やっぱり似る?親子ミュージシャン特集[記事公開日]2016年1月18日
[最終更新日]2016年01月18日
[ライター]森多 健司

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親子でミュージシャンというのは兄弟ミュージシャンほどではありませんが、それなりに多いものです。親が偉大であればそれに反発して違う道を行くか、あるいはそれに憧れて追従していくかのどちらかになりそうなものですが、後者にあたる人たちが、同じ音楽の道を志した結果と言えるでしょう。

今回はギタリストを含む親子を中心に特集してみました。

Eddie Van Halen, Wolfgang Van Halen

前任者のマイケル・アンソニーを正規のベーシストから追い出して、代わりにヴァン・ヘイレンに加入したエディーの息子。ぽっちゃりした親に似ない体型で、ヴァン・ヘイレンのボトムを支えています。父親のスタジオリハを何度も見学しているうちに自分でもやりたいと思うようになったと本人は話していますが、影響元にレス・クレイプールやジョン・エントウィッスル(ザ・フー)を挙げるなど、ヴァン・ヘイレンそのものからの影響は薄いよう。

名前の由来はエディーも敬愛するモーツァルトからですが、父親は自分の楽器に同じ名前を付けるなどしており、可愛くて仕方ないようです。

Van Halen – Live on TV – 2015 – 9 Songs! – Youtube

Larry Carlton, Travis Carlton

ラリー・カールトンの息子、トラヴィスはこれまたベーシスト。父親のツアーに何度も帯同しているので、日本に来た際、実際に目にしたことのある方も多いでしょう。七光りといわれやすいこの世界において、ベーシストとしても一定以上の実力を備えており、一流ミュージシャンである父の信頼を一身に受けています。

前項で触れたウルフギャング・ヴァン・ヘイレンと同じく、体型はぽっちゃり気味ですが、こちらはそのはるか上をいっており、老年に入りなお渋さ漂わせる父親と似ても似つかないのがなんとも残念。やはり一流ミュージシャンの子どもなどは、小さな頃から良い生活をして太ってくるでしょうのか。

Larry Carlton Trio – Estival Jazz Lugano 2011 – Youtube

Grant Green, Grant Green Jr.

ファンキーなプレイで伝説に名を残すジャズ・ギタリストの父親と、同じ名前を冠したその息子。父親同様ギター弾きです。父親ともよく共演したこれまた伝説のドラマー、バーナード・パーディとMasters of Grooveというグループを一緒にやっており、アルバムを出したりもしています。

演奏のスタイル的には親譲りの印象は薄く、ブルース的なフレーズを繰り返すだけのものが多かったりします。筆者は一度ビルボード大阪で演奏を見ていますが、フルアコを構えたときの佇まいは父親にかなり似ているものの、実力はとても及ばない印象を受けました。

Ike Stubblefield Featuring Grant Green, Jr at Iman Park Festival (IPF) 2012 Delta Stage – Youtube

Steve Lukather, Trev Lukather

スティーヴ・ルカサーの息子も親同様、ロック系のギタリスト。4歳にしてドラムに目覚めた彼は、父親の勇姿を目の当たりにして、ギターへ転向。トレヴァー・ルカサーというのが本名のようですが、一般的にTrevと略されています。

スティーヴはこの息子が可愛くて仕方ないようで、十代前半の頃からTOTOのツアーに帯同させ、ゲストとして呼んできてギターソロを弾かせるほど。ここまで来るともはや公私混同も甚だしい印象ですね。他にもスティーヴのソロアルバムに参加したりもしています。そんな息子のトレヴ、現在ソロアルバムもiTunesやAmazonで手に入ります。アルバムはギターが特別前面に出ているわけではなく、聴きやすいロックナンバーが中心の構成です。

Trev Lukather | Still Waiting – Youtube

ギタリスト以外では…

ギタリストに限らなければ、真っ先に思いつきそうなのがボーナム親子。レッド・ツェッペリンの伝説的ドラマーとその息子ですが、息子ジェイソン・ボーナムはツェッペリンのコピーバンドを堂々とやってしまうという、七光りを逆手に取った荒業で名前を世に知らしめました。実は親譲りの実力も備えており、本家ツェッペリンの再結成要員として呼ばれるまでに至ります。それだけ親譲りのドラミングだということでしょう。

また、ジョン・レノンの息子、ショーン・レノンもミュージシャンとして活動中。日本でもホンダのCMに出ていたことがありました。こちらも父親とよく似た雰囲気の音楽をやっています。

ソウル系の世界では、ダニーとレイラのハサウェイ親子が有名。レイラ・ハサウェイは実力、名声ともに申し分なく、すでに親の影響から離れるほどになっています。歌唱スタイルは大きな意味では近いですが、ジャンルがやや違うため、そこまで似ているという感じはしません。

また、変わり種ではビートルズにも影響を及ぼしたインドのシタール奏者、ラヴィ・シャンカールとその娘ノラ・ジョーンズなど、何から何まで全然違う例も。

まとめ

ギタリストに絞ると、そんなにたくさんいるわけではないようですが、この中でもエディ・ヴァン・ヘイレンやラリー・カールトンの二世は有名ですね。親がここまで強烈だと、普通は違う道を選びそうなものですが、堂々とその道を志すのはある意味勇気がいることでしょう。二人とも今はまだ評価が定まっていませんが、将来は父親の存在感を越えて独自の道をいって欲しいと思います。

ライター:森多 健司

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