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ロックギタリストにおすすめなフュージョン系ギタリスト5選(ロック編)2015年9月21日 , ライター:森多 健司

photograph © Scott DuBosephotograph © Scott DuBose

フュージョンというジャンルは一般的にはジャズとロックの融合と捉えられています。実際にはその他にファンクなどの要素も入ってくる訳ですが、その要素をどれぐらいの割合で混ぜるのかによって、その人のスタイルが決まります。今回はフュージョン系プレイヤーでもルーツをロックに持つギタリストを取り上げます。

Greg Howe(グレッグ・ハウ)

グレッグ・ハウ

デビューアルバムではネオクラシカルな速弾きをやっていたグレッグ・ハウはその後路線を大幅変更。今では超絶ジャズロック系プレイヤーの代表的存在となっています。

グレッグ・ハウのプレイスタイル

いわゆる普通のペンタトニックなどのフレーズをほとんど弾かず、コード感やスケール感があまり無い、アヴァンギャルドな演奏を得意としています。使うスケールにはコンディミやホールトーンスケールなどのスケールアウト感が強いものも多く、それにコードトーンを混ぜ込んだような独特の流れるようなソロが特徴。昨今ではジャズロックの求道者アラン・ホールズワースにもなぞらえられます。その上にタッピングなどのハイテクニックが頻繁に混ざり、速さも尋常ではないので、その凄みは並みいるジャズロック系プレイヤーの中でも際立っています。

おすすめアルバム

Uncertainly Terms

通算3作目にあたるソロアルバム。それまでの路線とは一線を画するハードフュージョンのアルバムで、キレまくったプレイが炸裂しています。

Tilt

盟友リッチー・コッツェンとの共演盤。二人のスタイルの差が歴然と感じられて興味深い一枚です。楽曲がかっこいいのも特筆。

Extraction

ヴィクター・ウッテン(B)、デニス・チェンバース(Dr)とのトリオで制作された一枚。グレッグ・ハウの真骨頂が堪能できるアルバムと言えます。ホールズワースのカバーも収録。

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Eric Johnson(エリック・ジョンソン)

エリック・ジョンソン
エリック・ジョンソンをフュージョンにカテゴライズするのはいささか強引な感じもありますが、インスト曲が多く、プレイスタイルにジャズとロックを両方感じさせるので、ここに含めました。独自の音楽を追究する唯一無二のミュージシャンです。

エリック・ジョンソンのプレイスタイル

独特のコードトーン的音使いや、流麗なペンタトニックの速弾きなど、一瞬で誰か分かる強烈な個性を放っています。コードトーンは弦をまたいで10度の音程を跳躍し、ペンタトニックはおよそ指板上全てを駆け巡りながら凄い速さでのパッセージになることも多く、聴く以上の難しいことを実際にやっていることがほとんど。ペンタトニックはひとつのキーの楽曲内であっても、コードに応じて複数のキーのものを使いこなしています。類を見ない美しい音色がそのスタイルの独自性に拍車を掛けており、ヴァイオリン・トーンとも呼ばれるその音は、世界中のミュージシャンがストラトの最高峰に挙げるほどのものです。

おすすめアルバム

Ah Via Musicom

外せない一枚。インストと歌物が半々ぐらいですが、個性でまとまっているのはさすが。エリック・ジョンソンの名を一躍押し上げた名盤です。

EUROPE LIVE

エリック・ジョンソンの世界が一枚で聴ける優れたライブ盤。ジャズスタンダードMr.P.C.の演奏は、「何を弾いてもあの音」ですが、幅広いジャンルをものにする余裕を感じます。

Eclectic

ジャズギタリスト、マイク・スターンとの共演を果たしたアルバム。共作というよりゲストで飛び込んでいる感じですが、マイク・スターンを凌ぐ勢いで弾きまくっています。

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Steve Morse(スティーブ・モーズ)

スティーブ・モーズ

超絶プログレッシブインストバンドDixie Dregsのリーダーとして70年代にデビュー。現在ではDEEP PURPLEのギタリストとして有名ですが、プログレッシブ・ロックやカントリーの要素を含んだインスト音楽を数多く演奏しています。ドリームシアターのジョン・ペトルーシがその影響元として常に名を挙げる存在でもあります。

スティーブ・モーズのプレイスタイル

丸い輪郭の音でありながらレガートをあまり使わず、フルピッキングで演奏することが多いです。弦をまたぎながら高速のピッキングでクロマチックを連射するそのスタイルは、ジャズ系のものからの発想なのかロック的なアプローチなのか微妙なラインのものです。そのクロマチックの使い方は、少し普通と違っており、独特のアウト感、緊張感を生む役割を果たしています。自己のリーダーバンドSteve Morse Bandでは、シンプルなギターインストを演奏していますが、楽曲の充実度も特筆すべきものです。

