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安価にして多機能!ZOOM製品特集2016年4月28日 , ライター:森多 健司

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ZOOMと言えば一昔までは「安かろう悪かろう」なイメージが多いメーカーでした。個人的経験から言えば、王道のBOSSに手が届かない学生などが、その代替品を求めて飛びつく廉価品メーカーの印象が強く、筆者は505というマルチエフェクターを高校生の頃に購入したのがZOOMとの出会いでしたが、これは当時としては10,000円を切る唯一のマルチエフェクターであり、まるで考えられない価格でした。

しかし、昨今のZOOMはそのイメージを見事に払拭して、目の付け所の違う製品を数々送り出しています。軸足となるマルチエフェクターを筆頭に、オーディオインターフェース、ハンディレコーダーなど、ギター、ベース製品の枠にとどまらないラインナップはどれも安価、多機能を地で行く物ばかりで魅力的です。今回はそんなZOOM製品の特集をしてみましょう。

マルチエフェクター

ズームと言えばマルチというイメージは今も変わりません。筆者が最初に手に入れたZOOM 505はメモリ量の貧弱さを画に描いたようなサウンドでした。現在は進化したDSPの恩恵もあって、ほとんどコンパクトと遜色のないほどのサウンドをたたき出します。

G3

コンパクト・エフェクターを横に並べるというインターフェースを持った、昨今多いスタイルのマルチエフェクター。発想自体はかつてのBOSS ME-50と似ていますが、G3は個々のエフェクトが自在に選べるのがポイント。一見、窓は3つと多くありませんが、最大6種類までの同時使用が可能。オンオフを繰り返す歪みなどを窓に表示させ、ショートディレイなど常時ONのものを後ろに回しておくという使い方で、6種類使いながらもコンパクトのようにシンプルなスイッチングができます。もちろん、普通のマルチのように、パッチ単位での扱いも可能。

ZOOM G3 – Supernice!エフェクター

G5n

2016年4月現在、もっとも新しいZOOMのフラッグシップモデル。前バージョンのG5は銀色のパネルにフットスイッチが5個と、いかにもなゴツゴツした外観でしたが、こちらはブラックに統一された上フラットなデザインになり、洗練されています。特にスイッチ周りの操作性は、フットスイッチが二段に分かれて格段にグレードアップ。アンプ、キャビネットモデル数はむしろ減っていますが、音質のグレードアップが図られ、少数精鋭的な方向性へと舵を切っている印象です。アンプ、エフェクトモデルは追加のものが用意されており、ダウンロードにより拡張可能。

ZOOM G5n – Supernice!エフェクター

マルチストンプ

複数のエフェクトをコンパクトサイズに収めて同時使用可能、というありそうでなかった発想のこれはZOOMならではのもの。発表当初は新鮮な驚きがありました。KORGのPANDORAなどと違い、コンパクトエフェクター感覚のインターフェースで、実践向きなところが特筆すべき点でしょう。

MS-50G

エフェクト数は上に紹介したマルチとほぼ同じ量にのぼり、パッチに保存して順に呼び込むことも可能ですが、個々のオンオフを自在に行うことはできません。歪みはすぐに使えるものと、一癖も二癖もあるようなものが混在しますが、それもZOOMの懐の深さと言えるでしょう。空間系は良い意味で予想を裏切るほどの品質です。

ブースターやEQのような縁の下の力持ち的扱いや、ピッチシフターやフランジャー、リングモジュレーターのような飛び道具専用機、はたまた軽いリハーサルやセッション用にバッグに忍ばせるなど、小さいので使い方は無数に考えられます。これを一気に3つ表示可能にして、実践向きに拡大したものがG3だと考えて良いでしょう。派生品としてベース用の物もあります。

ZOOM MS-50G – Supernice!エフェクター

MS-70CDR

MS-50Gの空間系エフェクトに特化したモデル。特化しているだけあって、DSP自体が50Gとは違っており、モデル数のみならず音質も上を行っています。コーラス、フランジャーなど揺らし系、ディレイ、リバーブに加え、ハーモナイザーやグラフィックイコライザーも搭載。かなり豊富なエフェクトのモデリングまで揃っており、空間系専門の一台として様々なシチュエーションで活躍します。

ZOOM MS-70CDR – Supernice!エフェクター

MS-100BT

上記のMS-50Gに、Bluetooth経由でエフェクトの追加ができる機能が付いたモデル。有償のものにはMXR Carbon Copyのような現代の銘機のモデリングもあるので、その辺りのものが欲しいという方には一考の価値あり。ただし、肝心のエフェクトショップのアプリがiOSのみしか無いという片手落ちな様相を呈しており、iPhoneを持っていない人にとっては購入の余地さえない状況なのは残念なところ。

