アコギ三大メーカー「マーチンD28」「ギブソンJ45」「テイラー314CE」弾き比べ[記事公開日]2020年12月3日
[最終更新日]2021年06月18日
[ライター]kato

アコギ三大メーカー

 

アコースティックギターの三大メーカーといえば、マーチン、ギブソン、テイラーが挙げられます。

今回はその中でも定番のマーチンD28、ギブソンJ45、テイラー34CE、それぞれの特徴と弾いてみた感想を書いていきたいと思います。

マーチン、ギブソン、テイラー、どれを買うか迷っている方にとって少しでも参考になればと思います。

マーチンD28

Martin D28

まずは、マーチンのD28。

「アコースティックギターといえばこれ!」とも言える定番中の定番。アコギの王道。

マーチンD28の「D」はボディの形状を表していて「ドレッドノート」の略になります。

名前の由来はイギリスの大型戦艦「Dreadnought」から来ていて欧米諸国では「大きなもの」を象徴する言葉です。

その形はくびれが小さく厚みもあり、よく見かける一般的なアコースティックギターの大きさになります。

他の会社からもドレッドノートと殆ど同じ形のギターが数多く販売されており、アコースティックギターの定番の形状です。

似たような形のアコースティックギターは多数販売されていますが、ドレッドノートはマーチンが商標登録しているので「D」が付くアコースティックギターはマーチンだけなのです。

D28の使用木材

・トップ材:シトカスプルース

・サイド&バック:イースト・インディアンローズウッド

・ネック:セレクトハードウッド

・フィンガーボード:エボニー

・フィニッシュ:グロス

ナット幅:44.5mm

ナット幅で弾きやすさは結構変わってきます。マーチンの44.5mmは一番標準のナット 幅になります。

価格:26万〜

年代によって価格が大きく異なりますが、楽器屋で一番安いものであれば26万円くらいから購入することが出来ます。

1950年代よりも前に製造されたD28の中には100万円近くするものもあります。

音の特徴、弾いてみた感想

とてもパワフルで音量があります。アコースティックギターの定番と言われるだけあって、ストロークで弾いてもよし、アルペジオで弾いてもよし、万能な一本です。

音もとても派手ですが、グランドピアノように荘厳で奥深い音色だと思います。サスティーンも長めで、煌びやかな音が出せます。アルペジオの曲なんかはD28との相性抜群です。

ストロークで弾く場合は箱鳴りが凄く良いので音量がとても出ます。

暴れ馬の様に豪快な音が出ますので、初心者には上手く弾きこなせないといったこともあると思います。

ですが、世界中のギタープレイヤーから愛される「ワールドスタンダード」とも呼ばれるマーチンD28、弾きこなせれば一生使えるギターになります。

D28は個体差がかなりありますので、楽器屋で試奏して、自分的に一番「これだ!」という一本を購入しましょう。

代表機種D-28に見るMartin(マーチン)ギターの特徴 – アコースティックギター博士

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ギブソンJ45

Gibson J45

こちらもアコースティックギターの定番、ギブソンJ45。ギブソンの中で最も有名なのがこちらのJ45でしょう。

「J」は「ジャンボ」の略でボディの形状はマーチンD28とほぼ同じ形です。

ギブソン社がマーチン社のドレッドノートに対抗して製造を開始したモデルと言われています。

「ラウンドショルダー」と呼ばれる撫で肩の形で、マーチンのドレッドノートに比べると僅かですが、スケール(楽器のナットからブリッジまでの長さのこと。ナットから12フレットまでの長さを指す場合もある)が短く、ギター全長、ボディ幅はJ45の方が若干大きいです。

