き。

ベタ付けでアーミングをしない人は、トレモロブリッジがないギターを選ぶと良いですよ。

フローティング

メリット①:アームアップダウンで遊べる

メリット②:弦のテンションが柔らかくなる

メリット③:倍音が豊かになる

フローティングの一番の魅力は「アームで音程のアップダウン」ができることです。

サスティーンの伸びがよくて弾くのが楽しいのは断然コッチ!音が柔らかいから、バラード系の曲とも相性バッチリです。フローティングはプレイスタイルに合わせて「高さ」を自由に調整できます。自己流のセッティングにすれば、ギターの愛着が湧くこと間違いなし。

アームをつけなくても、フローティングにしておけば手の腹でブリッジを押す「簡易アーミング」を楽しむことも可能です。

デメリット①:チューニングが不安定

デメリット②:チョーキングの難易度がグンと上がる

弦が切れたら「全てのチューニングが狂う」というリスキーな一面もあります。

チョーキングの上げ具合や、音程が安定しない「難しさ」はデメリットです。どちらかというと、フローティングはギター中級者さん向きのセッティングといえます。

 

ストラト愛用者必見!ベタ付けとフローティングの調整方法と注意点

ストラトの魅力は「ブリッジの調整」です。ネジの締め具合でサウンドが変わるから、自分好みのセッティングをする楽しみがあります。ベタ付けとフローティングのやり方さえ知っていれば、自由自在にセッティングができます。自分にピッタリなセッティングを試してみてくださいね。

フローティングの調整

  1. 裏のスプリングのネジを均等に緩める
  2. チューニングをする
  3. 1と2を繰り返す
  4. ブリッジが「3mm」浮く状態を作る
  5. チューニングが安定してきたら完了

具体的にフローティングのやり方を見ていきましょう。

裏のスプリングのネジを均等に緩める

スプリングのネジ

レギュラーチューニングをした状態で、ギターの裏側カバーを開けてください。

ネジ2本あるので、交互に少しずつ緩めていきます。

ブリッジが「3mm」浮く状態を作る

ブリッジ

ネジを緩める→チューニング→緩める→チューニングを繰り返すと、ブリッジが浮いてきます。

この高さが「3mm」浮くように調整。

※Fenderでは、トレモロブリッジの高さは「3mm」を推奨しています。もちろん自分好みの高さに調節してもOKです。

注意したいのが「弦高の高さ」です。フローティング調整すると、弦高も変わります。フローティングとセットで、必ず弦高の調節も行いましょう。

参考:ギターを適切にセットアップするにはどうすれば良いですか?(Fender公式サイト)

 

ベタ付けのやり方

  1. 裏のスプリングのネジを締める
  2. ボディ側のブリッジの「ネジ」を締めて隙間を無くす

ベタ付けのやり方は至ってシンプルです。

裏のスプリングのネジを締める

スプリングのネジ

フローティングはネジを「緩める」でしたが、ベタ付けは「締める」やり方です。

ギター裏側にある2本のネジを均等に締めていきます。

締めすぎると、タイトな音になってしまうので注意してください。

ベタ付けのポイントは、「少しずつ締める」ことです。音が硬くなりすぎてないか、自分の耳で確認して作業していきましょう。

ボディ側のブリッジの「ネジ」を締めて隙間を無くす

ブリッジのネジ

シンクロナイズトレモロの場合ですが、

ボディ側のブリッジのネジは、緩めた状態で販売されています。ここの「ネジ」も忘れずに締めておけば、ベタ付けは完了です。

まとめ

今回は、ギターのセッティングで大切なベタ付けとフローティングについて解説しました。

ギターのサウンドは「ネジ」の締め具合によって、大きく変わります。

ベタ付けは、チューニングが安定する一方で「アームアップができない」デメリットがあります。フローティングは、チューニングが不安定ではあるものの、「音がまろやかになる」メリットがあります。それぞれの違いを知って、上手に活用すれば自分だけのセッティングが見つかりますよ。

ライター:ぎたじょのR.

音楽ライター。女性ギタリストならではの悩みを中心に、音楽で役立つ情報の発信をしています。ニール・ショーンとの共演を目指して日々奮闘中。 個人ブログ:https://sparetimez.com/

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