超プレイヤー達の名カバー!レッド・ツェッペリン編[記事公開日]2016年6月14日
[最終更新日]2021年06月18日
[ライター]森多 健司

レッド・ツェッペリン Led Zeppelin

レッド・ツェッペリンはハードロックの始祖とも位置づけられている偉大なロックバンドの一つ。耳にこびりついて離れない印象的なリフや、プログレッシブロックのアーティストにも影響を与えた、音楽的構築度の高さなどから、様々なジャンルのアーティストにカバーされています。

Moby Dick / Vital Information

2ndアルバム「Led Zeppelin II」に収録された、ドロップDチューニングを生かした低音リフが暴れ回り、曲の半分がドラムソロという独特の一曲「Moby Dick」。Vital Information は元 JOURNEY のスティーヴ・スミス(Dr)を筆頭とした、オルガンの目立つインストのジャズ・フュージョン系バンド。原曲の持つ重々しさをジャズのリズムに大胆に転換し、ど派手なジャズブルースに変貌させています。バロン・ブラウン(B)のブルースソロに始まり、軽快なノリでテーマのリフを刻んだ後は、フランク・ギャンバレ(G)とトム・コスター(Org)が畳みかけるようなソロを展開。スティーヴ・スミスのドラムソロも火を噴くような存在感です。

Frank Gambale with Vital Information Big Mama Roma Italy 1999 2 Moby Dick

Stairway to Heaven / Stanley Jordan

レッド・ツェッペリンを代表する名曲「Stairway to Heaven」。アコギの超有名なイントロから始まり、炎吹き上げるようなギターソロに流れていく展開は圧巻ですが、原曲のイメージと構築のレベルが高すぎて、なかなかカバーしにくい一曲でもあります。このスタンリー・ジョーダンのバージョンは、それなりに原曲をしっかりとイメージさせますが、自分の演奏技術を最大限にいかし、オリジナリティを適度に盛り込んだ上でうまくインストに料理している印象です。原曲の持つ圧倒的なダイナミクスはそのままに、流麗なギターソロが両手で、これでもかと連射されます。そんな中、原曲のギターソロ部分はそれらしきフレーズから始めているあたり、おもわずニンマリしてしまうポイントです。

Stairway to Heaven Stanley Jordan

The Rover ~ Achilles Last Stand ~ The Song Remains The Same / Dream Theater

レッド・ツェッペリン史上の中では後期に位置する3曲を、ドリーム・シアターがメドレーでカバーしたバージョン。彼らの4枚目となるミニアルバム「Change of Seasons」に収録されています。

基本的には原曲に忠実なものの、キーボードが入らないトリオ編成での演奏なためか、ジョン・ペトルーシのギターが凄まじい存在感を放っています。マイク・ポートノイ(Dr)のスタイルがオリジナルのジョン・ボーナムとかけ離れているというのもあって、原曲のどっしりとした重戦車のようなパワー感こそありませんが、ギターリフとテクニカルなリズム隊に引っぱられ、独特の疾走感を生んでいます。原曲の退廃的なボーカルを、逆に綺麗に歌いあげるジェイムス・ラブリエ(Vo)の技も見物。ライヴ版でこのクオリティは、さすがに世界一巧いバンドと言われた存在です。

The Rover ~ Achilles Last Stand ~ The Song Remains The Same / Dream Theater

Whole Lotta Love / King Curtis

最後はギターとは余り関係がないですが、ツェッペリンのカバーとしては最も有名な、キング・カーティス(Sax)のこのバージョンを。収録された「Live at Fillmore West」は彼の伝説的ライヴ盤。イントロのリフを大胆にデフォルメし、高速なファンクに仕立て上げた異色のもの。始めに挙げた「Moby Dick」と同じく、レッド・ツェッペリンのリフがあらゆるジャンルで料理出来うる可能性を感じさせる好例です。ファンクになっても違和感はほぼ感じさせず、キング・カーティスの独特の音色とアレンジメント能力が光っています。コーネル・デュプリー(G)やバーナード・パーディ(Dr)などのスーパープレイヤーがバックを鮮やかに支えており、そのはち切れるようなテンションも圧巻です。

King Curtis – Whole Lotta Love

まとめ

いかがでしょうか。ここには列挙できませんでしたが、クラシック音楽の範疇にまでカバーしているアーティストがいるレッド・ツェッペリン。ビートルズ編に比べると、原曲からかけ離れたものが多く見つかります。どのようにでもカバーできるその間口の広さもまた魅力と言えるでしょう。

ジミー・ペイジ

ライター:森多 健司

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