平均価格:26万〜

こちらも年代によって価格が大きく異なります。楽器屋で新品を購入する場合、マーチン同様、最安26万〜30万円くらいで購入出来ます。

1940年代のものになるとギブソンJ45も100万円近くするものもあります。

J45の使用木材

・トップ材:シトカスプルース

・サイド&バック:マホガニー

・ネック:マホガニー

・フィンガーボード:ローズウッド

・フィニッシュ:ニトロセルロース

ナット幅: 43.8mm

マーチンD28よりもナット幅がやや狭いので、コードを抑えた時に弾きやすく感じると思います。

音の特徴、弾いてみた感想

ギブソンといえば、ジャキジャキとした渇いた音が一番の魅力でしょう。

音の煌びやかさ、サスティーンはマーチンD28には劣りますが、マホガニーならではの渇いたサウンドは多くのミュージシャンを魅力し続けています。

アルペジオで弾くよりも、ストロークでジャカジャカ弾く曲との相性が良いと思います。

ロック系の楽曲やブルースなどにもよく合うと思います。

カッティングをした時もチャキッとしたサウンドでとても気持ちが良いです。

アルペジオも勿論いけますが、マーチンD28に比べると音の伸びは少ないので、D28が好きな人からすると少し物足りなさを感じる方もいるでしょう。

全体的な鳴りはマーチンD28の方が大きいので、D28がしっくりくるという方には「音が軽い」という印象があるかもしれせん。

ギブソンJ45も個体差がとてもあるので、こちらも必ず楽器屋で試奏してから購入することをオススメします。

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テイラー314CE

Taylor 314CE

最後に紹介するのはテイラーの314CE。

テイラーの形状は、ドレッドノート(DN)、グランドコンサート(GC)、グランド・オーディトリアム(GA)、グランド・シンフォニープ(GS)、グランドパシフィック(GP)、グランドオーケストラ(GO)と様々な種類がありますが、314CEはグランド・オーディトリアム(GS)と言われる形状になります。

テイラーギターのなかで最も人気のあるボディシェイプで一番見かけることの多いテイラーのギターの形だと思います。

プロミュージシャンにも多く愛用されています。

カッタウェイと呼ばれる、ボディネックの付け根部分から肩にあたる部分をえぐった形状になっていて、ハイポジションも弾きやすくなっています。

314CEは旧モデルだとES1と呼ばれるピックアップが搭載されていて、現在のモデルではES2と呼ばれるピックアップが搭載されています。

この二つは音の拾い方が違います。ES1はギター内部に数か所仕込まれたマイクをMIXして出力しますが、ES2はサドル下にセットされたピックアップマイクで音を拾っています。この二つの音の違いは好みのレベルで、旧モデルのES1の方が良いという人もいます。

平均価格:22万円〜

テイラーは年代によって値段が変わるといったことは基本的にはありません。

314CE仕様木材

・トップ:シトカ・スプルース

・サイド&バック:サペリ

・ネック:トロピカル・マホガニー

ナット幅:44.5mm

マーチンD28と同じ44.5mmがテイラー標準のナット幅です。43mmのナット幅のものも近年販売されています。

音の特徴、弾いてみた感想

正直に言って、生音の鳴りはマーチン、ギブソンには劣ります。

同じ価格帯のアコギということでマーチンD28、ギブソンJ45に対して、テイラー314CEを比較しましたが、生音ではマーチン、ギブソンには及びません。

しかしながら、テイラーギターの素晴らしい点はエレアコであるというところ。

「ES(エクスプレッションシステム)」と呼ばれる独自のピックアップを搭載していて、ラインを通した時の音がとても良いです。

音の特徴としては、バッキング、アルペジオ、どちらで使ってもバランスが良く、とても使いやすいアコースティックギターだと思います。

良い意味で、マーチンやギブソンの様なクセがなく、オールジャンルに使用できます。

逆に言えば、マーチンやギブソンユーザーからすれば、クセがなくて少し面白みがないギターと感じる方もいるかもしれません。

ピックアップも付いていてこの値段なので、コスパも良いです。ライブでは即戦力として活躍してくれるギターでしょう。

マーチンD28、ギブソンJ45は生音は素晴らしいですが、エレアコではないので、ピックアップを自分でつける必要があります。

安くてチープなピックアップを付けてしまうと、生音が良いギターでもラインを通した時に出る音は安っぽい音になってしまいます。

また、D28やJ45にピックアップを付ける場合、ギターに穴を開ける必要がある為、ピックアップを後付けすることに抵抗を感じる人も少なくありません。

 

ですので、テイラーの様に良いピックアップが搭載されているエレアコは重宝されます。

テイラーのギターはマーチンやギブソンと違って個体差が殆どありません。どの楽器屋で買っても価格が殆ど変わらないというのもテイラーの良いところと言えます。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。マーチン、ギブソン、テイラー、三者三様で正直、甲乙付け難いと思います。

このレベルのギターですと、どのギターが良い、悪いではなく、好みの世界だと思いますので、楽器屋に行って実際に弾き比べてみて判断して欲しいと思います。

それぞれの良いところをまとめると、ジャカジャカとストロークするならギブソンJ45、アルペジオでバラードを弾くならマーチンD28、ライブで色んな曲を弾くならテイラー314CEといったところでしょうか。

勿論、マーチン、ギブソン、テイラー意外にも素晴らしいギターメーカーは沢山ありますので、楽器屋に行って色んなギターを弾き比べて、好みの一本を見つけて下さいね。

ライター:kato

2020年よりフリーライターとして活動。 @kato1155ka

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