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魅惑の9thコード 〜 9th、マイナー9th、add9コードを掘り下げる2015年12月8日 , ライター:森多 健司

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9thというと理論的にはルートの一音上にある音のことです。Cコードなら9thはD(レ)。コードにこの音を重ねることで、カラフルな響きを得ることが出来、数多く使われています。今回はそんな9thコードの魅力に迫ってみます。

ギターコード表

セブンス9th

様々なジャンルで定番的に使われるこのコード。普通のセブンスにある詰まったような響きはそのままに、少しおしゃれ感を加えたような響きが特徴。ファンクやフュージョンではカッティングの定番コードとして、ジャズではそのままコンピング、ブルースではコードの高い方から3音ほどを拾ってスライドすることで、独特のだるい感じを出すことが出来ます。

9th

5弦ルートの方が登場頻度は高いと思われますが、1弦を押さえることと押さえないことがあります。押さえる場合は1~3弦を薬指でセーハ、4弦が人差し指、5弦のルートが中指になりますが、これは慣れるまで押さえるのが大変です。このフォームにプラスして、小指で1弦の2フレット上部分(D9だとするとルートが5f、小指が7f)を同時に押さえると、この部分が13thとなり、コードネームは7(9,13)という風になります。このコードはジェームス・ブラウンの「Sex Machine」で鳴り続けているカッティングのフォームに登場することで有名。

ちなみに、○7(9)と○9は同じものを表します。6弦ルートは指が足りなくなるので、ルートを省いて押さえるのが一般的。

マイナー・セブンス9th

マイナーセブンスコードに9thを加えたのがこれ。5弦ルートの形で使われるのがほとんど。ルートは5弦の部分で、2弦の部分が9thになります。普通のマイナーセブンスよりも数段おしゃれ感がアップするので、フュージョンなどで非常によく使われます。6弦ルートはこの形のままコードを弾くことはほとんどありません。

minor9th

Charの有名曲「Smoky」はこれの平行移動から始まるので、一定以上の世代にはこれを見ると「Smoky」を思い出す、という方も少なくないでしょう。こちらも○m9と○m7(9)は表記が違うだけで同じもの。

Char「Smoky」のYouTube動画

add9コード

○add9と表記するコードで、○(9)と書かれることもあります。上記二つと違うのは7thの音が入っていないこと。C7(9)やC9はC7に9thを加えたものであるのに対し、Cadd9、C(9)はCに9thを加えたものです。ので、セブンス特有の詰まったような響きはなく、全く別物になります。透明感があるのが特徴で、アコギでは定番コードのひとつ。エレキでもアコギほどではありませんが、アルペジオなどで効果的に使われることが多いです。

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cadd9gadd9

これらは全てオープンコードのadd9コードです。Cadd9は1弦があることもないこともありますが、押さえない方が透明感はアップします。エレキではアルペジオで使うと良いです。Cのパワーコードの上でこのアルペジオを入れると、ハードな音世界のなかに広がりが感じられ、効果抜群です。ただ、使いすぎると嫌味になるので注意が必要。

add9powerchord

そしてこちらがパワーコードの上に9thを直接入れたもの。カッコ内の音は基本的には押さえなくて良いです。1度-5度-9度という独特のボイシングが、ロック的ハードさの中に憂いを感じさせ、興味深い響きを生み出します。ジョン・ペトルーシがドリーム・シアターの曲中でうまく取り入れています。

そして、これを語る上で欠かせないのがポリス。ギタリストのアンディ・サマーズは、カッコ内の音も押さえたフルフォームで「Message in a Bottle」「Every Breath You Take(見つめていたい)」などの名曲を奏でました。このフォームは彼の代名詞となっています。

ちなみに、カッコ内の音を押さえるとM3rdが入るので、明るい響きが追加されます。半音下げるとm3rdになりますが、人差し指をセーハして対処します。指がちぎれそうな難コードです。

まとめ

というわけで、いかがだったでしょうか。コードに一音入れるだけで色んな世界が広がっていくのが分かると思います。これこそがコードの妙ではないでしょうか。

9thは半音上げた#9や半音下げたb9thにするとまた違った響きが得られ、奥の深いテンションです。この手のコードにあまり注意を払ったことのない方は、これを機会に一度掘り下げてみるのもいいかもしれませんね。

ライター:森多 健司

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