おすすめアルバム

What If

傑作との呼び声も高い、Dixie Dregsの2ndアルバム。あらゆるジャンルを飛び越えた、複雑で多彩な楽曲をいとも簡単にこなす演奏に唖然。中でもモーズのギターは冴え渡ります。

Southern Steel

90年代に入り再結成した新生Steve Morse Bandの1stアルバム。モーズの独特なスタイルを堪能するにはうってつけ。アメリカンな印象の強いギターインストの佳曲が並びます。

Live in New York

ソロでのライブCDと、Dixie DregsのDVDがセットになったお得パック。ソロのライブはアコギがかなり多いですが、それゆえに繊細さがより際立っています。

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Richie Kotzen(リッチー・コッツェン)

リッチー・コッツェン

一口にフュージョンのプレイヤーとは呼べないリッチー・コッツェンですが、フュージョン系インストも数多く発表しているため、ここに加えました。ギターも天才的ですが、ボーカルも異常にうまく、自分のアルバムではほとんどが自分で歌っています。

リッチー・コッツェンのプレイスタイル

荒削りな印象の強いシングルコイルのサウンドで、コードアルペジオやペンタトニックのフレーズなどをもの凄い速さで繰り出すスタイルです。楽曲自体にフュージョン系の要素が入っているのと、フレーズの速さが異常なので難しそうに聞こえますが、解体すると意外にもシンプルな方法で演奏していたりします。一緒にアルバムを仕上げているグレッグ・ハウに比べても、インテリジェンスはあまり感じないのですが、そのぶん天才的な勘で演奏しているような印象を受けます。ブルースの素養も色濃く、ブルースだけのアルバムなども発表しています。最近ではピックを使わずに指で弾くスタイルに転向しています。

おすすめアルバム

Electric Joy

リッチーがフュージョン路線で発表した最初のインストアルバム。チープなプロデュースながら、卓越したプレイと優れた楽曲でそれを感じさせません。

Vertu

スタンリー・クラーク(B)、レニー・ホワイト(Dr)というReturn To Foreverのリズム隊に紛れてギターで参加しています。楽曲は強烈なプログレ・フュージョン。リッチーがフュージョン界の大御所と渡り合っている非常に珍しい一枚となっています。

Tilt

グレッグ・ハウの項目でも紹介した共演盤。この企画はもう一枚「Project」というものがありますが、こちらの方が楽曲の質、緊張感ともに上をいっているように思います。

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Tony MaCalpine(トニー・マカパイン)

トニー・マカパイン

純黒人のハードロック、フュージョンプレイヤーという珍しいトニー・マカパイン。デビューがシュラプネルレーベルで1986年というのはポール・ギルバートと同じで、実際にデビュー時は似た扱いでした。現在はハードフュージョン風のスタイルを身上としています。

トニー・マカパインのプレイスタイル

もともとネオクラシカルな速弾き系のプレイヤーでしたが、徐々にスタイルが変わっており、現在ではハードなフュージョンやプログレッシブ・ロックなどを演奏することが多いです。元々のテクニックがもの凄いので、当然転向後ももの凄く、ネオクラシカル時代から得意技としていたスウィープ&タッピングの合わせ技などを巧みに織り交ぜて、レガートの流れるようなソロを構築します。一聴してグレッグ・ハウとかなり似たプレイスタイルです。また、元はピアノを演奏していたというところから、ギターに比肩しうる鍵盤の演奏力を持ち、スティーヴ・ヴァイ・バンドではそれを遺憾なく発揮していました。

おすすめアルバム

Premonition

通算4枚目のソロアルバム。それまでのネオクラシカル路線と新しく取り入れたフュージョン系のサウンドがうまくマッチした好盤で、プレイスタイルの変化が感じ取れます。

CAB 4

デニス・チェンバース(Dr)、ブライアン・オーガー(Key)、バーニー・ブルネル(B)という、凄腕3人の名前の頭文字を取ったスペシャルバンドの3rdアルバム。高速レガートなソロで周りのメンバーと火花を散らしています。

Universe (Planet X)

元ドリームシアターのデレク・シェリニアン(key)率いるプログレバンドPLANET X。このアルバムからトニーも参加しており、7弦ギターを使っての複雑なリフやソロを軽々こなしています。

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ライター:森多 健司

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