ZOOM MS-100BTを…
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アコースティックギタープリアンプ

上のマルチストンプで味を占めたのか、同じような傾向の音作りが出来るアコギ専用プリアンプが、MS-50G発売後ほどなくして登場。ZOOM唯一のA3のみが現在ラインナップされています。

A3

アコギのモデルとボディを選択して、大まかなサウンドの傾向を決定、その後にEQを掛け、任意にエフェクトを掛けられます。エフェクトはエレキ上がりのものも搭載されているので、アコギには普通使わないようなエフェクトも搭載。インプットがマイクとラインの2種あるところ、ブーストスイッチがあるところはあまり他のモデルでは見られない特徴。筆者はこれを使う際には、マイクにピエゾの信号、ラインにマグネティックの信号を入力し、ブレンドして出力しています。また、地味ですがチューナーが付いているのは嬉しいところです。アコギプリアンプはチューナー付きの物が少ないですが、これはエレアコの場合ギター本体に付いてるものが多いからでしょう。

音の傾向を決めるためのモデル数もエフェクト数も大変多く、音作りの幅は非常に広いです。どんなギターにも合わせられる、良い意味でZOOMらしくない優等生的なプリアンプと言えます。

ZOOM A3を…
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オーディオインターフェース

ZOOMのオーディオインターフェース展開はごく最近のことですが、最初期に登場したものがthunderbolt対応のTAC-2。いきなりthunderboltというところがZOOMらしい尖り方ですが、結局このシリーズは色々な派生を行い、今ではUSB対応のUAC-2まで存在します。

TAC-2

USB3.0の2倍以上のスピードを誇るthunderboltならではの高速を活かし、レコーディングからリスニングまで色々な用途に利用可能。USB対応のオーディオインターフェスが無数にあるのに対し、thunderbolt対応のインターフェースはかなり少ないので、その安価もあいまってMacユーザーの選択肢としては確実に入りうる一品です。DAWソフトとしてCubaseの付属版がダウンロード可能なので、今から制作を始めようという人にも向きます。

派生品としてハーフラック型デザインのTAC-2R、1Uラックサイズの多チャンネル仕様のTAC-8、USB版のUAC-2、UAC-8なども存在します。デザイン的にはTAC-2以上に洗練されているものはありません。安価なthunderboltインターフェースとしてはこれ一択となるでしょう。

ZOOM TAC-2 – Supernice!DTM

ハンディレコーダー

ZOOMならではの激安なものから、しっかりプロ仕様に合わせてきた高品質なモデルまでを多数ラインナップ。iOSに付ける専用のマイクなどもあります。

H2n

ボイスレコーダーとして使える小型軽量でありながら、マイクをXY、MSと2種類搭載しサラウンド録音まで行える、大変幅の広いモデル。XYマイクでは通常のステレオ録音を行い、MSマイクでは正面のMidエリアと左右のSideエリアに分けた録音を行います。Sideが広いほど音全体が広がりを持って聞こえ、狭いほど単一のモノラルに近くなっていきます。これらをモードで分けて利用、あるいは全てを使い録音することで、広がりを自在に制御した録音ができます。安価で多機能という、ZOOMの精神を体現したようなレコーダーです。

ZOOM H2nを…
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H4nSP

高品質なマイクを搭載、野外録音や映像機器との連動までを視野に置いたプロ仕様のレコーダー。楽器を操る際に嬉しいのは4トラックのMTR機能を内蔵しているところ。コンプレッサーやリバーブ、ギターやベースなどのエフェクトなど録音に最低限必要なエフェクトもしっかりおさえられており、音楽的なメモや、ある程度のアレンジングまでを実際に音として残すことができます。

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番外編

PD-01 Power Drive

安価なマルチを次々出していたZOOMが出したコンパクトエフェクター。同時期に4種類ほど登場した中で、クリーンブースト出来るオーバードライブがこれでした。単なるオーバードライブとしても優秀ではありますが、クリーンブースターとしての音質が非常に優れていたため、廃版後に人気が高騰し、現在ではプレミア価格が付く代物となってしまいました。今ほどクリーンブースターなんてものがもてはやされる以前の登場だったため、早すぎた感は否めませんが、ZOOMの音に対するこだわりがよく分かる一品です。MS-50Gなどにはこれのモデリングが入っています。

まとめ

現在ではDSPの技術も飛躍的に進歩し、単なるマルチと侮れなくなってきています。大容量なSDカードなどの登場もあり、機材全般が小さく出来るようにもなってきており、ZOOMのような路線の製品は今後ますます期待出来そうですね。

ライター:森多 健司

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