定番から個性的なものまで〜クリーンブースター使い方とおすすめ5選[記事公開日]2015年11月10日
[最終更新日]2017年11月23日
[ライター]森多 健司

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最近、とみに聞かれるようになったクリーンブースター。既に多数のモデルが出回っている昨今ですが、そもそもクリーンブースターというものが何なのか。ここでは具体的な使い方と、少し変わったモデルの紹介をしてみたいと思います。

クリーンブースターとは

クリーンブースターとは原音をそのままレベルアップする役割を果たします。こう書くとたいしたことではないように思われますが、オーディオの世界では、音量を上げると歪みが増すという現象が起こるので、クリーンなまま音量だけを上げるのはそれなりに難しい技術です。

ギターのエフェクターでは、それに加えて少し中域成分を足したり、あるいは完全にそのまま音量だけをアップさせる、このような微細な差をもつモデルを総称してクリーンブースターと呼んでいます。ほとんどのモデルはGainあるいはVolumeだけのシンプルなコントロールですが、ものによってはBassやTrebleなどのEQを備えているものも。
最近よく聞くけどクリーンブースターって何??おすすめのクリーンブースター10選!!

クリーンブースターの火付け役

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クリーンブースターが一般的に浸透してまだそんなに経っていないですが、その起爆剤としての役割を果たしたのが「Z.VEX Super Hard On」。ナチュラルに音量をブーストするという触れ込みで売れた最初のモデルです。現在でも根強い人気を誇りますが、値段が高いのが難点。

ちなみに、その内部回路のシンプルさから、最近では自作派が最初に作るエフェクターとして知られるようになっています。

Z.VEX Super Hard On

クリーンブースターの使い方

クリーンブースターは主に2種類の使い方があります。

ギターのすぐ後に接続

こうすると音量が上がるというより、その後段に繋いだ歪みエフェクターやアンプのゲインを上げることができます。クリーンブースターにより、アンプに入力されるレベルがグンと上がることになるので、過大入力がより強い歪みを作り出すという原理です。か細いギター信号を一段階太くするバッファーとして使いたい場合も有効。

一般的なブースターと似た使い方ですが、普通のブースターのように、元の音色まで変えてしまうということがないので、音質を保ったままゲインだけを上げたいというときに有効です。ただ、音量はさほど上がりませんので、ソロ時の音量アップなどには、下の方法を使います。

歪みエフェクターの後、あるいはセンドリターンに

こうすると音質をそのままに音量だけを上げることが出来ます。エフェクターで歪みを作る場合はその後に、アンプで作る場合はセンドリターンに挟みます。音質が出来上がった後にブーストされるので、音量だけが上がるという原理。

中域が持ち上がるようなモデルだと、音が張り出してくるので、ソロ時などに特に有効です。ふたつ使って上の使い方と併用というのも可能ですね。

クリーンブースターおすすめ5選

ここではド定番から、少し外れたモデルまでを幅広く選びました。どれも品質の高いクリーンブースターです。

Exotic EP Booster

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クリーンブースターというと真っ先に名が挙がる定番中の定番。エリック・ジョンソンも使用するテープエコー「エコープレックス」のプリアンプの部分だけを抜き出して、それをベースに制作されたというモデルです。中域がやや盛り上がってくるのが特徴で、その優秀さゆえにロックからジャズまで、様々なスタイルのプレイヤーに人気があります。筐体が小さいのもポイントが高いですね。ただ、人気がありすぎて誰も彼もが使っているため、人と違うものが良い、という方には向きません。

Exotic EP Booster

Expro 32Volt Clean Booster

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内部に昇圧回路を組み込み、安定した動作をウリにしているモデル。出音は非常に素直で、徹底してローノイズを実現しています。まさにクリーンという名に相応しいモデル。若干値段が高いのが難点ですが、純粋な音量アップだけを狙うのであれば、これ以上ないと思える選択です。クリーンブースターには珍しく、EQを内蔵しているので、少し質感を変えることもできます。

Expro 32Volt Clean Booster

PIGTRONIX Class A Boost

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こちらも18Vでの駆動を前提としたモデルです。上記の32Volt~と違うのが専用のアダプターが付くところですが、公式には普通の9Vアダプターで駆動可能としています。出音は若干中高域が強調される感じですが、繊細さを損なうことがなく、非常にギターの良い部分を出してくれている印象です。筆者はこちらを愛用しています。

PIGTRONIX Class A Boost

Trial B-1

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大阪発のブランドTrialが誇る小型クリーンブースター。公式にもバッファとしての利用を推奨しているようで、ギターのすぐ後に繋ぐことを前提として制作されているようです。わずかながら原音が押し出されるような雰囲気をもった出音ですが、試し弾きした際には公式紹介文にもあるとおり、そのギターの足りない成分を補うような働きをしてくれる印象を持ちました。筐体の小ささも含めて扱いやすく、個人的にもおすすめなモデルです。

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Maxon Dual Booster

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ひとつ分の大きさのペダルに二種のブースターを内蔵したものです。チャンネルはその名の通りCleanと、中域が特徴的なVintageとに分かれます。どちらをどう繋いでも自由自在で、直列に繋ぐも良し、片方をギターの後段もう片方をセンドリターンというのも良し。Maxonらしく、非常に品質の高いブースターがふたつ手に入る、お得で楽しいモデルです。

Maxon Dual Booster

ライター:森多 健司

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